27/02/2026
<次の規則が1月20日に改正され令和8年4月1日に施行されます:じん肺法施行規則、労働安全衛生規則、ボイラー及び圧力容器安全規則、クレーン等安全規則、ゴンドラ安全規則、有機溶剤中毒予防規則、鉛中毒予防規則、四アルキル鉛中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則、高気圧作業安全衛生規則、電離放射線障害防止規則、酸素欠乏症等防止規則、粉じん障害防止規則、その他規則>
■概要■ こんなに多数の規則が一度に改正されました。安全衛生法と作業環境測定法が改正(令和7年法律第33号)されたことは2025年6月11日の記事でお知らせ済みでしたが、その時点では関係する各規則が未改正だったため、詳細の多くが不明でした。これら待望の各規則が、今回改正・交付されたものです。
各規則で共通して改正された点も含めて、概要は下記①~⑤の5点です。( 「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令」令和8年1月20日厚生労働省令第3号)
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001660308.pdf
① 小規模の工事関係業者などでは社長や役員自らも作業に従事しており、個人事業者では一人親方などと呼ばれています。社長・役員とも労働者ではないため、旧来の安全衛生法令では労災防止措置ほか保護の対象から外れていたこともあり、彼らの労災が多発しています。
これを改善すべく順次法令改正がなされており、この流れの中で今回の各規則改正でも「労働者」や「作業に従事する者」が「作業従事者」へ変更されました。事業者により安全確保すべき対象者が、労働者以外の社長・役員を含めて「作業従事者」=「事業を行う者が行う仕事の作業に従事する者」などへ拡大されました(各規則)。
② 次の装置・設備の製造許可を労働基準監督署へ申請する際、従来「強度計算」書類を提出していたものが、「登録設計審査等機関」による設計審査の結果の書類等へ変更されました。製造許可の対象装置・設備は次の通りです。:ボイラー、第1種圧力容器、クレーン、移動式クレーン、デリック、エレベータ、建設用リフト、ゴンドラ(ボイラー則、クレーン則、ゴンドラ則)。
③ 高齢者の労災防止措置は努力義務です。このための旧ガイドラインが廃止され、新しい指針が公表されました。(改正安衛則第42条の2、基発0210第1号令和8年2月10日)
https://roaneikyo.or.jp/pdf/jukonaiyo/konenrei260218R.pdf
④ 従来の官報による告示・指針の公表一部が、新たにインターネット等による公示となって、公表する方法が一部変更されました。(今回改正対象の各規則)
⑤ 化学物質を販売ほか譲渡する際、多くの化学物質では安全データシート等による危険性・有害性を通知する義務が有ります(通知対象物)。ですが、成分の情報が営業秘密に該当する場合、危険・健康障害の生じるおそれの程度を勘案し、成分の構造等の一部を省略又は置き換えた化学名等(代替化学名等)にて通知できるようになります(改正安衛法第57条の2令和8年4月1日施行)。詳しくは下記「■⑤の詳細■」をご参照ください。
■⑤の詳細■ 代替化学名等を譲渡先へ通知する場合の義務について、下記1.~5.に詳細を説明します(改正安衛則第34条の2の4、第34条の2の6の2~7)。全般的な説明が下記の基発0220第5号で示され、指針にて詳説されていますので、ご参考としてください。
「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律等 (代替化学名等関係)の施行について」(基発0220第5号令和8年2月20日)
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001660369.pdf
「通知対象物に係る代替化学名等の通知に関する指針(通知対象物に係る代替化学名等の通知に関する指針公示第1号)」=基発 0220 第1号令和8年2月20日。�https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001660339.pdf
1. 通知対象物の譲渡先には、名称・成分・人体に及ぼす作用・その他を通知する義務が有ります。これらに加えて、成分ごとに営業秘密である旨の明示と緊急連絡先が追加され、医師からの照会に対して直ちに回答可能なようにしておくことが求められます。
2. 代替化学名等での通知が可能となる対象の化学物質は、「リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施に支障を生じないもの」とし、次の告示で示されています。告示の化学物質に該当しないなら、代替化学名等による通知は認められません。具体的な物質名はホームページで公表予定とのことです。「労働安全衛生規則第34条の2の6の2の規定に基づきリスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施に支障を生じないものとして厚生労働大臣が定めるもの」(令和8年2月20日厚生労働大臣告示第42号)。
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001660335.pdf
3. 成分が人体に及ぼす作用(代替有害性情報)を通知することでも、成分の情報を通知する代わりになります。但し、代替化学名による通知では当該成分が特定されるおそれが高い場合に限ります。
4. 代替化学名等の通知を行った者は、代替化学名等の成分その他についての記録を5年間保存し、廃業する際は労働基準監督署へ引き渡します。
5. 代替化学名等の通知を行った者は、通知対象物による健康障害が生じ又はその恐れがある場合、医師による診断・治療(以上は守秘契約不要)・労働者の健康管理(守秘契約必要)のために必要があるときは、当該医師の求めに応じて、通知対象物の成分の情報を当該医師に開示しなければなりません。