05/03/2021
登録支援機関とは?支援業務は委託すべき?それとも内製化すべき?
【特定技能1号外国人に対して行うべき支援とは?】
支援の内容には、必ず行わなければならない「義務的支援」と、行うかどうかは企業次第な「任意的支援」があります。以下では、義務的な支援の内容についてご紹介してまいります。
義務的であれ、任意的であれ、いずれにせよ、自社で支援を行うことが難しい場合や、完全に支援業務を自社内製化することにリスクを感じる(特定技能外国人の雇用打ち切りが起こる可能性が高いなど)場合には登録支援機関に委託することができます。
※支援を委託する場合には、その支援に関わる費用を直接的、または間接的に、その外国人から徴収、負担させることはできないことになっています。
特定技能1号外国人を義務的な支援とは具体的には?
下記の10種類の支援を実施することは、は特定技能外国人を雇用する場合の義務となっています。
①事前ガイダンス
タイミングとしては、雇用契約を締結した後、かつ、在留資格に関する申請をする前に行います。雇用したい外国人の理解できる言語で行う必要があります。
伝えなくてはならない主な内容は下記です。詳細は、こちらの記事をご確認ください。
・労働条件
給与や勤務時間などの労働条件について説明する。
・活動内容
特定技能1号で定められている活動内容について説明する。
・入国手続き
入国のために必要な手続きを説明する。
・保証金徴収の有無
特定技能の履行に関する保証金を結んでいないかどうか、あるいは、今後もそういった契約を結ばないことを確認する。
※対面でなくとも、Web通話での説明でOKです。
②出入国の際の送迎
入国の際にも、出国の際にも、保安検査場の前まで一緒に同行し、入場までを見届ける必要があります。
「出国の際も送迎が必要なの?」
と思われる方も多いかと思います。
これが必要なワケは、「失踪」を防ぐためだと考えられます。
かつて、技能実習生が実習を修了後も日本に残って働きたいがために、出国の日に失踪してしまうことが多発してました。そのため出国して見送るまでを義務とし、出国日の失踪を減らそうとしたのではないかと考えています。
③住居確保・生活に必要な契約支援
住居の契約事項にある連帯保証人になること。銀行口座等の開設、携帯電話やライフラインの契約等を案内し、手続きの補助まで行う必要があります。企業が契約する場合でも、本人が契約する場合でもプライベートスペースが7.5平方メートル以上の間取りが必要となっています。
これはシェアハウスでも問題ありません。
④生活オリエンテーション
日本のルールやマナー、公共機関の利用法や連絡先、災害時の対応等について、円滑に社会生活を営めるように説明が必要です。この時、1号特定技能外国人が理解できる言語で、説明する必要があります。
特に、ゴミ出しのルールはご近所トラブルになりやすいポイントなので、特に重点的に説明するようにしましょう。
⑤公的手続き等への同行
必要に応じ、社会保障、税などの手続きの同行、書類作成の補助を行う必要があります。
⑥日本語学習の機会提供
日本語教室等の入学案内、日本語を学習する教材の情報提供等を行う必要があります。現在各種日本語教育サービスが出ていますので、さほど難しくはないでしょう。
⑦相談・苦情への対応
職場で困っていることや、日本で生活する上での相談や苦情等に、ついて、外国人の理解できる言語、(おそらくほとんどの場合は母国語での対応が必要になる)での対応、内容に応じた必要な助言や指導等が必要。
⑧日本人との交流促進
地域のお祭りを案内したり、参加の補助等を行ったり、地域住民との交流の場を案内するなど、日本の文化や風習などに触れ合う機会を作ることが義務になっています。
⑨転職支援(人員整理等の場合)
受入れ先の企業側の都合などによって、雇用契約を解除する場合、その後の転職先や求人先を探す手伝いや、推薦状の作成等が必要です。求職活動を行うための失業給付・有給休暇の付与や必要な行政手続きの情報提供をする必要があります。
自己都合退職の場合は当然、転職サポートをする必要はありません。
⑩定期的な面談、行政機関への通報
支援責任者が、外国人及び、その上司等と定期的に(3ヶ月に1回以上)面談し、労働基準法違反等がないか、確認します。仮に違反があるのであれば、通報するのが義務となっています。
ただし、自社内で全ての支援を行う際に、適切な通報体制になるのか?あるいは、登録支援機関が、「顧客」である受入れ企業の不正を、わざわざ報告するだろうか?という点で、いささか、この最後の報告義務には無理を感じています。もちろん違反を報告しなかった場合のペナルティは重いのですが、あくまで制度設計は性悪説で行うべきと個人的には思っています。
【特定技能1号外国人を受け入れるための企業の要件とは?】
そのほか、企業が特定技能1号外国人を受け入れるためには、下記の4点を満たす必要があります。
①外国人と結ぶ雇用契約が適切
報酬額を日本人と同等以上にしなければならないと定義されています。これが技能実習と大きな違いの一つです。技能実習の場合には、名目が実習であるため最低賃金での受け入れが可能でした。
※ただ、とびなどの一部の職種に置いては、最低賃金では全くもって希望者が集まらない状況です。
②機関自体が適切である
5年以内に出入国・労働法令違反がないことが必須条件です。人権保護の立場から、失踪を出している機関への措置は今後より非常に厳しくなっていくことが予想されます。
③外国人を支援する体制がある
外国人が理解できる言語で支援できなければなりません。ただ、こちらは通訳とスポットで契約することで解決できます。
④外国人を支援する計画が適切である
上記で紹介した支援義務を適切に果たせる計画になっているかが重要になります。無理なスケジュールになっていたり、義務となっている支援内容がそもそも計画に盛り込まれていなかったりするとアウトです。
また受け入れ企業が自社で支援を行う場合でも、登録支援機関に支援を委託する場合でも、支援を行う主体が計画を適切に行える体制がないと判断される場合には、そもそもの在留資格が降りないということも抑えておきましょう。
特定技能1号外国人を受け入れた後に果たすべき義務
受け入れ後にも、大きく3つの義務があります。
①外国人と結んだ雇用契約を確実に履行すること
特に報酬を適切に支払うことが大事です!
実は技能実習で問題が生じるポイントがここです。
賃金の未払いや、雇用契約時点でのコミュニケーション不足によって実習生のフラストレーションがたまり、失踪に繋がってしまうということがあります。
「雇用契約を確実に履行するなんて当たり前じゃん!」
と思われた読者様の企業は素晴らしい企業です。当たり前のことを当たり前に実施するという素晴らしい慣習をぜひ継続していただきたいと思います。
②外国人への支援を適切に実施
支援計画通りに適切に支援を実施しないと、不適格先となり、今後の受け入れが困難になります。
③出入国在留管理庁への各種届出を怠らない
技能実習と比較するとそこまで多くはありませんが、日本人を雇う場合と比較すると書類の提出頻度が多いです。
以上の①〜③を怠ると外国人を受け入れられなくなります。
【登録支援機関とは?】
登録支援機関とは特定技能外国人を受け入れる企業に代わり、特定技能外国人の支援を行う機関のことです。
企業は支援の一切を登録支援機関に委託するか、自社で必要十分な支援を行えることを証明しないと、特定技能1号外国人を雇用することができません。
ただ、自社で支援を十分に行えるようにするには非常に費用と、工数がかかるため、特定技能外国人を雇用したいほとんどの企業が登録支援機関に支援を委託することになるだろうと言われています。