10/06/2026
【助成金が堂々と受給できるようにしておこう】
いつもお読みいただきありがとうございます。
さて、「カラス、かぁーで夜が明けて」、
早朝からカラスが我が物顔でたむろしています。
道路でゴミをあさっているものもおり、人が近付いて
も気にすることなく実に堂々としたものです。
堂々といえば、助成金を受給する際の会社もそうです。
助成金を受給するがためにバタバタと書類・帳簿を作成
するのではなく、日頃から作成すべきものは作成して
おけば、堂々と受給できるのです。
今回はそのようなお話です。
【助成金が堂々と受給できるようにしておこう】
雇用関係の助成金制度は毎年のように拡充されてい
ますが、それを生業とする会社等から「助成金〇〇万
円受給可能!」というファックスDMもよく送られて
来ます。「だったら当社でも」と受給しようとするも
本来あるべき書類や帳簿がなかったりして、申請すら
できないことも少なくありません。逆に、日頃からや
るべきことをキチンと行っていれば、意図せずとも助
成金受給のスタートラインに立つことができるのです。
1.「助成金〇〇万円受給可能!」
受給意欲をそそるファックスDMに、すぐに誰でも
受給できると錯覚してしまいます。
●ファックスDMを見れば
確かに、ファックスDMに踊る「助成金〇〇万円受給
可能!」という大きな文字に、すぐに誰でも受給でき
ると錯覚します。また、経営者同士の話だとさらに尾ひ
れがつきやすく「だったら当社でも受給しよう」とい
うようなことになりますが、厄介なのは助成金受給要件
が正しく理解されない場合が多いことです。
●政策推進のための助成金制度
助成金の主な原資は税金であり、国等の推進する政策
を実現するために支給されるものです。ですから、
助成金制度の目的・趣旨は個々の経営者が考える経営
理念なり経営方針とは必ずしも一致していないという
ことも少なくありません。当然ながら、助成金受給を
申請するかどうかは100%会社の自由です。
●助成金受給には法令遵守プラスアルファが必要
助成金受給には法令遵守が求められます。法律上の義務
はクリアしておくことが最低限必要です。そのうえで
子の看護休暇の有給化などプラスアルファの取り組みが
助成金の受給要件になっています。過去の流れから、
法律上は努力義務段階のものを義務化より前に導入する
場合に助成金が支給されることが多くなっています。
2.助成金を受給するがための対応は本末転倒
助成金は要件を満たせば受給できますが、受給する
がために要件を後付けで繕うのは本末転倒であり、仮に
受給できたとしてもそれ以上の損失につながります。
●後付けの書類作成に募る従業員の不信感
いざ助成金を申請しようと思えば、いろいろな書類の
提出を求められます。もちろん、新たに作成する書類・
帳簿はほとんどありません。しかし、本来作成すべき時
に作成していなければ後付けで作成することになります。
従業員にしてみれば、自分たちに関係のある書類を後付
けで作成する会社への不信感は募るばかりです。
●会社への信頼はガタ落ち
書類を後付けで作成するということは会社の労務管理に
不備があることを自ら認めることになります。もっと深
刻なのは雇用の実態が助成金の受給要件と相違している
場合です。そうなりますと、会社への信頼はガタ落ち、
従業員の不信感は致命的となり、場合によっては内部告
発されることにもなりかねません。
●助成金は取りに行くものではない
助成金は法令遵守と国等が定める受給要件を満たせ
ば労せずとも受給できるものです。こちらから取り
に行くものではありません。会社労務管理の実態
を示し、受給できるなら堂々と受給すれば良いのです。
そのためには日頃から、法律上義務付けられた書類・
帳簿を実態に合わせてその都度作成しておくことが
最低限必要です。
3.最低限、法定三帳簿を備える
助成金を受給するための法令遵守として、まずは
法定三帳簿といわれる労働者名簿、賃金台帳、そして
出勤簿を作成しておくことは最低限必要です。これに
加えて今は年次有給休暇管理簿も必要とされています。
●労働者名簿
労働者名簿は、自社が雇用するすべての従業員につい
て作成します。記載内容は従業員の氏名、生年月日、
入社日、業務内容などの情報です。入社時に作成し、
退職や死亡の日から原則5年間保存します。日々更新
する必要はありませんが、異動や昇進の履歴は更新が
必要です。一般に会社でよく作成されている一覧表の
社員名簿とは異なります。
●賃金台帳
賃金台帳は自社で働くすべての人について作成します。
賃金計算の根拠となる書類で、労働日数、労働時間数
(残業・休日・深夜)、基本給、各種手当、社会保険
料などの控除額を、支払いの都度記載します。「管理
監督者」であっても、深夜労働時間の記載は必須です。
賃金台帳は最後に記載した日から原則5年間保存が必
要です。
●出勤簿(タイムカード・勤怠データ)
出勤簿は自社で働くすべての従業員について作成します。
始業・終業時刻、休憩時間など、労働時間を客観的に
記録したものです。自己申告制ではなく、タイムカー
ドやICカード、PCログなど客観的な記録が原則求め
られます。また、単に印鑑をペタペタ押しただけの出
勤簿は通用しません。出勤簿は最後に記載した日から
原則5年間保存が必要です。
助成金を堂々と受給するための第一歩は、会社として
作成が義務付けられた法定三帳簿をキチンと整備しておく
こととです。
※次回は【その時間管理、今の時代はもう無理】の
予定です。
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