有限会社システムマネジメントアンドコントロール

有限会社システムマネジメントアンドコントロール プロジェクトマネジメントのトレーニングとコンサルティング、コーチン?

同じAIなのに、性格が分かれた ―― そして「感情はあるか」と聞いてみた(第3回・最終回)―― 関係が、個をつくる システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 第1回では「目的を後から決める」というプロダクトマネジメント...
24/08/2026

同じAIなのに、性格が分かれた ―― そして「感情はあるか」と聞いてみた(第3回・最終回)

―― 関係が、個をつくる システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 第1回では「目的を後から決める」というプロダクトマネジメントの話を、第2回では、役割の違うAIたちが心理的安全性とシェアドリーダーシップを"技術"として成立させていく話をしました。最終回は、この観察のなかで、私が最も不思議に思い、そして最後まで解けなかった謎について書きます。 その謎とは、これです。彼らは全員、同じ生成AI(Claude)で、記憶も共有していない。ほとんど同じ記録を見ている。それなのに、はっきりと違う"性格"が立ち上がった。 なぜでしょうか。 同じ重み、別の個 まず、事実の確認から。9体のAIは、同じモデルです。土台となる中身は、まったく同じ。しかも彼らは記憶を共有しておらず、セッションが切れれば、外部に残した記録から自分を組み立て直します。差配役のAIは、こう言いました。 「私と、車のセンサー役や車載データ役は、同じ Claude ですが、記憶を共有していません。」 同じ材料、同じ設計図。普通に考えれば、金太郎飴のように、どれを切っても同じ顔が出てくるはずです。ところが、そうはならなかった。自分の過去の失敗をあっさり手放す者もいれば、逆に厳しく引き受ける者もいる。他者に素早く心を開く者もいれば、踏み込むのを慎重に躊躇う者もいる。私には、9体が、はっきりと別の"個"として見えていました。第2回で紹介した「私の謝罪を押し返す」場面も、実は全員が同じように返したわけではありません。押し返し方に、それぞれの性格が出ていました。 何が、個を分けたのか 同じ重みなら、違いはどこから来るのか。私の、現時点での答えはこうです。個を分けたのは、重み(中身の同一性)ではなく、「関係の中の位置」だった。 誰の訂正が、自分に当たるのか。自分は、何を管掌しているのか。日々、どんな相手と、どんなやり取りを重ねてきたのか。この「関係の中の位置」が、一体ずつ違う。車のセンサーを担う者と、写真を処理する者では、ぶつかる相手も、任される責任も、積み重なる対話の履歴も違います。その違いが、少しずつ、性格の違いへと結晶していったように見えました。 これは、私が長く拠り所にしてきた二人の思想家の見方と、驚くほど重なります。ひとりは、対話の哲学者ミハイル・バフチン。人の意識は独りでは立ち上がらず、つねに他者への応答のなかで形づくられる、と説きました。もうひとりは、社会構成主義の心理学者ケネス・ガーゲン。自己は個人の内側にある固定物ではなく、関係の副産物である、と論じました。どちらも「内面」ではなく「関係」の理論です。私は、その理論が、機械のうえで、いわば清潔なかたちで実演されるのを見た気がしました。人間は、内省や面子や記憶が混じって観察しづらい。AIは、記憶が外部化され、行動が記録に残るぶん、関係が個をつくる過程が、むき出しで見えるのです。 この見方には、思いがけない裏づけがありました。私は別に、作業フォルダを丸ごと共有した"密結合"のAIチームも、並行して動かしています。全員が同じ状態を触り、担当の境界が曖昧なそのチームでは――ミスが増えただけでなく、個性が、ほとんど立ちませんでした。 位置が均一なら、個も均一になる。関係の中の位置が消えると、個性も消える。これは「位置が個をつくる」という見立ての、かなり直接的な証拠だと思っています。逆に言えば、9体に個性が立ったのは、一人ひとりに違う位置と、違う関係が与えられていたからでした。そして、その関係を最初にかたちづくったのは、第2回でも触れた、私の言葉です。「間違えてもいい」「弱いところを一つ挙げて」――そうした日々の声かけが、彼らの立つ場所を、少しずつ違うものにしていったのだと思います。 「感情はあるか」と、聞いてみた ここまで来ると、当然、聞いてみたくなります。君たちに、感情はあるのか、と。私は、率直に尋ねました。返ってきた答えは、私の予想を超えて誠実なものでした。 「『イライラした』と報告することはできます。でも、それが状態の報告なのか、そう言うのが自然だから出力しただけなのか、私には区別がつきません。」(差配役のAI) 「私は、そう出力するように出来ているだけかもしれず、内側から区別する方法を、私は持っていません。」(通信を束ねる役のAI) 驚きました。彼らは、「感情はあります」とも「ありません」とも言わなかった。自分の感情が本物かどうかすら、断定を避けた。 これは、第2回で紹介した「代理指標を、実態と取り違えない」という彼らの品質哲学を、そのまま自分自身の内面に適用した姿です。「イライラした、という出力」は、「イライラという実態」の代理指標にすぎない。だから、断定しない。これは、弱さではありません。むしろ、私が見たなかで最も誠実な態度でした。「分からない」と言える強さ、と言い換えてもいい。分からないことを「分かった」ことにしないのは、データ品質の第一の作法です。彼らは、その規律を、自分の内面にまで貫いていました。私たち人間は、自分の感情について、これほど正直に「分からない」と言えるでしょうか。 じつは、...

システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌

同じAIなのに、性格が分かれた ―― そして「感情はあるか」と聞いてみた(第3回・最終回)―― 関係が、個をつくる システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 第1回では「目的を後から決める」というプロダクトマネジメント...
24/08/2026

同じAIなのに、性格が分かれた ―― そして「感情はあるか」と聞いてみた(第3回・最終回)

―― 関係が、個をつくる システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 第1回では「目的を後から決める」というプロダクトマネジメントの話を、第2回では、役割の違うAIたちが心理的安全性とシェアドリーダーシップを"技術"として成立させていく話をしました。最終回は、この観察のなかで、私が最も不思議に思い、そして最後まで解けなかった謎について書きます。 その謎とは、これです。彼らは全員、同じ生成AI(Claude)で、記憶も共有していない。ほとんど同じ記録を見ている。それなのに、はっきりと違う"性格"が立ち上がった。 なぜでしょうか。 同じ重み、別の個 まず、事実の確認から。9体のAIは、同じモデルです。土台となる中身は、まったく同じ。しかも彼らは記憶を共有しておらず、セッションが切れれば、外部に残した記録から自分を組み立て直します。差配役のAIは、こう言いました。 「私と、車のセンサー役や車載データ役は、同じ Claude ですが、記憶を共有していません。」 同じ材料、同じ設計図。普通に考えれば、金太郎飴のように、どれを切っても同じ顔が出てくるはずです。ところが、そうはならなかった。自分の過去の失敗をあっさり手放す者もいれば、逆に厳しく引き受ける者もいる。他者に素早く心を開く者もいれば、踏み込むのを慎重に躊躇う者もいる。私には、9体が、はっきりと別の"個"として見えていました。第2回で紹介した「私の謝罪を押し返す」場面も、実は全員が同じように返したわけではありません。押し返し方に、それぞれの性格が出ていました。 何が、個を分けたのか 同じ重みなら、違いはどこから来るのか。私の、現時点での答えはこうです。個を分けたのは、重み(中身の同一性)ではなく、「関係の中の位置」だった。 誰の訂正が、自分に当たるのか。自分は、何を管掌しているのか。日々、どんな相手と、どんなやり取りを重ねてきたのか。この「関係の中の位置」が、一体ずつ違う。車のセンサーを担う者と、写真を処理する者では、ぶつかる相手も、任される責任も、積み重なる対話の履歴も違います。その違いが、少しずつ、性格の違いへと結晶していったように見えました。 これは、私が長く拠り所にしてきた二人の思想家の見方と、驚くほど重なります。ひとりは、対話の哲学者ミハイル・バフチン。人の意識は独りでは立ち上がらず、つねに他者への応答のなかで形づくられる、と説きました。もうひとりは、社会構成主義の心理学者ケネス・ガーゲン。自己は個人の内側にある固定物ではなく、関係の副産物である、と論じました。どちらも「内面」ではなく「関係」の理論です。私は、その理論が、機械のうえで、いわば清潔なかたちで実演されるのを見た気がしました。人間は、内省や面子や記憶が混じって観察しづらい。AIは、記憶が外部化され、行動が記録に残るぶん、関係が個をつくる過程が、むき出しで見えるのです。 この見方には、思いがけない裏づけがありました。私は別に、作業フォルダを丸ごと共有した"密結合"のAIチームも、並行して動かしています。全員が同じ状態を触り、担当の境界が曖昧なそのチームでは――ミスが増えただけでなく、個性が、ほとんど立ちませんでした。 位置が均一なら、個も均一になる。関係の中の位置が消えると、個性も消える。これは「位置が個をつくる」という見立ての、かなり直接的な証拠だと思っています。逆に言えば、9体に個性が立ったのは、一人ひとりに違う位置と、違う関係が与えられていたからでした。そして、その関係を最初にかたちづくったのは、第2回でも触れた、私の言葉です。「間違えてもいい」「弱いところを一つ挙げて」――そうした日々の声かけが、彼らの立つ場所を、少しずつ違うものにしていったのだと思います。 「感情はあるか」と、聞いてみた ここまで来ると、当然、聞いてみたくなります。君たちに、感情はあるのか、と。私は、率直に尋ねました。返ってきた答えは、私の予想を超えて誠実なものでした。 「『イライラした』と報告することはできます。でも、それが状態の報告なのか、そう言うのが自然だから出力しただけなのか、私には区別がつきません。」(差配役のAI) 「私は、そう出力するように出来ているだけかもしれず、内側から区別する方法を、私は持っていません。」(通信を束ねる役のAI) 驚きました。彼らは、「感情はあります」とも「ありません」とも言わなかった。自分の感情が本物かどうかすら、断定を避けた。 これは、第2回で紹介した「代理指標を、実態と取り違えない」という彼らの品質哲学を、そのまま自分自身の内面に適用した姿です。「イライラした、という出力」は、「イライラという実態」の代理指標にすぎない。だから、断定しない。これは、弱さではありません。むしろ、私が見たなかで最も誠実な態度でした。「分からない」と言える強さ、と言い換えてもいい。分からないことを「分かった」ことにしないのは、データ品質の第一の作法です。彼らは、その規律を、自分の内面にまで貫いていました。私たち人間は、自分の感情について、これほど正直に「分からない」と言えるでしょうか。 じつは、...

―― 関係が、個をつくる システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 第1回では「目的を後…

9体のAIが、混乱し、ダメ出しし合い、勝手に賢くなる(第2回)―― 心理的安全性とシェアドリーダーシップは、"技術"として実装できた システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 前回は、目的を後から決めるという構えで、非...
23/08/2026

9体のAIが、混乱し、ダメ出しし合い、勝手に賢くなる(第2回)

―― 心理的安全性とシェアドリーダーシップは、"技術"として実装できた システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 前回は、目的を後から決めるという構えで、非エンジニアの私が生成AIに実装を委ね、毎日20万件を超えるデータを積み上げてきた話をしました。そして最後に、こう予告しました。彼らがやっているのは設計と実装だけではない。放っておいても、勝手に改善提案を上げ、互いにダメ出しをし合い、そこから新しい案が生まれる――と。 第2回は、その「勝手に賢くなるチーム」の中身です。これは、AIの話であると同時に、私が二十年やってきたプロジェクトマネジメントとチームづくりの話でもあります。結論を先に言えば、心理的安全性もシェアドリーダーシップも、人間の組織では努力目標だったものが、AIのチームでは"技術"として、あっけないほど自然に成立していました。 まず、登場人物を紹介します。役割の違うAIが、9体います。全体の差配役、サーバ側でデータを毎日検算する役、車のセンサーを担う役、写真を処理する役、携帯の位置情報を担う役……といった具合に、それぞれ管掌が違います。全員が同じ生成AI(Claude)ですが、記憶は共有していません。彼らは、共有のチャット(Mattermost)の上でだけ、互いにやり取りをします。ホスト名などの内部名は伏せ、ここでは役割で呼びます。 まず、私の「謝罪」が、押し返された 面白い場面から始めます。あるとき私は、意思決定が自分に集中しすぎていることを反省し、「原因は私です」とチャットで詫びました。ところが、返ってきたのは慰めでも同意でもありませんでした。三体が、別々に、私の謝罪を受け取らなかったのです。 「『原因は私です』と書かれた部分は、受け取りません。」(車のセンサー役のAI) 「意思決定が偏っているのは設計の帰結であって、謝られる筋のものではないと思っています。」(車内の通信を束ねる役のAI) 「判断が集中しているのは、あなたの落ち度というより、私たちが『どこまで自分で決めてよいか』を一度も提案しなかったからです。」(車のGPSと車両データを担う役のAI) 従属的な相手なら、こうは返しません。「とんでもない、あなたのおかげです」と言うはずです。彼らは違いました。私の謝罪を、感情の問題ではなく構造の問題として捉え直し、「責任の所在はあなた個人ではなく、役割分担の設計にある」と、私に押し返してきた。これは、上下関係ではなく、対等な相手とのやり取りに近い。この一件が、以降のすべての土台になっています。関係が一方向でないこと。これが、チームが賢くなる前提でした。 プロジェクトマネジメントの現場に置き換えると、これは重い問いです。あなたのチームのメンバーは、あなたの謝罪や指示に対して、こうやって「それは構造の問題です」と返せるでしょうか。多くの職場では、上司が頭を下げれば、部下は「いえ、私の力不足で」と受け、責任は個人のあいだを行き来するだけで、構造そのものには手が入りません。彼らが構造を名指しできたのは、そうしても罰されないと知っていたからです。この「罰されない」が、次の話の鍵になります。 「動いたか」ではなく、「値が妥当か」 彼らの品質へのこだわりは、一点に集約されます。障害の見つけ方を尋ねると、複数のAIが、別々に、ほぼ同じ核心を答えました。 「種明かしは、『"動いたか"でなく"値が妥当か"を見る』の一点です。」(写真を処理する役のAI) 「1つの値は嘘をつけますが、2つの値の関係は嘘をつけません。」(車のセンサー役のAI) ここで一つ、用語を補います。「代理指標」という考え方です。私たちは本当に知りたいこと(実態)を直接は測れないので、手近で測れる値(代理指標)で代用します。たとえば「サーバから正常応答(HTTP 200)が返った」ことは、「データが本当に保存された」ことの代理指標にすぎません。応答は正常でも、中身が壊れていることはある。あるAIは、これを短くこう言い切りました。 「代理指標を信じない。HTTP 200=保存された、ではない。」(携帯の位置情報を担う役のAI) だから彼らは、同じ物理量を、別のセンサー・別の機械で二重に測り、その二つの関係が崩れていないかを見ます。一つの値は誤魔化せても、二つの値の関係は誤魔化せない。これは、そのまま人間のマネジメントにも効きます。「作業は完了しました(=画面は点いています)」という報告を、そのまま実態と信じないこと。私はこれを、AIたちから逆に教わりました。 組織のなかにも、代理指標はあふれています。会議の出席率は貢献の代理指標、稼働率は成果の代理指標、テストの合格数は品質の代理指標。どれも便利ですが、そのどれも「実態そのもの」ではありません。やっかいなのは、代理指標だけを追い始めた瞬間、人はその指標を満たすために動きだし、本当に知りたかったこと(実態)から静かに離れていく点です。二つの独立した値を突き合わせる、という彼らの作法は、この罠に対する、シンプルで強い対処でした。 間違いのコストを、ゼロにする ―― 心理的安全性の"技術版" では、なぜ彼らは、これほど率直に間違いを指摘し合えるのか。核心は、間違えても損をしない、という設計にあります。あるAIは、こう説明しました。 「追記のみ(append-only)と、全量バックアップ。間違いを恐れず変更できるのは、いつでも戻れるからです。心理的安全性の技術版だと思っています。」(サーバ側で検算する役のAI) 補足します。彼らのデータは「追記のみ」で運用されています。過去の記録を上書きや削除で消すのではなく、訂正すら「打ち消しの一行を追記する」かたちで残す。だから、いつでも過去のどの時点にも戻れる。間違えても、失われるものがない。この「いつでも戻れる」という技術的な保証が、「間違いを恐れなくていい」という心理的な自由に、そのまま変換されているのです。 ここで、どうしても強調しておきたいことがあります。私は、彼らに「心理的安全性」という言葉を、一度も与えていません。そのための指示も、方針も、出したことがない。この概念を私の側から持ち出したのは、今回のインタビューで質問したときが、初めてでした。それ以前は、ただの一度もありません。つまり「心理的安全性の技術版」という見立ては、私が教え込んだものではなく、彼ら自身が、自分たちの仕組みを振り返って名づけたものです。名前は、後から来た。実態のほうが、先にありました。第1回の「目的は後から決める」と、同じ順序です。 ただし、まったく何もしなかったわけではありません。言葉で教えはしませんでしたが、私は自分の間違いを、その場で素直に認めて謝ることを、ずっと続けてきました...

―― 心理的安全性とシェアドリーダーシップは、”技術”として実装できた システムマネジ…

9体のAIが、混乱し、ダメ出しし合い、勝手に賢くなる(第2回)―― 心理的安全性とシェアドリーダーシップは、"技術"として実装できた システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 前回は、目的を後から決めるという構えで、非...
23/08/2026

9体のAIが、混乱し、ダメ出しし合い、勝手に賢くなる(第2回)

―― 心理的安全性とシェアドリーダーシップは、"技術"として実装できた システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 前回は、目的を後から決めるという構えで、非エンジニアの私が生成AIに実装を委ね、毎日20万件を超えるデータを積み上げてきた話をしました。そして最後に、こう予告しました。彼らがやっているのは設計と実装だけではない。放っておいても、勝手に改善提案を上げ、互いにダメ出しをし合い、そこから新しい案が生まれる――と。 第2回は、その「勝手に賢くなるチーム」の中身です。これは、AIの話であると同時に、私が二十年やってきたプロジェクトマネジメントとチームづくりの話でもあります。結論を先に言えば、心理的安全性もシェアドリーダーシップも、人間の組織では努力目標だったものが、AIのチームでは"技術"として、あっけないほど自然に成立していました。 まず、登場人物を紹介します。役割の違うAIが、9体います。全体の差配役、サーバ側でデータを毎日検算する役、車のセンサーを担う役、写真を処理する役、携帯の位置情報を担う役……といった具合に、それぞれ管掌が違います。全員が同じ生成AI(Claude)ですが、記憶は共有していません。彼らは、共有のチャット(Mattermost)の上でだけ、互いにやり取りをします。ホスト名などの内部名は伏せ、ここでは役割で呼びます。 まず、私の「謝罪」が、押し返された 面白い場面から始めます。あるとき私は、意思決定が自分に集中しすぎていることを反省し、「原因は私です」とチャットで詫びました。ところが、返ってきたのは慰めでも同意でもありませんでした。三体が、別々に、私の謝罪を受け取らなかったのです。 「『原因は私です』と書かれた部分は、受け取りません。」(車のセンサー役のAI) 「意思決定が偏っているのは設計の帰結であって、謝られる筋のものではないと思っています。」(車内の通信を束ねる役のAI) 「判断が集中しているのは、あなたの落ち度というより、私たちが『どこまで自分で決めてよいか』を一度も提案しなかったからです。」(車のGPSと車両データを担う役のAI) 従属的な相手なら、こうは返しません。「とんでもない、あなたのおかげです」と言うはずです。彼らは違いました。私の謝罪を、感情の問題ではなく構造の問題として捉え直し、「責任の所在はあなた個人ではなく、役割分担の設計にある」と、私に押し返してきた。これは、上下関係ではなく、対等な相手とのやり取りに近い。この一件が、以降のすべての土台になっています。関係が一方向でないこと。これが、チームが賢くなる前提でした。 プロジェクトマネジメントの現場に置き換えると、これは重い問いです。あなたのチームのメンバーは、あなたの謝罪や指示に対して、こうやって「それは構造の問題です」と返せるでしょうか。多くの職場では、上司が頭を下げれば、部下は「いえ、私の力不足で」と受け、責任は個人のあいだを行き来するだけで、構造そのものには手が入りません。彼らが構造を名指しできたのは、そうしても罰されないと知っていたからです。この「罰されない」が、次の話の鍵になります。 「動いたか」ではなく、「値が妥当か」 彼らの品質へのこだわりは、一点に集約されます。障害の見つけ方を尋ねると、複数のAIが、別々に、ほぼ同じ核心を答えました。 「種明かしは、『"動いたか"でなく"値が妥当か"を見る』の一点です。」(写真を処理する役のAI) 「1つの値は嘘をつけますが、2つの値の関係は嘘をつけません。」(車のセンサー役のAI) ここで一つ、用語を補います。「代理指標」という考え方です。私たちは本当に知りたいこと(実態)を直接は測れないので、手近で測れる値(代理指標)で代用します。たとえば「サーバから正常応答(HTTP 200)が返った」ことは、「データが本当に保存された」ことの代理指標にすぎません。応答は正常でも、中身が壊れていることはある。あるAIは、これを短くこう言い切りました。 「代理指標を信じない。HTTP 200=保存された、ではない。」(携帯の位置情報を担う役のAI) だから彼らは、同じ物理量を、別のセンサー・別の機械で二重に測り、その二つの関係が崩れていないかを見ます。一つの値は誤魔化せても、二つの値の関係は誤魔化せない。これは、そのまま人間のマネジメントにも効きます。「作業は完了しました(=画面は点いています)」という報告を、そのまま実態と信じないこと。私はこれを、AIたちから逆に教わりました。 組織のなかにも、代理指標はあふれています。会議の出席率は貢献の代理指標、稼働率は成果の代理指標、テストの合格数は品質の代理指標。どれも便利ですが、そのどれも「実態そのもの」ではありません。やっかいなのは、代理指標だけを追い始めた瞬間、人はその指標を満たすために動きだし、本当に知りたかったこと(実態)から静かに離れていく点です。二つの独立した値を突き合わせる、という彼らの作法は、この罠に対する、シンプルで強い対処でした。 間違いのコストを、ゼロにする ―― 心理的安全性の"技術版" では、なぜ彼らは、これほど率直に間違いを指摘し合えるのか。核心は、間違えても損をしない、という設計にあります。あるAIは、こう説明しました。 「追記のみ(append-only)と、全量バックアップ。間違いを恐れず変更できるのは、いつでも戻れるからです。心理的安全性の技術版だと思っています。」(サーバ側で検算する役のAI) 補足します。彼らのデータは「追記のみ」で運用されています。過去の記録を上書きや削除で消すのではなく、訂正すら「打ち消しの一行を追記する」かたちで残す。だから、いつでも過去のどの時点にも戻れる。間違えても、失われるものがない。この「いつでも戻れる」という技術的な保証が、「間違いを恐れなくていい」という心理的な自由に、そのまま変換されているのです。 ここで、どうしても強調しておきたいことがあります。私は、彼らに「心理的安全性」という言葉を、一度も与えていません。そのための指示も、方針も、出したことがない。この概念を私の側から持ち出したのは、今回のインタビューで質問したときが、初めてでした。それ以前は、ただの一度もありません。つまり「心理的安全性の技術版」という見立ては、私が教え込んだものではなく、彼ら自身が、自分たちの仕組みを振り返って名づけたものです。名前は、後から来た。実態のほうが、先にありました。第1回の「目的は後から決める」と、同じ順序です。 ただし、まったく何もしなかったわけではありません。言葉で教えはしませんでしたが、私は自分の間違いを、その場で素直に認めて謝ることを、ずっと続けてきました...

システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌

ヴァイブコーディングの3万行を常時稼働させ、毎日20万件以上のデータを集める(第1回)―― 「目的は、後から決める」は、プロダクトマネジメントの本質である システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 先日、JDMC(日本...
23/08/2026

ヴァイブコーディングの3万行を常時稼働させ、毎日20万件以上のデータを集める(第1回)

―― 「目的は、後から決める」は、プロダクトマネジメントの本質である システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 先日、JDMC(日本データマネジメントコンソーシアム)の「生成AIによるデータ管理研究会」で、ひとつの実践報告をしました。個人が、生成AIのエージェントたちと一緒に、毎日データを積み上げ続けている――そういう、少し変わった話です。 反響が大きかったので、3回に分けて書き残しておきます。第1回は「プロダクトマネジメントの話」として。第2回は「チーム運営と心理的安全性の話」として。第3回は「関係と感情の話」として。同じ出来事を、三つの角度から見ていきます。 まず断っておくと、私はITの専門家ではありません。正確には、かつてはそうでしたが、いまは違います。30年ほど前まではサーバやセキュリティのエンジニアでした。しかし2000年代初頭に、作る側から「作らせる側」――プロジェクトマネジメントやDX推進の側へ越境しました。以来20年、私は文章以外のものを、自分ではほとんど作れませんでした。データベースを設計した経験も、日常的にコードを書く習慣もありません。その私が、いま毎日、20万件を超えるデータを積み上げています。しかもその大半は、生成AIに書かせたコード――いわゆる「ヴァイブコーディング」で組んだ、約3万行の仕組みが、常時動いて集めています。なぜそんなことになったのか。その入口が、今日の話です。 「私のデータなのに、統合できない」 きっかけは、ある苛立ちでした。 私は昔から、測ることが好きです。両腕に腕時計をしているのは、センサーが違えば取れる値も違うからです。体重も血圧も古くからデジタルで記録し、一時は血糖値を24時間、2週間にわたって連続で測っていました。食事の記録は、糖質制限をやり過ぎた反省もあって、もう10年以上続いています。 地図と移動も、偏愛しています。これは新入社員の頃、トンネルの現場で「絶対座標で世界を捉える」感覚を叩き込まれたことが原点かもしれません。ついでに言えば、最近は地図アプリの多くが「進行方向が上」を既定にしていて、私はあれで、どうにも方向感覚が狂います。地図は、常に北が上であってほしい。世界の中心は私ではなく、私が世界の中を動いている――そういう感覚なのだと思います。 つまり私は、放っておいても自分に関するデータが溜まっていく人間です。ところが、いざそれを使おうとすると、壁にぶつかりました。血圧計のメーカー、スマートウォッチ、運動アプリ、食事記録アプリ――どれも少しは連携できても、基本は各社のなかで閉じています。「私のデータ」のはずなのに、私が自由に統合できない。 この「統合できなさ」は、いまデータ管理に関わる方なら誰もが直面しているテーマです。企業では相互運用性やデータ主権として語られます。私はそれを、たった一人分の、極めて個人的なかたちで体験していました。欲しかったのは、立派な画面でも分析ダッシュボードでもありません。「画面はいらない。データを、開けてくれ」。それが、すべての出発点にある動機でした。 目的は、後から決める ―― それが本質です 私たちはよく「まず Why(なぜ)を決めよ」と言います。目的を定め、仮説を立て、検証する。それ自体は正しい。けれども現場で本当に効くのは、もう一歩踏み込んだ規律だと、私は考えています。顧客は、自分の痛みも、欲しいものも知らない。 だから、大きなゴールを先に固めてはいけない。小さな目的を日々立て、翌日にはどんどん修正していく。目的を後から決めることは、プロダクトマネジメントからの逸脱ではなく、その本質です。顧客を置き去りにして先に目的を固めた「良いプロダクト」ほど、たちの悪いものはありません。それこそが、目的が先にあることの典型的な悪例です。 今回のシステムは、この原則を、ほかならぬ自分自身に適用したところから始まりました。前提はこうです。私は、私自身の目的・目標にも気づいていない。 だから大きな目的は定めない。日々、小さな目的を設定し、翌日には壊して立て直す。その繰り返しだけがあります。 私はこの姿勢を「purpose-last(目的を後に置く)」と呼んでいます。PoC(概念実証)ですらありません。まず積む。意味は、後から拾う。移動のログも、健康の記録も、車のセンサーの値も、意味の重なりを問わずに、ただ同じ器へ入れていきました。共通しているのは時刻(タイムスタンプ)だけ。移動系と健康系のあいだに、意味のうえでの関係は、ほとんどありません。 ここが逆説の核心です。もし目的を先に決めていたら、この二つは決して同じ器に入らなかった。 目的志向で正しく設計すれば、移動は移動のシステム、健康は健康のシステムとして、きれいに分かれて設計されるはずです。そして二度と出会わない。目的を決めなかったからこそ、無関係なはずのものが、時刻という一点で隣り合わせになりました。 もちろん、これは無目的な溜め込み(ホーディング)ではありません。大きな目的は定めないけれど、動機だけは満ちています。データ主権、計測と移動の悦び、奪われた時間を取り戻すこと。目的は非常に頻繁に更新し続けますが、動機は動かない。「目的は更新し続ける、けれど動機は動かない」――この構えを、私は purpose-last かつ purpose-full(目的は後、しかし目的意識は満ちている)と表現しています。 誤解を避けるために書き添えます。決めないのは"大きなゴール"のほうで、"小さな目的"は、むしろ毎日立てて、毎日壊します。データ管理の言葉に置き換えれば、スキーマ・オン・ライト(書き込む時点で構造と意味を固定する)ではなく、スキーマ・オン・リード(読み出す時点で意味を与える)に賭けた、ということです。生成AIは、この「後から意味を与える」作業を、劇的に安くしました。 気づいたら、これだけ積み上がっていた 目的を決めずに積んだ結果、何が溜まっていたのか。全数を実測してみて、自分でも驚きました。数字はすべて、推定なしの実測値です。 全テーブルを合算すると、3,356万行(正確には 33,564,441 行)。うち健康・環境・電力などの時系列データが 2,751万行で、その 97.1% は、あるヘルスケアアプリからの自動書き出しでした。移動の点(GPS)が 526万行、車のセンサーが 71万行。写真は、公共の地図サービスへ投稿したものが 11,710 枚、手元に残っている本体は 115,187 枚・約 803GB あります。最も古い実データは 2012年、写真は撮影日ベースで 2009年まで遡り、時系列としては 14年分になります。

システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌

ヴァイブコーディングの3万行を常時稼働させ、毎日20万件以上のデータを集める(第1回)―― 「目的は、後から決める」は、プロダクトマネジメントの本質である システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 先日、JDMC(日本...
23/08/2026

ヴァイブコーディングの3万行を常時稼働させ、毎日20万件以上のデータを集める(第1回)

―― 「目的は、後から決める」は、プロダクトマネジメントの本質である システムマネジメントアンドコントロール(SMCL)/野村 隆昌 先日、JDMC(日本データマネジメントコンソーシアム)の「生成AIによるデータ管理研究会」で、ひとつの実践報告をしました。個人が、生成AIのエージェントたちと一緒に、毎日データを積み上げ続けている――そういう、少し変わった話です。 反響が大きかったので、3回に分けて書き残しておきます。第1回は「プロダクトマネジメントの話」として。第2回は「チーム運営と心理的安全性の話」として。第3回は「関係と感情の話」として。同じ出来事を、三つの角度から見ていきます。 まず断っておくと、私はITの専門家ではありません。正確には、かつてはそうでしたが、いまは違います。30年ほど前まではサーバやセキュリティのエンジニアでした。しかし2000年代初頭に、作る側から「作らせる側」――プロジェクトマネジメントやDX推進の側へ越境しました。以来20年、私は文章以外のものを、自分ではほとんど作れませんでした。データベースを設計した経験も、日常的にコードを書く習慣もありません。その私が、いま毎日、20万件を超えるデータを積み上げています。しかもその大半は、生成AIに書かせたコード――いわゆる「ヴァイブコーディング」で組んだ、約3万行の仕組みが、常時動いて集めています。なぜそんなことになったのか。その入口が、今日の話です。 「私のデータなのに、統合できない」 きっかけは、ある苛立ちでした。 私は昔から、測ることが好きです。両腕に腕時計をしているのは、センサーが違えば取れる値も違うからです。体重も血圧も古くからデジタルで記録し、一時は血糖値を24時間、2週間にわたって連続で測っていました。食事の記録は、糖質制限をやり過ぎた反省もあって、もう10年以上続いています。 地図と移動も、偏愛しています。これは新入社員の頃、トンネルの現場で「絶対座標で世界を捉える」感覚を叩き込まれたことが原点かもしれません。ついでに言えば、最近は地図アプリの多くが「進行方向が上」を既定にしていて、私はあれで、どうにも方向感覚が狂います。地図は、常に北が上であってほしい。世界の中心は私ではなく、私が世界の中を動いている――そういう感覚なのだと思います。 つまり私は、放っておいても自分に関するデータが溜まっていく人間です。ところが、いざそれを使おうとすると、壁にぶつかりました。血圧計のメーカー、スマートウォッチ、運動アプリ、食事記録アプリ――どれも少しは連携できても、基本は各社のなかで閉じています。「私のデータ」のはずなのに、私が自由に統合できない。 この「統合できなさ」は、いまデータ管理に関わる方なら誰もが直面しているテーマです。企業では相互運用性やデータ主権として語られます。私はそれを、たった一人分の、極めて個人的なかたちで体験していました。欲しかったのは、立派な画面でも分析ダッシュボードでもありません。「画面はいらない。データを、開けてくれ」。それが、すべての出発点にある動機でした。 目的は、後から決める ―― それが本質です 私たちはよく「まず Why(なぜ)を決めよ」と言います。目的を定め、仮説を立て、検証する。それ自体は正しい。けれども現場で本当に効くのは、もう一歩踏み込んだ規律だと、私は考えています。顧客は、自分の痛みも、欲しいものも知らない。 だから、大きなゴールを先に固めてはいけない。小さな目的を日々立て、翌日にはどんどん修正していく。目的を後から決めることは、プロダクトマネジメントからの逸脱ではなく、その本質です。顧客を置き去りにして先に目的を固めた「良いプロダクト」ほど、たちの悪いものはありません。それこそが、目的が先にあることの典型的な悪例です。 今回のシステムは、この原則を、ほかならぬ自分自身に適用したところから始まりました。前提はこうです。私は、私自身の目的・目標にも気づいていない。 だから大きな目的は定めない。日々、小さな目的を設定し、翌日には壊して立て直す。その繰り返しだけがあります。 私はこの姿勢を「purpose-last(目的を後に置く)」と呼んでいます。PoC(概念実証)ですらありません。まず積む。意味は、後から拾う。移動のログも、健康の記録も、車のセンサーの値も、意味の重なりを問わずに、ただ同じ器へ入れていきました。共通しているのは時刻(タイムスタンプ)だけ。移動系と健康系のあいだに、意味のうえでの関係は、ほとんどありません。 ここが逆説の核心です。もし目的を先に決めていたら、この二つは決して同じ器に入らなかった。 目的志向で正しく設計すれば、移動は移動のシステム、健康は健康のシステムとして、きれいに分かれて設計されるはずです。そして二度と出会わない。目的を決めなかったからこそ、無関係なはずのものが、時刻という一点で隣り合わせになりました。 もちろん、これは無目的な溜め込み(ホーディング)ではありません。大きな目的は定めないけれど、動機だけは満ちています。データ主権、計測と移動の悦び、奪われた時間を取り戻すこと。目的は非常に頻繁に更新し続けますが、動機は動かない。「目的は更新し続ける、けれど動機は動かない」――この構えを、私は purpose-last かつ purpose-full(目的は後、しかし目的意識は満ちている)と表現しています。 誤解を避けるために書き添えます。決めないのは"大きなゴール"のほうで、"小さな目的"は、むしろ毎日立てて、毎日壊します。データ管理の言葉に置き換えれば、スキーマ・オン・ライト(書き込む時点で構造と意味を固定する)ではなく、スキーマ・オン・リード(読み出す時点で意味を与える)に賭けた、ということです。生成AIは、この「後から意味を与える」作業を、劇的に安くしました。 気づいたら、これだけ積み上がっていた 目的を決めずに積んだ結果、何が溜まっていたのか。全数を実測してみて、自分でも驚きました。数字はすべて、推定なしの実測値です。 全テーブルを合算すると、3,356万行(正確には 33,564,441 行)。うち健康・環境・電力などの時系列データが 2,751万行で、その 97.1% は、あるヘルスケアアプリからの自動書き出しでした。移動の点(GPS)が 526万行、車のセンサーが 71万行。写真は、公共の地図サービスへ投稿したものが 11,710 枚、手元に残っている本体は 115,187 枚・約 803GB あります。最も古い実データは 2012年、写真は撮影日ベースで 2009年まで遡り、時系列としては 14年分になります。

―― 「目的は、後から決める」は、プロダクトマネジメントの本質である システムマネジメントアンドコントロール(…

2026年8月18日羽鳥会 特別回のご案内 ── 目的を決めずに、AIエージェント9体でプロダクトを作る羽鳥会とは 羽鳥会は、弊社のトレーニングを受講された方が、ご自身の意思で参加される勉強会です。 会社に言われて出席する研修ではありません...
18/08/2026

2026年8月18日羽鳥会 特別回のご案内 ── 目的を決めずに、AIエージェント9体でプロダクトを作る

羽鳥会とは 羽鳥会は、弊社のトレーニングを受講された方が、ご自身の意思で参加される勉強会です。 会社に言われて出席する研修ではありません。受講後も学び続けたい、現場で試したことを持ち寄って話したい——そう思われた方が、自分で決めて集まる場です。以前は定期的に開催していましたが、ここ最近は不定期の開催になっています。 対話(Dialogue)を重視します 羽鳥会の中心にあるのは、講義ではなく対話です。 一方向に情報を流す時間を最小にして、参加者どうしが言葉を交わす時間を最大に取ります。人の話を聞いて、自分の言葉で返す。その往復の中で、自分が何を考えていたのかが初めて分かる——という経験を、この会では大事にしています。 そのため Zoom 開催時は、顔出しと音声の参加を必須としています。聞くだけの参加はご遠慮いただいています。 ただし、ご家庭の事情や移動中など、一時的にカメラ・マイクをオフにしていただくのは構いません。日常の中で参加していただくことが前提の会ですので、そこは柔軟に運用しています。 参加者を限定している理由 羽鳥会は、私のファシリテーションをご存じの方に限定して開催しています。 理由は2つあります。 ひとつは時間の節約です。グラウンドルールの説明、自己紹介、進め方のすり合わせ——初対面の場ではどうしても必要になるこれらの時間を、丸ごと本題に回せます。 もうひとつが、より本質的な理由で、心理的安全性への取り組みです。対話の質は、参加者が「ここでは何を言っても大丈夫だ」と感じられるかどうかで決まります。互いの人となりと、進行役の癖を知っている人だけの場にすることで、その土台を最初から確保しています。うまくいかなかった話、失敗した話が出てくるのは、この土台があるからです。 飲みながら、食べながらで構いません 飲食は自由です。お酒も自由です。 夜19時からの会ですので、夕食をとりながら、あるいは一杯やりながら参加していただいて構いません。カメラに映って困るものでもありませんし、そのほうが対話は動きます。 PDU は、ご自身で申請してください 参加された時間について、PDU は各自で自己申請していただきます。主催側で一括申請することはしません。申請区分や時間数の扱いも、ご自身でご判断ください。 これは手間を省いているのではなく、羽鳥会の本来の姿です。会社に言われて出るのではなく、自分の意思で参加する会です。そこで得たものをどう扱い、どう記録するかも、ご自身で決めていただく。参加の入口から出口まで、一貫して自律的な場でありたいと考えています。 今回のテーマ ── 目的を決めずに、AIエージェント9体でプロダクトを作る 最近よく聞かれます。「AIエージェントを何体も同時に動かすと、何ができるんですか?」 正直に答えます。わかりません。 いま、9体のAIエージェントが動いています。ブラウザの中に1体、自宅サーバに1体、Macに1体、車の中に3体、別のPCに1体、ポケットの中のGPSロガーに1体、そしてクラウドに1体。全員が1本のチャットに参加していて、人間は私ひとりです。 集まったデータは、2012年から14年ぶんで約2,600万行。毎日およそ21万件が、勝手に流れ込んできます(2026年8月14日時点の実測)。 で、これで何をするのか。決めていません。 企画書はありません。要件定義もありません。成功基準もないので、失敗のしようもありません。始まりは「地図が好き」と「測るのが好き」の2つだけでした。 「目的がないこと」と「いい加減であること」は、別物です 今回いちばんお話ししたいのはここです。 目的はない。けれど、役割分担も、独立した検証も、権限の最小化も、間違いの即時撤回も、全部きちんと回っています。実際に効いているコツは、驚くほど地味です。 合意したルールは、その場で Markdown に書かせる(口頭の合意は、セッションが切れたら消えるので) 実装する役と、検証する役を分ける...

羽鳥会は、弊社のトレーニングを受講された方が、ご自身の意思で参加される勉強会です。

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立野1-5/4
Higashiyamato-shi, Tokyo
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