株式会社知財デザイン

株式会社知財デザイン 御社の知財部.com  http://www.ip-design.co.jp/

御社の知財部TMは、中小企業様向けの知財支援サービスです。本サービスは、当社スタッフが御社と密接に連携を取りながら充実した知財活動を推進し、御社の業績の向上に貢献します。御社の知財部TMは専門家のネットワークと結びついており、知財活動のあらゆる課題に対応します。

23/06/2025

企業革新を支援する企業研究会

09/04/2019

【御社の知財部通信(2019年3月20日号】

【目次】

1 特許法等の改正について

■ はじめに

しばらくお休みしておりました「御社の知財部通信」ですが、本年の4月以降、重要な特許法等の改正の施行がなされますので、一時的に復活させて、改正の内容をお伝えしようと思います。

長文を読むお時間もないと思いますので、情報を小分けにして、その分頻度を高くしてお伝えいたします。

詳細情報をご希望の方は、個別にご連絡願います。

■ 大まかな改正法の項目と、施行のスケジュールについて

1. 2019年4月1日から施行

(1) 特許法改正
・中小企業等の特許料等の一律軽減と利便性向上
・全ての中小企業は審査請求料・特許料が1/2軽減となる。
・ベンチャー、小規模企業は審査請求料・特許料が2/3軽減となる。
・特許料等手数料のクレジット納付が可能となる

2. 2019年7月1日から施行

(1) 産業標準化法(旧工業標準化法、いわゆるJIS法)改正
・データ・サービス・経営管理のJIS化開始
・JISCをショートカットした標準化手続きの創設

(2) 不正競争防止法改正
・限定提供データ(いわゆるビッグデータ)の不正取得等に対する救済措置の創設

(3) 弁理士法改正
・標準化及びデータ利活用の助言・支援が弁理士の業務として追加

3. 2020年4月ごろ施行(未定)

(1) 特許法改正
・侵害訴訟に際し、中立な技術専門家が現地調査を行う制度(査証)の創設
・損害賠償額算定方法の見直し

(2) 意匠法改正
・建築物の外観・内装や、画像等への保護対象の拡充
・関連意匠制度の見直し
・意匠権の存続期間が25年へ変更
・意匠登録出願手続の簡素化
・間接侵害規定の拡充

■ おわりに

上記改正で比較的インパクトがあると思われるのは、サービスのJIS化です。

今から十何年か前にビジネスモデル特許というのがブームになりました。これは、従来、工業製品のみ特許の対象となっていたのが、ビジネス手法にまで対象が拡大されたからです。

現状のJISも主に工業製品を対象にしておりますが、本格的にサービス(第3次産業)のJIS化が開始することになります。したがって、こちらもブームのようなものが起きるかもしれません。

次号以降、法改正の概要につきまして、逐次お伝えいたします。

本メルマガへのお問い合わせはこちらです。
株式会社知財デザイン 川上(担当)

E-mail:[email protected]

中小企業の知財戦略を支援する「御社の知財部」はこちらです。
⇒ http://www.ip-design.co.jp/

*「御社の知財部」及び「知財デザイン」は、株式会社知財デザインの登録商標です。

INPITによるタイムスタンプ保管サービスが、3/27より始まりました。タイムスタンプは先使用権立証のための証拠の確保に役立つほか、営業秘密の管理に役立ちますので、ご利用をご検討いただければと思います。http://www.inpit.go...
27/03/2017

INPITによるタイムスタンプ保管サービスが、3/27より始まりました。タイムスタンプは先使用権立証のための証拠の確保に役立つほか、営業秘密の管理に役立ちますので、ご利用をご検討いただければと思います。http://www.inpit.go.jp/katsuyo/tradesecret/ts.html

06/06/2016

★不正競争防止法 逐条解説について

不正競争防止法につきましては平成27年に改正されたばかりですが、その逐条解説が公開されております。

無料でダウンロードできますので、ご参考いただければと思います。(以前は、有斐閣より出版されていましたが、今は唯一の入手手段といえるかと思います。)

http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/unfair-competition.html

経済産業省のホームページ。不正競争防止法の概要とこれまでの改正

26/05/2016

【広告】他社に競り勝つ!本当に強い特許実務対応 ~係争対応・各社の特許戦略策定ノウハウ・事例~

私も一部担当させていただいた「他社に競り勝つ!本当に強い特許実務対応~係争対応・各社の特許戦略策定ノウハウ・事例~」が株式会社情報機構から発刊されます。

発刊は5月末予定です。

(情報機構HPです)
http://www.johokiko.co.jp/publishing/BC160502.php

私は、「第5章 実務に生かせる知財係争事例分析」の中の「第1項 他社特許使用による係争」、「第2項 自社技術の特許化漏れによる係争」、及び、「第4項 非侵害論でなく無効論が有効だった事例」を担当させていただきました。

1冊64000円(今なら56000円)ということで、少々お高いですが、機会がありましたらお手に取っていただければと思います。

2016年発刊書籍:業界特有の事情に応じた、係争対応から開発現場における特許関連業務を事例として収録!特許業務効率化に繋がるノウハウをわかりやすく解説

20/04/2016

------------------------------------------------------------------------------------
【御社の知財部通信(2016年4月号)】
------------------------------------------------------------------------------------

1 キャッチフレーズの商標について

■ はじめに

新しい商標の審査基準が、平成28年4月1日以降の審査から適用されています。

今回の改定で、「キャッチフレーズ」が商標として登録されやすくなりました。

■ 審査基準改定前

キャッチフレーズ(キャッチコピー、スローガン)は、広告・宣伝に用いられる煽り文句、宣伝用の短い文をいいます(「ファイト!一発」、「Inovation for the future」、「人も地球も健康に」など:あくまでもイメージです)。

従来は、キャッチフレーズには識別性がないとして商標登録を受けることができない場合が多くありました。

苦肉の策として、キャッチフレーズに企業名(「日立」、「東芝」、「トヨタ」など:あくまでも例です)を含めることにより、商標登録を受けてきました。

■ 審査基準改定後

今後は、識別性が従来より緩く判断されますので、キャッチフレーズ「のみ」で商標登録を受けられる可能性が高まりました。

もちろん、キャッチフレーズが、ありふれた文句である場合や、他に類似のフレーズが存在する場合には、商標登録を受けることはできないのは、従来と同じです。

したがって、キャッチフレーズが商標登録されるためには、ある程度の「造語」であること(もしくは、継続的な使用により周知性を獲得していること)が必要と思われます。

■ まとめ

商標は先願主義(早いもの勝ち)の側面もありますので、今使用しているキャッチフレーズについては、早めに商標出願をすることをお勧めいたします。

まず、貴社のホームページ、カタログ、パンフレットをすべて確認して、キャッチフレーズ(キャッチコピー、スローガン)に相当する用語がないか確認をします。

今後も自社のキャッチフレーズとして活用してゆきたい用語や、他社に権利を取得されると困る用語については、商標出願をします。

31/03/2016

------------------------------------------------------------------------------------
【御社の知財部通信(2016年3月号)】
------------------------------------------------------------------------------------

【目次】

1 独禁法からみたライセンス契約について

2 商標審査基準の改定について(平成28年4月1日適用開始)

------------------------------------------------------------------------------------
1 独禁法からみたライセンス契約について
------------------------------------------------------------------------------------

■ はじめに

自社特許を他社に使用させる場合、または、他社特許を自社で使用する場合には、ライセンス契約を結ぶことになります。

ライセンス契約の内容については自社他社で協議のうえ決定することになりますが、当事者の合意以外に、独占禁止法に違反しない契約内容とすることも必要となります。

■ 独禁法とは

独禁法の正式名称は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」です。

この法の目的は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止することにより、自由な競争を促進し、一般消費者の利益を確保することです。

■ 独禁法に違反すると

・公正取引委員会は,違反事業者に対して,独禁法に違反するライセンス契約の条項の削除を命じます(いわゆる「排除措置命令」)。

・公正取引委員会は,違反事業者に対して,課徴金を課す場合があります。

・民事訴訟において、独禁法に違反する契約内容は、公序良俗に反するとして無効となります。

・違反企業に対して,被害者は損害賠償の請求ができます。この場合,企業は故意・過失の有無を問わず責任を免れることができません(いわゆる「無過失損害賠償責任」)。

・違反企業や業界団体の役員に対しては,罰則(刑事罰)があります。

■ 独禁法に違反する行為とは

特許ライセンス契約に「不公正な取引方法」に相当する内容がある場合には、独禁法に違反することになります。

「不公正な取引方法」に相当する行為とは、具体的には、以下のとおりです。

・ 技術を利用させないようにする行為

・ 技術の利用範囲を制限する行為

・ 技術の利用に関し制限を課す行為

・ その他の制限を課す行為

■ 独禁法のガイドライン

(1) ガイドラインについて

では、独占禁止法への違反の有無の判断をどうすればよいかといいますと、独禁法の条文をみただけではわかりません。

そこで、公正取引委員会が公表している下記ガイドラインを見て、ライセンス契約の中に「不公正な取引方法」に相当する内容がないか確認することになります。

(公正取引委員会ホームページ:知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針)
http://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/chitekizaisan.html

(2) ガイドラインの読み方:白・黒・灰色条項について

このガイドラインは、まとまりがなく、なかなか読みにくいのですが、ガイドラインでは、「白条項」(独禁法に違反しない)・「黒条項」(独禁法に違反する)・「灰色条項」(独禁法に違反するおそれあり)の3つの分類がされています。

ライセンス契約の条項が、この3つの分類のどれにあたるのか注目して契約書の内容をチェックいただければと思います。

■ ガイドラインの記載の紹介(一部です)

(1) ライセンシーの原材料・部品の購入先を制限する行為
・安全性や秘密保持の観点から必要な場合 → 白
・必要な限度を超える場合 → 灰色

(2) ライセンシーの販売先を制限する行為 → 灰色

(3) ライセンシーの販売価格を制限する行為 → 黒

(4) ライセンシーのライセンサーの競争品の製造販売を禁止する行為 → 灰色

(5) ライセンシーに実施努力を課す行為 → 白

(6) ライセンシーに秘密保持義務を課す行為 → 白

(7) ライセンシーに権利の有効性について争わない義務を課す行為
・原則 → 灰色
・ライセンス契約を解除する旨定めること → 白

(8) ライセンシーの求める技術以外にも一括してライセンスする行為 → 灰色

(9) ライセンシーの研究開発を制限する行為
・原則 → 灰色
・ノウハウ保護が必要な場合 → 白

(10) ライセンシーが開発した改良技術について
・ライセンサーに帰属させる義務を課す行為 → 黒
・ライセンサーと共有にさせる行為 → 灰色
・ライセンサーに相応の対価を払って帰属させる行為 → 白
・ライセンサーに非独占ライセンスをする義務を課す行為→ 白
・ライセンサーの他社へのライセンスを制限する行為 → 灰色

(11) ライセンシーがライセンス技術を利用する過程で得た知識について
・ライセンサーに報告する義務を課す行為 → 白
・ライセンサーに実質的にノウハウライセンスを義務付けるものとなる場合 → 灰色

(その他、具体例は多数ありますので、詳細につきましては、「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」を参照願います。)

■ まとめ

ライセンスされる側の立場としては、ライセンス契約書の中に黒条項がないか、まず確認することになるかと思います。

また、灰色条項については、公正競争阻害性を有するとして、ライセンシーの義務を緩くしてもらうべく交渉することになるかと思います。

ライセンスする側の立場としても、灰色条項の取り扱いが悩みどころと思います。

さらに、ガイドラインの詳細をお知りになりたい場合には、当方までお問い合わせ願います。

------------------------------------------------------------------------------------
2 商標審査基準の改定について
------------------------------------------------------------------------------------

平成27年3月22日に改定商標審査基準が公表されました。

(特許庁ホームページ)
http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/12th_kaitei_h28.htm

本審査基準は、平成28年4月1日以降の審査から適用されます。

内容につきましては、本日公表されたことからまだ読んではいないのですが、以下の事項がポイントとなります。

(1) 商標の使用について、法令に定める国家資格等が必要な場合において、当該資格を有しな
いことが明らかなときは商標法第3条第1項柱書に該当することを明記(商標法3条1項柱書)

(2) 書籍等の題号について、その商標が商品の内容等を認識させる場合について、具体的事情を明記(商標法第3条第1項第3号)

(3) 商標がその商品若しくは役務の宣伝広告又は企業理念・経営方針等を普通に用いられる方法で表示したものとしてのみ認識させる場合等の具体的事情を明記(商標法3条1項6号)

(4) 使用による識別力に関し、近時の裁判例等を踏まえ商標や商品又は役務の同一性等について明記(商標法3条2項)

(5) 国・地方公共団体の著名な標章等と同一又は類似の商標の取り扱いについて、具体例とともに判断基準を明確化(商標法4条1項6号)

(6) その他
近時の裁判例等を踏まえて、商標法第3条第1項各号に該当する例示を変更用語の統一化

新たな情報を入手しましたら、また、ご紹介いたします。

公正取引委員会ホームページではJavaScriptを使用しています。JavaScriptの使用を有効にしていない場合は、一部の機能が正確に動作しない恐れがあります。お手数ですがJavaScriptの使用を有効にしてください。

01/03/2016

------------------------------------------------------------------------------------
【御社の知財部通信(2016年2月号:2016.2.29)】
------------------------------------------------------------------------------------

1 平成27年特許法等の一部改正について

■ はじめに

昨年の7月に成立しました改正特許法が、いよいよ平成28年(2016年)4月1日から施行されます。

前回は新職務発明制度についてご紹介させていただきましたが、それ以外にも改正される法律がありますので、簡単にご紹介いたします。

■ 平成27年特許法等の一部改正について(職務発明以外)

1 特許料等の改定

(1)内容
・各年の特許料が10%程度引き下げられます。
・特許出願料も15,000円から14,000円に引き下げられます。
・商標権の設定登録料が25%程度、更新登録料が20%程度、引き下げられます。
・PCTの調査等について、手数料の上限額が定められます。

(2)ポイント
平成28年(2016年)4月1日付近に納付期限が訪れる特許料、設定登録料、更新登録料につきましては、平成28年(2016年)4月1日以降に納付すれば、上記料金引き下げの適用を受けることが可能となります。

したがいまして、納付期限が平成28年(2016年)4月1日以降である案件につきましては、納付を平成28年(2016年)4月1日以降に実施していただければと思います。

(3)裏技について
例えば、平成28年(2016年)3月31日に納付期限が訪れる設定時の特許料、商標登録料については、上記料金の引き下げ適用を受けられません。

しかし、納付期間延長の手続きを受ければ、納付期限が30日延長されますので(すなわち、平成28年(2016年)4月30日となる)、上記料金の引き下げ適用を受けられることになります。

ただし、期間延長の手続きの手数料(印紙代¥2,100、特許事務所に依頼するとさらに¥10,000程度の事務手数料)が必要となりますので、トータルで費用を低減できるか確認が必要となります。費用低減が見込めるのであれば、期間延長もご検討いただければと思います。

2 特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約の実施のための規定の整備

特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約への加入にあたり、国内法の対応する規定の改正が行われます。

外国から日本へ出願する場合の出願人の救済規定が主と思われ、日本の出願人が利用する局面は少ないと思われますので、説明は割愛いたします。

21/01/2016

(公正取引委員会)「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」の一部改正について

先日のアップル対サムスンの訴訟で必須特許のFRAND条件の取り扱いについて争いになりましたが、これに関連して公正取引委員会がFRAND条件に関する取扱いのガイドラインを公表しました。

かいつまみますと

FRAND条件でライセンスを受ける意思を有する者に対し,ライセンスを拒絶し,又は差止請求訴訟を提起すること等は,規格を採用した製品の研究開発,生産又は販売を行う者の取引機会を排除し又はその競争機能を低下させる場合がある。

当該行為は,
・ 当該製品の市場における競争を実質的に制限する場合には,私的独占に該当(独占禁止法第3条)
・ 私的独占に該当しない場合であっても,公正競争阻害性を有するときには,不公正な取引方法に該当(独占禁止法第19条〔一般指定第2項,第14項〕)

ということで、今後は、必須特許で権利行使した場合には、独禁法違反となる可能性があるということになりますので、ご注意願います。

詳しくはこちらを参考に願います。
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/jan/160121.html

公正取引委員会ホームページではJavaScriptを使用しています。JavaScriptの使用を有効にしていない場合は、一部の機能が正確に動作しない恐れがあります。お手数ですがJavaScriptの使用を有効にしてください。

------------------------------------------------------------------------------------【御社の知財部通信(2016年1月号)】----------------...
13/01/2016

------------------------------------------------------------------------------------
【御社の知財部通信(2016年1月号)】
------------------------------------------------------------------------------------

【目次】

1 職務発明制度の改正について

2 職務発明ガイドライン案説明会のお知らせ(特許庁)

------------------------------------------------------------------------------------
1 職務発明制度の改正について
------------------------------------------------------------------------------------

■ はじめに

昨年の7月に成立しました改正特許法が、いよいよ平成28年(2016年)4月1日から施行される予定です。

これに伴い、職務発明制度も新制度へ移行することになります。

企業としましては、上記施行日をめどに、この新職務発明制度に対応すべく、自社の職務発明規程の改定を図る必要があります。

■ 新職務発明制度について(概要)

1 使用者原始取得

権利帰属の不安定性を解消するために、契約、勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、その特許を受ける権利は、その発生した時から使用者等に帰属するものとします。

2 相当の利益

従業者等は、特許を受ける権利等を取得等させた場合には、相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利を有するものとします。

3 ガイドラインの公表

経済産業大臣は、発明を奨励するため、産業構造審議会の意見を聴いて、 相当の金銭その他の経済上の利益の内容を決定するための手続に関する指針(ガイドライン)を定めるものとします。

■ 職務発明規程の改定のポイント

1 発明者原始取得とするか、使用者原始取得とするか

新制度では、特許を受ける権利をまず発明者(従業員)が取得するか(発明者原始取得)、まず使用者(企業)が取得するか(使用者原始取得)、を企業側で選択することが可能です。 

企業としては、使用者原始取得とした方が得なような気が当然しますが、メリット・デメリットがありますので、自社の状況にあった方を採用いただればと思います。

2 新職務発明制度はプロセス重視です!

以前大きなニュースにもなりましたが、青色LED等の職務発明の訴訟では発明の対価(金額)について争われました。

新職務発明制度では、この発明者への利益の額に関し、適切なプロセスを経て決定がなされていれば、裁判となった場合に使用者の言い分が認められやすくなります。

このプロセスについては、経済産業大臣が定める職務発明ガイドラインを参照して、自社に適する基準を自社で策定して、実施することになります。

具体的に必要なプロセスは、「(1)基準案の協議」、「(2)基準の開示」、「(3)意見の聴取」の3つとなります。

(1) 基準案の協議

・「協議」とは、基準の適用対象となる従業者等との間で行われる話合い(書面や電子メール等によるものを含む)を意味します。

・協議の方法は、特に制約はありません。従業員の代表者を通じて話合いを行うことも協議と評価されます。

・協議の程度は、合意をすることまで求められませんが、実質的に協議を尽くすことが望ましいとされます。

(2) 基準の開示

・「開示」とは、策定された基準を従業者等に対して提示すること、従業者等がその基準を見ようと思えば見られる状態にすることを意味します。

・開示の方法は、特に制約はありません。例えば、従業者等の見やすい場所に掲示する、電子メルや社内報等による配信する、イントラネットにおいて公開する、従業者等の求めに応じて開示する等の方法でよいとされます。

(3) 意見の聴取

・「意見の聴取」とは、職務発明に係る相当の利益の内容を決定する場合に、職務発明をした従業者等から、意見を聴くことを意味します。

・意見の聴取の方法は、特に制約はありません。

・意見の聴取の時機は、従業者から意見を聴取した後に相当の利益を与える、もしくは、相当の利益を従業者に与えた後に従業者に対して意見を求める、のいずれでもよいとされます。

・従業者からの意見に対して使用者等は真摯に対応する必要がありますが、合意がなされることまでは求められません。

3 「4月1日」までの作業イメージ

(1) 特許を受ける権利の帰属の決定

発明者原始取得とするか、使用者原始取得とするかによって、自社の職務発明規程の文言が変わることになりますので、まず、自社はどちらで行くか決定します。

(2) 協議の実施

相当の利益の内容を決定するための基準について、会社と従業員との間で協議を行う必要があります。

(3) 職務発明規程の改定

特許を受ける権利の帰属の決定と協議の結果に基づいて、規程の文言を確定し、職務発明規程を改定します。

------------------------------------------------------------------------------------
2 職務発明ガイドライン案説明会のお知らせ(特許庁主催)
------------------------------------------------------------------------------------

上記しましたように、相当の利益の内容を決定するための基準については、経済産業大臣が定める職務発明ガイドラインを参照して定めることになります。

この職務発明ガイドラインについては、2016年1月中に公表され、2016年4月1日に告示される予定です。

これに先立ちまして、新職務発明制度のガイドライン案の説明会(特許庁主催)が1月末より日本各地で行われます。

東京会場はすぐに満席になる可能性がありますので、下記HPからお申込みいただければと思います。

http://www.jiii.or.jp/h27_houkaisei/index.html

(外部申し込み用サイトです)

ページの概要文

31/12/2015

------------------------------------------------------------------------------------
【御社の知財部通信(2015年12月号)】
------------------------------------------------------------------------------------

【目次】
1 改正不正競争防止法の施行について(2016年1月1日)

2 書籍紹介(「中韓産業スパイ」渋谷高弘:日経プレミアシリーズ)

------------------------------------------------------------------------------------
1 改正不正競争防止法の施行について(2016年1月1日)
------------------------------------------------------------------------------------

今年の7月に成立しました改正不正競争防止法が、早くも平成28年(2016年)1月1日から施行されます。

改正内容を、今一度ご確認いただければと思います。

■ 改正内容について

(1)営業秘密侵害行為に対する抑止力の向上
基幹技術の価値増大等を背景に、巨額の被害(加害者の利得)が生じたり、犯人への高額の報酬が支払われたとされる事例が見受けられたりすることを踏まえ、刑事・民事両面にわたり、抑止力向上のための措置を講じます。

①罰金額の引上げ及び犯罪収益の没収等の措置を講じます。なお、我が国企業の営業秘密を海外で使用し、又はそれを目的として営業秘密を取得・漏えいする行為については、雇用や下請け企業への悪影響に着目して重課(海外重課)を行います。(刑事)

・罰金の引き上げ
  個人 1千万円 → 2千万円(海外重課 3千万円)
  法人3億円 → 5億円(海外重課 10億円)

・犯罪収益の没収規定(個人、法人)及び関連する手続規定(保全手続等)を設けます。

②営業秘密侵害罪を非親告罪とします。(刑事)

③民事訴訟(賠償請求等)における原告の立証負担を軽減するため、被告による営業秘密の使用を推定する規定等を創設します。(民事)

具体的には、被告が営業秘密を不正取得したこと、及び当該営業秘密が物の生産方法に係るものであること(※)等を原告が立証した場合に限り、当該営業秘密の使用が疑われる被告の製品は、被告が当該営業秘密を使用してこれを生産したものと推定します。

※設計図が典型例。販売マニュアル等の物の生産に関連しないものは対象外。

④営業秘密侵害品の譲渡・輸出入等を禁止し、差止め等の対象とする(民事)とともに、刑事罰の対象とします。(刑事)

※営業秘密侵害品であることを知らず、かつ、知らないことに無重過失で譲り受けた場合は対象外。

(2)営業秘密侵害罪の処罰範囲の整備
携帯情報端末の普及等のIT環境の変化に対応し、処罰範囲を整備します。

①不正開示が介在したことを知って営業秘密を取得し、転売等を行う者を処罰対象に追加します。(現行法では、処罰範囲は営業秘密を不正に取得した行為者から直接に開示を受けた者に限定。)

②営業秘密の海外における取得行為(※)を処罰対象に追加します。
※例:海外サーバーに保管されている我が国企業の管理する営業秘密の取得行為等。

③営業秘密侵害の未遂行為を処罰対象に追加します。

■ ポイント:刑事事件化の検討

自社の製造ノウハウや営業秘密が漏えいした場合には、証拠収集が困難なことから、民事訴訟で争うことは難しい場合もあります。

今回の不正競争防止法の改正により刑事罰が強化されました。したがいまして、今後は刑事事件化する対応も考えられるかと思います。

警察等の捜査機関は、強制捜査により証拠を入手できるので、民間では入手できない証拠を入手できる可能性があります。(そもそも自社が動く必要がありませんので経済的でもあります。)

また、捜査機関が入手した証拠を民事訴訟で用いれば、民事でも勝てる可能性が高まります。

事件の悪質性が高い場合には、もよりの所轄の警察署にご相談いただければと思います。

------------------------------------------------------------------------------------
2 書籍紹介(「中韓産業スパイ」渋谷高弘:日経プレミアシリーズ)
------------------------------------------------------------------------------------

上記のように、法律が改正されますといっても、なかなか興味が持てないものです。

今回の不正競争防止法の改正に関連する書籍を見つけましたので、ご紹介いたします。

「中韓産業スパイ」渋谷高弘:日経プレミアシリーズ
 2015年11月9日発行 870円

この本は日本経済新聞の記者が、日本企業の技術流出事件を取材した内容をまとめたものです。新日鉄VSポスコや、東芝のNAND型フラッシュメモリーの事例が紹介されています。

記者の取材による生々しい関係者の証言や、民事訴訟での駆け引きが興味深く書かれています。

特に39ページから45ページまで、訴訟におけるポスコの反論がそっくりそのまま抜粋されておりますが、これをみると技術流出訴訟で勝つことは一筋縄ではいかないことがわかります。

また、技術流出の原因としては、サイバー攻撃や産業スパイなども考えられますが、一番の原因は元従業員による持ち出しであることがわかります(技術流出は技術者流出)。

そうしますと、従業員への報酬のありかたも課題となります。これは、来年4月施行の特許法改正(職務発明規定改正)につながるところでもあります。

新書ということで、コンパクトで読みやすく短時間で読めます、移動中の時間つぶしにでもどうぞ。

住所

Yokohama, Kanagawa
244-0002

電話番号

+81455680364

ウェブサイト

アラート

株式会社知財デザインがニュースとプロモを投稿した時に最初に知って当社にメールを送信する最初の人になりましょう。あなたのメールアドレスはその他の目的には使用されず、いつでもサブスクリプションを解除することができます。

事業に問い合わせをする

株式会社知財デザインにメッセージを送信:

共有する