Tesoro山本技術士事務所

Tesoro山本技術士事務所 プラント設備の腐食,劣化,損傷,振動など設備個別の問題解決及び、保全計画を支援する専門家です。貴重な地球資源から生まれた設備の寿命を全うさせると共に、可能な範囲で設備の抱えるリスクを小さくすることで、人類社会の持続と安心・安全な社会の維持に貢献します。

【「サイレント破壊」に要注意! 振動が引き起こす高サイクル疲労】設備は問題なく運転していたのに、ある日突然、配管や回転軸が破断した――。こんなトラブルの原因として注意したいのが、**高サイクル疲労**です。疲労損傷の怖いところは、腐食減肉の...
22/08/2026

【「サイレント破壊」に要注意! 振動が引き起こす高サイクル疲労】

設備は問題なく運転していたのに、ある日突然、配管や回転軸が破断した――。

こんなトラブルの原因として注意したいのが、**高サイクル疲労**です。

疲労損傷の怖いところは、腐食減肉のように外観から進行を把握しにくいこと。

見た目には問題なくても、金属内部では疲労が静かに進展しているかもしれません。

まさに設備の**「サイレント破壊」**です。

高サイクル疲労で重要なのは、

**「応力振幅」と「繰り返し数」**

1回では壊れない程度の小さな応力でも、何十万回、何百万回と繰り返されると疲労破壊につながることがあります。

特に注意したいのが、

・回転軸の段付き部やキー溝
・小口径配管の付け根
・ノズルの付け根
・溶接止端部

などの**応力集中部**です。

また、振動する小口径配管では「共振」にも注意が必要です。

「揺れているから、とりあえずサポートを追加」

ではなく、

**なぜ振動しているのか?
どの周波数で振動しているのか?**

を確認することが再発防止につながります。

疲労破損が起きたら、

① き裂はどこから始まったか
② 繰り返し応力源は何か
③ なぜその場所の応力振幅が大きくなったか

この3点を整理してみてください。

部品を新品に交換しても、振動や応力集中が残っていれば再発する可能性があります。

**サイレント破壊を防ぐ鍵は、「壊れたもの」だけでなく、「なぜ繰り返し応力が生じたのか」を見ることです。**

詳しくはHPの記事で解説していますので、是非ご覧ください。
https://tesoro-ce.com/2026/08/22/%e3%80%8c%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%83%88%e7%a0%b4%e5%a3%8a%e3%80%8d%e3%81%ab%e8%a6%81%e6%b3%a8%e6%84%8f%ef%bc%81-%e6%8c%af%e5%8b%95%e3%81%8c%e5%bc%95%e3%81%8d%e8%b5%b7%e3%81%93%e3%81%99/%e8%a8%ad%e5%82%99%e7%ae%a1%e7%90%86/

#設備保全 #プラント保全 #化学プラント #疲労破壊 #高サイクル疲労 #振動診断 #配管振動 #回転機 #設備診断 #予防保全

【毎年肉厚測定しているのに、なぜ配管は漏れる?】化学プラントの配管管理では、超音波肉厚測定を定期的に実施しているところが多いと思います。でも、「毎年測っているから大丈夫」とは限りません。特に注意したいのが**局部腐食**です。局部腐食は、あ...
15/08/2026

【毎年肉厚測定しているのに、なぜ配管は漏れる?】

化学プラントの配管管理では、超音波肉厚測定を定期的に実施しているところが多いと思います。

でも、

「毎年測っているから大丈夫」

とは限りません。

特に注意したいのが**局部腐食**です。

局部腐食は、ある特定の場所だけが深く減肉するため、

**測定点では十分な肉厚があっても、そのすぐ近くで著しい減肉が進んでいる**

ことがあります。

実際、過去の検査記録を踏襲して同じ場所を測り続けた結果、別の場所で破孔漏えいした事例もあります。

このとき重要なのは、

**「肉厚を測ること」が目的ではなく、「最小肉厚部を見つけること」が目的**

ということです。

局部腐食が想定される設備では、

・前回と同じ点を測るだけになっていないか
・毎回ゼロベースで目視確認しているか
・最小肉厚部を本当に捉えられているか
・目視できない範囲は、広範囲スクリーニングを組み合わせているか

といった視点が重要になります。

特にCUI(保温材下腐食)は、局部腐食であるうえに直接目視できないため、「代表箇所だけを見る」検査では見逃しリスクがあります。

一度、自社の肉厚測定記録を見返してみてください。

そこに並んでいる値は、

**「決められた位置の肉厚」でしょうか?**

それとも、

**「その設備で最も薄い場所の肉厚」でしょうか?**

この違いは、設備信頼性を考えるうえで非常に大きいです。

ホームページで詳細を解説していますので、是非ご覧ください。
https://tesoro-ce.com/2026/08/15/1004/%e8%a8%ad%e5%82%99%e7%ae%a1%e7%90%86/

#設備保全 #プラント保全 #化学プラント #腐食 #局部腐食 #肉厚測定 #非破壊検査 #設備診断 #予防保全

定点肉厚測定をしているのに、なぜ配管は漏れるのか?――局部腐食を見逃さない検査の考え方化学プラントの配管管理では、超音波肉厚測定を定期的に実施している事業所も多いと思います。そのため、「毎年肉厚を測っ...

02/08/2026

【8/4セミナー中止】

8/4に予定していましたセミナーは、残念ながら最小催行人数に達しなかったため中止となりました。

AIの台頭やオンデマンド教材へのシフトなどによって、リアルタイムセミナーへのニーズが変わってきたように感じますが、機会があればまたお願いいたします。

今日も暑さを警戒して、日の出と共に自転車トレーニングに出かけてきました。
朝活は涼しくて気持ちいいですね〜

【8/4セミナー登壇のご案内】こんにちはみなさま、いかがお過ごしでしょうか?唐突な切り出しで恐縮ですが、「VUCAの時代」と言われて10数年、近年の世の中の状況を見るとますますその傾向が強くなってきた感がします。このような不確実性が高い時代...
15/06/2026

【8/4セミナー登壇のご案内】

こんにちは
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

唐突な切り出しで恐縮ですが、「VUCAの時代」と言われて10数年、近年の世の中の状況を見るとますますその傾向が強くなってきた感がします。

このような不確実性が高い時代において、ニーズを見極めて、プラントのスクラップ&ビルドの判断を下すのは容易ではなく、既存プラントを維持管理することの重要性がより増していると考えています。

そこで、日刊工業新聞社様主催により、

現役の保全マンが教える!
「経年化学プラント設備の保全計画と検査・診断による劣化損傷への対応」

と題したWebセミナーを開催します。

・腐食、疲労といった劣化の基礎や対処方法
・保全計画の考え方
・回転機の状態監視・診断の基礎

を学びたい、学びなおしたい方を対象に現場で使える設備管理&設備診断技術をお伝えします。

たくさんのお申込みをお待ちしております。

プラント設備を安定稼働させることは、生産の維持、保安の確保、労働災害防止、業務負荷軽減など多くのメリットが挙げられ、その達成のために設備管理は大変重要な位置づけの一つと言えます。ひとたび設備に故障が起...

【セミナーのご案内】今年度も三重県産業支援センター様より、化学産業およびその関連産業向け講座の講師オファーを頂きましたいつもありがとうございます講座はちょっと先の2/19金曜日です前回の講座ではさらっとしか触れることができず、「もっと聞きた...
23/05/2026

【セミナーのご案内】

今年度も三重県産業支援センター様より、化学産業およびその関連産業向け講座の講師オファーを頂きました

いつもありがとうございます

講座はちょっと先の2/19金曜日です

前回の講座ではさらっとしか触れることができず、「もっと聞きたかった」というご要望にお応えして、回転機振動診断の基礎知識をテーマにして、ガッツリ⁈説明させていただきます

お申し込みお待ちいたしております!

https://www.miesc.or.jp/support/contents/1531/

https://www.miesc.or.jp/slaker/upload/topics/file2_1_2026052267d0ec6f9677b7913b936cc556773dbdd123c00d.pdf

三重県産業支援センターは貴社のビジネスサポートをいたします。技術・販路・経営・資金・人材育成などご相談ください。

05/05/2026

【局部腐食事例】

今回は以前担当した炭酸腐食と思われる局部腐食の原因調査と対策事例を紹介します。

1. 概要
炭素鋼製圧力容器底部を中心に、減肉速度数mm/y以上の虫食い状局部腐食が認められた。底部40Aノズル突合せ溶接部では貫通も認められた。
高S, 高Nの燃料油を低S, 低Nのものに変更したため、洗浄水側の化学環境が大きく変化したことによる炭酸腐食と結論付けた。対策として、洗浄水にアンモニア水を注入することで腐食環境改善を図った。

2. 設備と運転条件
■ 設備と機能
・炭素鋼製縦型圧力容器(1961年製作)
・石油燃料を部分酸化法(POX)により燃焼させ、COとH2を発生させるプロセスにおいて、燃焼ガスを水に接触させることで炭素微粒子(スス)を分離回収する機能をもつ
■ 運転条件
・運転温度:180℃
・運転圧力:1.65 MPa
・通水量:7t/h

3. 燃料変更前後の化学環境の変化
 3.1 燃料変更前(高N・高S燃料)
  ● ガス側
   POXにより NH₃が多量に生成(燃料N由来)
   SO₂/SO₃ も多い(燃料S由来)
   ● 水側
    高圧下で NH₃ が水に吸収 → pH ≈ 9
    Fe²⁺+SO₄²⁻ → 硫酸鉄スケールが厚く形成
    pH高く、スケールもあり、腐食は抑制されていた

 3.2 燃料変更後(低N・低S燃料)
  ● ガス側
   燃料中のN分低下によりNH₃生成量が激減
   SOₓも1/10に低下
   CO₂は依然として存在(相対的に主役へ)
  ● 水側
   NH₃供給減少 → アルカリ源がなくなる
   新たな硫酸鉄スケールが生成されない
   CO₂溶解 → 炭酸系で pH ≈ 6
   既存スケールが剥離 → 素地鋼が露出

4. 腐食メカニズム
 4.1 pH低下による炭素鋼の活性溶解
  pH 9 → 6 で腐食速度は桁違いに上昇
  炭酸系(CO₂)では FeCO₃皮膜が形成しにくい
  → 全面腐食+局部腐食が進行しやすい

 4.2 スケール剥離による局部電池形成
  スケールが不均一に剥離することで、スケールがカソード、
  新たに露出した素地がアノード
  → アノード部が虫食い状局部腐食

 4.3 ノズル突合せ溶接部での破孔
  ・不完全溶け込みによる施工
  ・溶接熱影響による組織変化
  ・溶接残留応力
  →局部アノード化

5. 原因、まとめ
 燃料変更後の局部腐食の主因は:
 1.NH₃供給の減少 → pH 9 → 6 に低下
 2.硫酸鉄スケールの新生停止+剥離 → 素地露出
 3.スケール下の酸素欠乏 → 局部腐食環境の形成
 4.ノズル溶接部の局部要因 → 貫通
 燃料変更により、「高N・高S → 低N・低S」というガス化学の
 変化が、水側環境を「アルカリ性(pH9)→ 炭酸系中性
 (pH6)」へ大きく変化させた。これにより、スケール剥離・
 局部環境悪化・溶接部弱点が顕在化し、虫食い状局部腐食が発
 生した。

6. 再発防止策
 6.1 水質管理
  アンモニア水注入によりpHを 8〜9 に維持(設備更新までの
  暫定措置)

 6.2 設備更新
  本体及びノズル材質を炭素鋼からSUS316Lに変更し更新
  
プロセスの改善が期待された燃料変更ですが、思わね副作用が出てしまった例です。ご参考になりましたら幸いです。

【書籍発刊のご案内>去る2026/2/26に発刊されました「プロセス・プラントのリスク、安全性評価」-物質の危険性/作業ミス・判断ミス/装置・設備の劣化、故障/自然災害-におきまして第5章 第1節「経年プラントのリスクベースメンテナンス」を...
27/02/2026

【書籍発刊のご案内>

去る2026/2/26に発刊されました

「プロセス・プラントのリスク、安全性評価」
-物質の危険性/作業ミス・判断ミス/装置・設備の劣化、故障/自然災害-

におきまして

第5章 第1節「経年プラントのリスクベースメンテナンス」

を担当執筆させていただきました。
本書は、学術的知識にとどまらず事例の考察や、AI, IoTを活用した設備保全の高度化など、現場に適用できる要素が盛りだくさんです。
ちょっとお高い豪華本ではありますが、職場に1冊お持ちになることで、設備安全レベルの向上に寄与できること疑いなしです。
著者紹介割引も適用できますので、ご購入の際はご連絡頂けますと幸いです。
また、試読もできますので、是非ご覧ください。

よろしくお願いいたします

技術情報協会はセミナー・出版・通信教育を通じて企業の最前線に立つ研究者、技術者をサポートし社会に貢献します

【ご報告&お礼】2/19(木)「経年プラント設備の保全計画と劣化損傷への対応」無事終了することができました。会場は四日市ということで、近鉄四日市駅近くのあさひ食堂さんのとんてき定食でガッツリチャージして(さすがににんにくは自重しました)いざ...
21/02/2026

【ご報告&お礼】2/19(木)「経年プラント設備の保全計画と劣化損傷への対応」無事終了することができました。

会場は四日市ということで、近鉄四日市駅近くのあさひ食堂さんのとんてき定食でガッツリチャージして(さすがににんにくは自重しました)いざ講義へ!

昨今のセミナーは、講師・受講者双方側にとって利便性が高いWebセミナーが大半ですが、しゃべる側の本音としてはface to faceのコミュニケーションが一番安心だし、人とのつながりの面でも圧倒的に有利なので、対面・Webのハイブリッドである本セミナーには毎年会場に足を運んでいます。移動に往復10時間かかりますし、受講者の95%はWeb参加…。でもそれでもいいんです。対面することには大きな値打ちがあります。

ご聴講頂きました皆さま、大変ありがとうございました。心揺さぶる講義を目指しているものの、なかなか理想通りとはいかず反省点ばかりですが、お伝えしたい点は伝えられたかな?と自分では甘い点をつけています。

次回は今回の続編として、回転機の振動診断を中心にお話ししたいと思いますので、是非対面でお会いしましょう!

#三重県産業支援センター  #コンビナート運営人材育成講座  #経年プラント  #保全計画 #腐食管理 #技術士 #劣化損傷

【リスク対応の考え方】もうすぐ冬至を迎えますね。朝晩の気温もグンと下がり冷え性の私には辛い季節です。一時期に比べるとクマ被害の報道は減ったように感じますが、出没に注意する日々が続いています。今日はクマ被害のリスク対応について触れてみます。前...
18/12/2025

【リスク対応の考え方】

もうすぐ冬至を迎えますね。
朝晩の気温もグンと下がり冷え性の私には辛い季節です。

一時期に比べるとクマ被害の報道は減ったように感じますが、出没に注意する日々が続いています。今日はクマ被害のリスク対応について触れてみます。

前回述べました通りクマリスクは受容レベルを超えていますので、何らかのリスク対応が必要と考えられます。以下に代表的なリスク対応として4つ挙げます。

①リスクの回避
クマと人の生活エリアを完全に分断させる、クマを絶滅させるなど、クマと人間が絶対に出会わない処置、ということになりますが、非現実的で、ほぼあり得ない対応ですね

②リスクの低減
クマを人里に近づけないよう柿の木を伐採する、わなによって捕獲するなどにより個体数を減らす、クマが出そうな場所に行かない、などすでにいろんな取組みがなされていますね。最も現実的なリスク対応と考えますが、受容可能なリスクレベルに抑えるのはなかなか困難ですね。

③リスクの移転
保険をかけて怪我に備える、といった類いです。経済的なリスクのみを保険会社と共有するものであり、この場合あまり有効とは言えないかもしれません。そもそも怪我で辛い思いをしたくないですから。

④リスクの保有
受容できるリスクレベルと評価されれば、ただちに対策を取る必要はなく、リスクを保有することを可能とするものですが、クマリスクはそもそも受容不可ですので論外。

まとめますと、クマ被害に対する効果的かつ実現可能なリスク対応は「”リスクの低減”によって被害数を減らすこと」ということになるでしょうか。あとは他力本願ですが早く冬眠してくれることを願うばかりです。

#リスク対応 #設備等のリスクマネジメント技術者 #技術士

【熊リスク】爽やかな陽気に誘われてサイクリングを楽しみました。行き先は、クマと出会わないことを祈りながら、いつもの中国山地方面へ。今回は、今年世間を騒がせているクマをリスクアセスメントの対象として扱ってみましょう。クマは人間にとって危害の源...
15/11/2025

【熊リスク】

爽やかな陽気に誘われてサイクリングを楽しみました。行き先は、クマと出会わないことを祈りながら、いつもの中国山地方面へ。

今回は、今年世間を騒がせているクマをリスクアセスメントの対象として扱ってみましょう。

クマは人間にとって危害の源になり得る存在ですので「ハザード」と言えるでしょう(詳しくは前々回投稿をご覧ください)。

ハザードであるクマが人間と出会って怪我を負う可能性は決して高くない(今年は例年より高いですが)と言えますが、ひとたび遭遇してしまうと命に関わる可能性が高いです。従って「受容できないリスク」に位置付けられますので、何らかの方法でリスク低減を図る必要があると言えるでしょう
。

現在、官民挙げて様々なクマリスク対応にあたられており、これ以上被害に遭う方が出ないよう成果が上がることを願うばかりです。

#リスクアセスメント  #設備等のリスクマネジメント技術者  #技術士  #ハザード  #リスク管理

住所

広島県
広島県, Shimane

アラート

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