30/05/2026
心理学者の岸田秀さんがお亡くなりになりました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
岸田さんには、小社刊行の写真集『こどもたちの声がきこえる』(小金井市の回帰船保育所のこどもたちを10年に渡って撮り続けた写真、2008年)に本書の写真家・前田敏行さんとの出会いに触れてご寄稿いただきました。
前田さんは和光大学で岸田さんに学び、それ以降、お付き合いが続いていたそうです。
また、本書の写真展が新宿のコニカミノルタで開催されたおりには、足を運んでくださいました。その後、新宿の「ライオン」で、写真家の前田さんご夫妻を伴い、たらふくビールを飲みながら、愉しい時間を過ごさせていただいたことも懐かしい思い出です。
フランスは第二次大戦の「戦勝国」と言えるのか?
朝鮮半島の「解放」と何が違うのか? 両者は類似の性格を有しているのではないか? などのお話しをさせていただいた刺激的な時間でした。そして何より、偉ぶらないところが人間的な魅力でした。
岸田秀さんといえば、やはり『ものぐさ精神分析』が有名で、私も一読したときは多くを学んだものです。なにしろ、「国家」を精神分析するんですから、そのスケールの大きいこと大きいこと。歴史を知る上でのユニークな見方を学びました。
あとは、いまから40年前に刊行された、評論家の竹田青嗣さんを聞き手とした対話『物語論批判』の読書体験が思い出されます。これはひとりの思想家の思考のバックグラウンドを掘り下げるシリーズ物の中の一冊で、議論白熱の読みごたえのある中身でした(装丁は宮迫千鶴さん)。
この機会にあらためて読み直してみようと思います。
岸田秀さん、愉しい時間(直接に、著書を通して)をありがとうございました。
ゆっくりお休みください。