19/08/2026
【ワイン造りの小噺】
<白ワインでの搾汁(ぶどうの搾り)>
こんにちは。
先日の投稿で「ワイン仕込み始めました」の投稿をしましたが、本日もカタシモワイナリー様( カタシモワイナリー )のご協力の下、デラウェアを搾った果汁の上澄みを取り出して酵母を添加する所まで作業いたしました。
白ワインはざっくり云うと、ぶどうを搾って果汁を取り出しその果汁を酵母で発酵させることでお酒(ワイン)を造り出すのですが、果汁の取り出し(搾汁)の工程について触れてみたいと思います。
収穫したぶどうのジュースを取り出すには、ぶどうを圧搾機(プレス機)に入れて果粒を潰すことから始まります。
※圧搾機の例は2枚目の写真をご覧下さい。ワインつくり研究所様( ワインづくり研究所(シンワフーズケミカル株式会社) )の投稿から引用させて頂きました。
通常、房から軸と粒を分けて果粒のみを圧搾機に入れるのが搾汁では一般的です。
房から軸と粒を分けるには、除梗破砕機という機械にぶどうの房を投入して行きます。
除梗破砕をせず房丸ごと圧搾機に入れる手法(ホールバンチ・ないしはホールクラスタープレスと呼びます)もありますが、詳しくは割愛します。
今回は一般的な、
除梗・破砕→圧搾
というプロセスですが、圧搾前の破砕で搾らずとも果汁が出てまいります。
この果汁はプレスしていないので、固形分(主に果皮や果肉の破片)の混ざりが少なく素直な味わいの果汁(これを「フリーラン」と呼ぶ)が得られます。
その後、プレスしてさらに果汁を押し出しますが、この果汁は押し潰される分濃厚な味わいへと変わっていきます(これを「プレスラン」と呼ぶ)。但し、果皮や果肉の破片が含まれるので濁りは増えます。また皮や種由来の渋みやえぐみも含まれるようになるので、灰汁の様な成分も増えて来ます。
プレスの有無やその按配は、果汁の味わいが変化して行くことから目指すワインのスタイルや商業的な方向性によって変わります。もちろんぶどうの質もファクターの中に入って来ます。
よってその采配は、醸造する側の哲学や思想も含めて様々なアプローチを用いつつ、『果汁をマネージメント』して行くと言っても過言ではありません。
すなわち、搾汁の段階はこれから造り出す白ワインのグランドデザインを描く第一歩となる訳です。
次段階の発酵では酵母君に全ての信頼を置いて委ねるので、後は「エイヤッ❗️となれ…」(笑)となりますが、搾汁における果汁の調整は、発酵に向けてのお膳立てのみならず、ワインの運命の鍵を握る大事な工程だと当方では考えております。
デラウェアでは果肉の質や弾力性など、ワイン専用品種の純ヴィニフェラ系とはまた異なります(何なら、同じデラウェアでも種ありと種なしで変わるぐらい…)。よって、デラウェアから高品位なワインを拵えようとすると、この工程はなおさら重要になります。
圧搾が終わった後は、普通は亜硫酸を加えて静置した後、濁りを沈殿させて上澄みを取る「澱引き(デブルバージュ・もしくはラッキングと呼ぶ)」を経て発酵へと入ります。
この段階で適度な濁度(濁り具合)の上澄みを得ることが、ワインの品質向上へと繋がります。
(※写真1枚目が澱引き後の果汁サンプルです)
ひと言では言い尽くせませんが、濁りが強いまま発酵させると不快な香りや味の成分が生産されてしまう一方、過剰な清澄(綺麗すぎる)の果汁では発酵がスムーズに進行しない弊害も出てきます。
発酵前の『果汁のマネージメント』が、如何に重要かが分かって頂けたかと思います。
ちょっと長くなってしまいましたが、ワイン仕込みの理解の一助となれば幸いです。
さて、お盆も過ぎ、8月もはや後半。
まだまだ暑い日が続きますが、柏原市ではぶどう狩りの時季の真っ最中です。
柏原市では、観光ぶどうセンターホームページにぶどう狩りの案内も記しておりますので、もし良かったらご覧下さいませ。
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