24/06/2022
問題を理解することは問題解決への第一歩であることから、「構造的抑圧」(Strucural Oppression)がどのようなものであるかを理解することは、包摂的な社会を目指す上で極めて重要なステップです。アイリス・ヤング(1990)は、「抑圧、特権、抵抗」という本の中で、構造的抑圧には5つの顔があると発表しました。これらの5つの不平等を理解することにより、企業のエコシステムの中で構造的抑圧がどのように現れ、どのように心理的安全性やチームワークを損ねているのか、そのメカニズムに気づくことが可能となるのです。
抑圧の5つの顔のうち、最初に紹介するのは「搾取」(Exploitation)です。これは「公正な報酬を与えずに、利益を生み出すために人々の労働力を利用する行為」を意味します。例えば、マッキンゼー・アンド・カンパニーが2020年に実施した包摂的な職場環境に関するグローバル調査では、回答者2,030人のうち4割近くが「組織がインクルーシブな職場でないように感じる」という理由で職を辞退したことがあるという報告がされています。
搾取的な市場の原理を照らし出すには、企業がエコシステム全体における人種的、性別的不公平を明らかにする取り組みにコミットする必要があります。その取り組みのひとつとして、多様性データ、交差分析、昇進や報酬制度の年次見直しを行うことで、国籍、人種、性別に関係なく、公正的な活動の場が確保されるでしょう。グローバルに活躍する優秀な人材は、公平で実力主義であるとみなされる企業で働くのを望むことが多いため、こういった監査は人材保持に欠かせないと言えるでしょう。
人種、性別、年齢、役職、勤続年数、その他の要素に関係なく、従業員の優れた働きを認め、評価する職場文化を確立することは、より強いエンゲージメント、より革新的な製品を生み出し、組織の成長に不可欠なシニアリーダーの役割を担う重要な人材を確保することに繋がるのです。
出典:
https://mrdevin.files.wordpress.com/2009/06/five-faces-of-oppression.pdf
https://contensis.uwaterloo.ca/sites/courses-archive/1185/PHIL-324/media/documents/10a-young-1990-five-faces-of-oppression.pdf
https://www.mckinsey.com/ca/our-insights/understanding-organizational-barriers-to-a-more-inclusive-workplace