GFEコンサルティング株式会社

GFEコンサルティング株式会社 長野県内の中小企業に特化したM&A会社 東京本社 代表 笹川敏幸
長野本社 代表 原田 充

12/12/2021

オリックス、会計ソフトの弥生を売却
2400億円、米KKRに

日本経済新聞
2021/12/12

 オリックスは子会社で会計ソフト大手の弥生(東京・千代田)を米投資ファンドのKKRに売却する方針を固めた。金額は約2400億円とみられる。オリックスは弥生を2014年に800億円超で買収した。弥生が手掛けるクラウドソフトの需要が強まり、企業価値が高まったことから投資資金を回収する。売却資金は再生可能エネルギーなどに振り向ける。

 オリックスは弥生の買収後、複数の取締役を派遣して収益拡大に取り組んできた。オリックスの営業網を通じて弥生のソフト拡販を狙ったが、オリックスの顧客が主に大企業や中堅企業で、個人商店の経営者などを得意とする弥生との相乗効果は限定的だったようだ。弥生の21年3月期の部門別利益は60億円と黒字だが、業績が伸び悩んでいた。

 企業の間では、会計ソフトを複数の端末から利用でき、自動で最新版に更新するクラウド版に切り替える動きが広がっている。弥生の競合で東京証券取引所に上場するマネーフォワードやフリーの時価総額はいずれも3000億円を超える。オリックスは弥生の新規株式公開(IPO)も視野に入れていたもようだが、有力な買い手候補が現れたことから売却方針に転じた。

 オリックスは低金利で祖業のリースの収益が下がるなか、事業投資に軸足を移している。注力する再生可能エネルギーの運用資産は2倍の1兆円規模にする。弥生売却で得た資金は再エネや企業買収など他の成長分野に充てるとみられる。

12/12/2021

長野市の老舗ホテル犀北館 不動産投資会社と提携

日本経済新聞
2021/12/10

 長野ホテル犀北館(長野市)は不動産投資などをてがけるファーストブラザーズと資本業務提携した。ファースト社は犀北館の親会社に資本参加し、犀北館の創業家の近山諭社長は続投する。後継者問題を抱えていた犀北館と、ホテル事業の強化を考えるファースト社が連携し、長野県有数の老舗ホテルののれんを守る。

 両社の提携は1日付。犀北館はファースト社との提携により、資金や信用力のある安定株主を得ることになる。2022年4月の善光寺ご開帳を前に経営体制を整えて、期間中に約700万人の観光客が訪れる一大イベントに備える。

 犀北館は1890年(明治23年)の開業。文化人に愛され、長野五輪の開催時には天皇皇后両陛下主催のお茶会の会場になるなど、長野県を代表するホテルの一つ。善光寺と長野駅の中間に位置し、観光客はもちろんビジネス客の利用も多い。

 ファースト社は2004年創業で、東証1部に上場している。不動産投資を中心に事業を展開している。ホテルの経営・運営事業の強化に向けて、全額出資子会社であるフロムファーストホテルズ(東京・千代田)を設立し、21年10月に事業を開始。複数のホテルを経営している実績がある。

 近山社長の子供がまだ小さいなど後継者問題を抱える犀北館は、同ブランドの維持・継承を重視するファースト社との提携を決めた。業務提携により犀北館の取締役はフロム社の社長である川井孝洋氏と近山社長の2人体制となる。

06/08/2021

セブン、店内に「ダイソー」
雑貨拡充、ロフトとも 小商圏ニーズ照準

日本経済新聞 
2021/8/6

 セブン―イレブン・ジャパンが100円ショップ運営の大創産業と共同で、コンビニエンスストア内で雑貨専門店「ダイソー」を本格展開する。通常は取り扱っていないキッチン用品などをそろえる。新型コロナウイルス下で高まった1店舗で買い物を済ませるニーズを取り込み、実験店では雑貨の売り上げが1割弱増加した。年内にも首都圏を中心に200店規模まで拡大する。

台所用品などの商品を取りそろえる(神奈川県平塚市)

 ダイソー専用の売り場を設置した店舗は神奈川県に約80店あり、清掃用品や文房具のほか、自転車の鍵、車のシートフックなど、通常はコンビニに置いていない100円商品が並ぶ。年内に同県を中心に2倍に増やす計画だ。神奈川県平塚市の会社員、村田まり子さん(43)は「ダイソーにわざわざ行かなくてもコンビニで掃除や調理器具が買えて便利」と話し、頻繁に利用するという。
 セブンは6月からグループのロフトの商品も東京都内の10店舗で販売している。上質な文房具やレース柄があしらわれた使い捨てマスクなど、ワンランク上の雑貨をそろえた結果、女性客の単価が数%程度高まる傾向にある。

 追加で10店舗での取り扱いも決めた。ロフトの安藤公基社長は「国内は将来的に出店の余地が狭くなる」と話しており、コロナ後の成長戦略を描く上でも、新たな販売網としてコンビニ内「出店」に期待する。

 セブンは今後、ダイソーとロフトの両方を備えた複合店などの展開も検討する。効果が確認できれば国内約2万1千店、全店への専門店コーナー設置も見据える。セブンの物流との連携や発注予測や販売実績などのデータを共有することで、仕入れを適正化し、利益率の改善を模索していく。

 日本フランチャイズチェーン協会(東京・港)によると、コンビニ大手7社の2021年6月の既存店売上高は前年同月比0.8%増の8565億円、来店客も微増したがコロナ前の水準には戻っていない。広域から集客する事業モデルが難しくなり、各社とも小商圏ニーズの掘り起こしに動いている。

 コンビニ業界では昨年からローソンが一部店舗で「無印良品」の売り場を設置し、ファミリーマートは衣料ブランドを立ち上げた。セブンではプライベートブランド(PB)による品ぞろえの充実など自前での展開を重視してきたが、消費行動が変化するスピードがコロナ下で加速する中で対応に限界もあった。

13/07/2021

車保険料、来年2%下げ
大手損保各社、性能向上で事故減

日本経済新聞 
2021/7/13

 大手損害保険各社は自動車の保険料を2022年1月から引き下げる。各社とも平均で約2%下げる見通しで、下げ幅は4年ぶりの大きさとなる。自動車の安全性能の向上で事故率が低下し、収支が改善していることを反映する。保険料引き下げの動きが一段と加速する。

 東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険が平均で約2%引き下げる方向だ。損害保険ジャパンは1~2%下げる見込み。各社は21年初めに1%弱、引き下げており、2年連続の下げとなる。18年に2~3%下げて以来、下げ幅は4年ぶりの大きさだ。

 損保各社でつくる損害保険料率算出機構の19年度の統計によると、自家用普通車に乗る契約者が支払う保険料は平均で年7万3600円程度。保険料が2%下がると、年1500円程度の負担減となる。

 料率機構は6月30日、自動車保険料の目安となる「参考純率」を平均で3.8%下げた。指標の改定を保険料に細かく反映するには通常、1年以上かかるとされる。ただ、新型コロナウイルス禍の外出自粛で20年度の事故は大幅に減った。自動車保険の収支が大幅に改善していることもあり、機構の指標にとらわれず自主改定に踏み切る。

 保険料の算定では、コロナの影響でテレワークが浸透し、事故の減少が将来的に続く可能性を一部に織り込んだ会社もある。半面、ワクチン接種の進展で経済活動が再開すれば事故率が再び高まる可能性もあり、今後も影響を慎重に見極める構える。

28/06/2021

MA 代理人起用に難しさも

日本経済新聞 
2021/6/28

 大手企業のM&Aでは、双方がそれぞれ代理人として財務アドバイザー(FA)をつけることが多く、利益相反の問題は起きにくいとされる。中小企業のM&Aで売り手中心のFAを手掛けるGCAサクセションの二戸弘幸社長は「立場が明確なため自由に買い手を探せる」と話す。

 ただ中小企業特有の難しさから、「中小企業のM&AでFAをつける手法は、なじみにくい」という指摘もある。

 日本M&Aセンターの三宅卓社長は「中小企業は経済合理性がすべてではない。『子供の結婚式まで会社を残したい』など個々の事情があり調整役が必要だ。売り手の主張を通すFA型では、なかなかまとまらない」と話す。

 M&Aキャピタルパートナーズの中村悟社長も中小企業のM&Aを「幅広い買い手を集め成約まで50~100回の面談を重ねる」と説明する。「一定数以上をこなすにはFA型ビジネスは無理。現場は仲介でしか動いていない」という。

 米国では双方から手数料を取る「両手取引」の仲介業者はほとんどないとされる。植松貴史弁護士は「売買価格に疑いがあれば訴訟になりやすいため、利益相反の意識が高い」と指摘する。さらに米金融取引業規制機構(FINRA)の自主規制ルールもあり、利益相反や詐欺的な行為などを禁じている。悪質業者を防ぐ仕組みとして、参考になりそうだ。

28/06/2021

中小M&A仲介にルール
登録制や自主規制、悪質業者を排除 事業承継など需要増

日本経済新聞 
2021/6/28

 中小企業のM&A(合併・買収)を巡るルール整備が始まる。後継者不足などで企業再編の需要が高まるが、悪質な仲介業者によるトラブルも目立つ。中小企業庁が近く登録制を導入するほか、自主規制団体の発足も目指す。市場の健全化に課題は多い。

 「もう来ないでくれ」。5月上旬、都内で複数のパン店を営む60代の経営者は、会社を訪れた仲介会社の担当者に言い放った。今すぐに売るつもりはない、店を増やすより製法を守ってほしいと話しても、「買いたい企業がいるので、とにかく会ってほしい」「数十店舗増やす計画を立てている」と聞く耳を持たない。

算定額に不信感
 提示された買い取り価格は訪問のたびに上がり、いつの間にか当初の3倍になったが、逆に不信感が募った。「価格の算出方法などわからないことだらけ。買い手のことしか考えていないようにみえた」。商談中に上司と思われる人から担当者に電話がかかり、自分の前で「まだまとめられないのか」と叱責されていたこともあった。

 中小企業庁によると、2025年までに70歳を超える中小企業の経営者で、後継者が未定なのは127万人。事業承継の問題などを受け、中小企業のM&A需要が拡大している。大半で売り手と買い手をつなぐ仲介業者が関わるが、その質が問題視されている。

 中小企業のM&Aに関する仲介業者などは、国内で約370あるといわれる。売り手と買い手の双方から手数料を取る「両手取引」といわれる手法が多いとされる。成約すれば業界慣行として最低でも双方から取引価格の5%ずつを手数料として取るのが一般的だ。

 だが将来も顧客になる可能性が高い買い手の事情を優先しがちともいわれる。売り手が不利だとして、利益相反の懸念が根強い。似た問題が指摘される不動産業などと違い公的資格は必要ないため、経験不足の業者もまじるという。ある事業承継アドバイザーは「簿記3級の知識すらないのに『仲介できる』とする業者もいる」と明かす。
 官民では悪質業者をけん制するための仕組み作りが始まっている。

 中小企業庁は20年、中小企業のM&Aについてガイドラインを策定。21年4月には「中小M&A推進計画」をまとめた。今夏にも届け出による登録制度を導入し、自主規制団体の設立を目指している。

 仲介事業そのものの規制までは踏み込まず、売り手、買い手に自社が仲介であることを説明するように求めたり、ほかの事業者にも相談する「セカンドオピニオン」の導入を促したりする。公正な企業価値の評価方法の開発にも取り組む。

第三者が助言
 M&A助言のプルータス・マネジメントアドバイザリー(東京・千代田)は2月、仲介業者を通じて売却を検討する中小企業に、売却手続きや価値評価の妥当性などを第三者の視点で助言するサービスを始めた。

 同社の門沢慎社長は「売り手となる中小企業の経営者は相場観などの知識が乏しく、仲介業者の情報量と大きな差がある。仲介業者が示した評価額と適正価格がかけ離れる場合がある」と指摘する。算定額が仲介会社の提示額の2倍だった例もあるという。

 冒頭の経営者は打ち明ける。「M&Aの話は周りの誰にも知られたくない。老舗であるほど『あいつの代でだめにした』と言われかねない。経営者は孤独で、誰にも相談できない」。高齢世代にはM&Aに後ろめたさを感じる経営者も少なくない。悪質業者につけ込まれる隙にもつながる。

 M&Aは買い手にとっては何度もある取引であったとしても、多くの売り手には生涯一度きりの重大な決断だ。市場には、公正かつ透明であることが何よりも求められる。

(世瀬周一郎)

17/06/2021

セブン&アイ、フランフラン株一部売却 コンビニ集中
薄い相乗効果放置せず

日本経済新聞 
2021/6/18

セブン&アイ・ホールディングスが持ち分法適用会社でインテリア雑貨のフランフラン(東京・港)の株式を一部売却する方針を固めた。

 主力のコンビニエンスストア事業と相乗効果が薄い分野への関与を引き下げ、経営資源を米国などの成長事業に振り向ける。

グループ企業の保有割合を減らすのは多角化戦略を進めてきた2000年代以降で初めてで、コンビニで稼いだ資金で事業領域を拡大し続けてきた戦略の転換点となる。

 セブン&アイは13年、経営が悪化していたフランフラン株を40億円弱で全株式の49%を取得した。デザインが洗練された雑貨を総合スーパーや百貨店に導入することなどでフランフランの経営てこ入れを狙ったが、これまでは十分な相乗効果を発揮できず業績は低迷したままだった。

 ただ、フランフランは20年8月期に不採算店閉鎖など構造改革を一気に進めたことで今期の営業利益は前期比約12倍の37億円と過去最高を見込む水準にまで回復した。業績改善で1株当たりの売却額は取得時の2~3倍に上昇している公算が大きく、セブン&アイは取得時の費用を回収できそうだと判断し、売却先を探すことにした。
 売却先はインテグラルや日本成長投資アライアンス(東京・港)など複数の投資ファンドが候補となっており、7月以降に手続きが完了する見通しだ。

 フランフランは人材確保や資金調達手段の自由度を高めるために2~3年以内の再上場を目指している。今回、現在51%を保有する創業家も一部株式をファンドに売却し、セブン&アイとの合計で49%以下に抑える計画だ。セブン&アイは少なくとも上場までは持ち分法適用会社としての関与を続ける方針で、条件を満たすために保有割合が20%を下回らない範囲での売却でファンドと調整している。

 セブン&アイは国内首位のコンビニで稼いだ資金を元手に流通グループとして拡大してきた。06年のミレニアムリテイリング(現そごう・西武)の買収で百貨店事業に進出したほか、専門店の赤ちゃん本舗などもグループに組み入れてきた。

 ただ、新型コロナウイルスに伴う営業自粛の影響もあって、21年2月期の百貨店事業の総資産営業利益率(ROA)はマイナス2%、専門店事業ではマイナス9.0%と厳しい状況が続く。国内コンビニの18.7%とは対照的で、先行投資がかさむ海外コンビニの4.3%よりも見劣りする。
 株主からも成長が期待しやすいコンビニ事業への集中を求める声が強まっている。5月には米有力アクティビスト(物言う株主)のバリューアクト・キャピタルがセブン&アイの大株主になったことが明らかになった。ロイター通信によると、低収益事業の切り離しか、コンビニ事業を分離して投資を集中させれば時価総額は2倍以上になると主張したという。

 セブン&アイは今年5月に手続きを完了した米国のガソリンスタンド併設型コンビニ「スピードウェイ」の2兆円超の買収は、すべて借入金を充てるなど財務体質は悪化している。これまで百貨店やスーパーで不採算店の閉店や売り場面積の縮小などを進めてきたが、コロナ禍もあって一段の事業構造改革は避けられない。

 株主が求めるコンビニ事業に集中する姿勢を見せるためにも、今後はグループ会社との資本関係の見直しも視野に入れざるをえなくなるとみられる。フランフランの株式売却は今後のグループ再編のモデルケースとなる可能性がある。

https://youtube.com/watch?v=fWe7wva7CF0&feature=share
03/02/2021

https://youtube.com/watch?v=fWe7wva7CF0&feature=share

毎月発行中のフリーペーパー『イマジン』のインタビュー部分を映像化!わたしたちイマージがお店づくりをお手伝いした”繁盛店”を経営するみなさんに焦点を当てていきます。今回は「ノビットアカデミー」の代表 今.....

20/06/2020

M&A、ファンド優位に異変

LIXILビバ買収で競り負け 
コロナで融資受けにくく

日本経済新聞 
2020/6/17

LIXILビバはアークランドサカモトが勝ち取った(埼玉県の店舗)

 M&A(合併・買収)市場を席巻していた投資ファンドに異変が生じている。9日に決着したLIXILグループによるホームセンター子会社の売却では、複数のファンドが入札に参加したが事業会社に競り負けた。ファンドが投資効率を上げるために欠かせない銀行からの融資が、新型コロナウイルスの影響で集めにくくなっている。

 「全く予想外の結果だった」。新潟県を地盤にホームセンターを展開するアークランドサカモトが勝ち取ったLIXILビバの買収にM&A関係者は首をひねる。出店地域が重複しない同業という強みはあったが、アークランドの時価総額は500億円(8日時点)とLIXILビバの半分以下で、資金面では劣るとみられていたからだ。

 LIXILグループがLIXILビバの買い手を募り始めた1月下旬には、少なくとも3つのファンド勢が参加していた。当初は資金力に勝るファンドが優位とみられていたが、いずれも途中で脱落した。最終入札はアークランドとジョイフル本田という同業同士の一騎打ちだったようだ。

 参加したファンドの関係者は「銀行から好条件のLBOローンを調達できず、高い買収価格を提示できなかった」と敗因を明かす。LBOローンとは買収先企業の資産や収益力を担保にした融資を指す。一般的にファンドは買収時に、投資家から集めた資金と、LBOローンを組み合わせる。

リターン高く
 日本拠点のファンドの未使用資金は2019年9月末で約1.7兆円(英調査会社プレキン)と4年間で3倍弱に増えた。それでもLBOローンと組み合わせるのは投資効率を上げるためだ。

 LBOはレバレッジド・バイアウトの略で、借金というレバレッジ(てこ)を利かせるという意味だ。ローン部分を多くし、少ない手元資金で買収すれば、ファンドとしては高いリターンにつながる可能性がある。「どれだけ多くのローンを引っ張れるかが買収の実現のカギを握る」(国内ファンド)ことになる。

 変化が起きたのは新型コロナの影響が広がった3月ごろからだ。金融機関が急にLBOローンを出し渋るようになったとファンド関係者は口をそろえる。M&A助言のレコフによると、4~5月の国内企業同士のM&Aは前年同期比2割減だが、国内ファンドが買い手となった案件は25%減と落ち込みが目立つ。

企業支援を優先
 銀行がローンを絞った理由は主に3つある。

 1つは銀行が新型コロナで打撃を受けた企業の支援を優先したことだ。5月末の銀行貸出金残高は前年同月末比の伸び率が過去最高になった。幅広い企業への緊急融資への対応に追われ、「M&Aにまで手が回らなかった」(大手銀行)。

 新型コロナで景気の先行きに不透明感が出ていることもある。LBOローンでは返済に充てる買収先企業の将来の収益力をファンドが見積もり、金融機関が査定する。

 貸し手からすると「新型コロナで需要が大きく減る外食や小売り、ホテル・旅館への買収案件には資金を出しにくい」(大手銀幹部)状況だ。ファンド側も「事業計画通りできるのかと、銀行に問い詰められた時の反論が難しくなっている」(国内ファンド)という。

 ファンドとしての実績も厳しく見られるようになっている。ファンドによっては既存の投資先の資金繰りが新型コロナで悪化し、銀行に支援を要請した例もある。銀行は案件ごとに収益力を判断し融資するが、既存の投資先の経営がうまくいっていなければ、新しい案件も大丈夫かとの疑問を持たれることにもなる。

 世界銀行は20年の日本の経済成長率がマイナス6.1%に落ち込むと予測する。緊急事態宣言の影響を大きく受けた飲食や観光などを中心に、再編が加速する可能性は高いが、ファンド向けの銀行融資が回復するかは不透明だ。

 新型コロナで「普段は見えなかった各ファンドの実力があらわになった」(大手銀のM&A融資担当)との声も上がる。資金を調達する力だけでなく、企業価値を高める提案ができるかどうか。ファンドの手腕が問われている。

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