事業計画プロ

事業計画プロ 中小企業の事業再構築・ものづくり補助金申請支援、中期経営計画策定・?

税理士法人を母体とする京都のコンサルティング会社、株式会社新経営サービス経営支援部です。

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経営革新計画の策定ポイント ~「経営の相当程度の向上」の目標設定~経営革新計画の申請において、「数値目標をどのくらいに設定すればよいかわからない」「根拠のある数字の作り方がわからない」という経営者は少なくありません。 経営革新計画では、新事...
01/06/2026

経営革新計画の策定ポイント ~「経営の相当程度の向上」の目標設定~

経営革新計画の申請において、「数値目標をどのくらいに設定すればよいかわからない」「根拠のある数字の作り方がわからない」という経営者は少なくありません。 経営革新計画では、新事業活動に取り組むことで「経営の相当程度の向上」を図ることが求められます。 この「相当程度の向上」には明確な数値基準が設けられており、それを正しく理解したうえで現実的な目標を設定することが承認への近道です。 本コラムでは、「経営の相当程度の向上」の定義を整理したうえで、現実的かつ根拠のある数値目標の設定方法を解説します。 本コラムのポイント 「経営の相当程度の向上」とは、付加価値額または一人当たりの付加価値額と給与支給総額の2指標の伸び率で判断される 事業期間3年なら付加価値額9%以上・給与支給総額5%以上が目標伸び率の基準となる 数値目標は「大きければよい」ではなく、新しい取り組みの内容と整合した根拠が求められる 現状値を起点に、新規事業がどの指標にどれだけ影響するかを順序立てて整理することが重要 「経営の相当程度の向上」とは何か 中小企業等経営強化法では、「経営革新」を「事業者が新事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ること」と定義しています(第2条第9項)。 この「経営の相当程度の向上」は、感覚的な表現ではなく、具体的な指標と数値基準が設けられています。 経営革新計画として承認されるためには、事業期間の終了時点でこの基準を満たす目標を設定することが必要です。 重要なのは、「向上を図ること」であり、計画時点での確約ではなく「目標として設定すること」が求められているという点です。 ただしその数値は、新規事業の内容と整合していなければ審査員には根拠のない数字にしか見えません。 現実的な根拠に基づいた数値目標を示すことが、承認への近道です。 2つの指標と目標伸び率の基準 「経営の相当程度の向上」は、次の2つの指標で測られます。 ① 付加価値額または一人当たりの付加価値額 付加価値額とは、営業利益・人件費・減価償却費の合計額です。 企業が生み出した価値の総量を示す指標であり、売上高だけでは見えない経営の実態を反映します。 付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費 一人当たりの付加価値額は、この付加価値額を従業員数で割った値です。 人員が増える計画の場合は一人当たりの指標が下がりやすいため、どちらの指標を使うかは自社の計画に合わせて選択できます。 ② 給与支給総額 給与支給総額とは、役員報酬・給料・賃金・賞与・各種手当の合計です。 経営の向上が従業員への還元につながっているかを確認するための指標です。 給与支給総額 = 役員報酬 + 給料 + 賃金 + 賞与 + 各種手当 この2指標について、事業期間終了時点での目標伸び率の基準は以下の通りです。 事業期間 付加価値額または一人当たりの付加価値額の伸び率 給与支給総額の伸び率 3年 9%以上 4.5%以上 4年 12%以上 6.0%以上 5年 15%以上 7.5%以上 現実的な数値目標の作り方...

経営革新計画の申請において、「数値目標をどのくらいに設定すればよいかわからない」「根拠のある数字の作り方がわか…

製造業向け経営革新計画活用ガイド ~設備投資・新商品開発を成功に導くポイント~設備投資や新商品開発を検討しているものの、「資金調達の見通しが立たない」「計画をどう形にすればいいかわからない」という製造業の経営者は少なくありません。 こうした...
29/05/2026

製造業向け経営革新計画活用ガイド ~設備投資・新商品開発を成功に導くポイント~

設備投資や新商品開発を検討しているものの、「資金調達の見通しが立たない」「計画をどう形にすればいいかわからない」という製造業の経営者は少なくありません。 こうした場面で活用を検討していただきたいのが、経営革新計画です。 承認を受けることで融資優遇や信用保証の特例といった資金調達面の支援策につながるだけでなく、設備投資・新商品開発の計画を体系的に整理する枠組みとしても機能します。 本コラムでは、設備投資・新商品開発を検討している製造業が経営革新計画を活用するためのポイントを解説します。 本コラムのポイント 製造業は、自社の技術・設備・実績を活かすことで、経営革新計画における新規性を具体的に示しやすい 経営革新計画は、設備投資や新商品開発を「新事業」として整理し、計画として体系化する枠組みとして活用できる 経営革新計画の承認により、低利融資や信用保証の特例など資金調達面での支援措置の活用が可能になる 計画策定では、設備投資の内容と数値目標の整合性、および既存事業と新規事業の区分を明確にすることが重要である 設備投資・新商品開発で活用できる新事業活動の類型 経営革新計画では、「新事業活動」として以下の5つの類型が定められています。 新商品の開発又は生産 新役務の開発又は提供 商品の新たな生産又は販売の方式の導入 役務の新たな提供の方式の導入 技術に関する研究開発及びその成果の利用その他の新たな事業活動 このうち「新役務の開発又は提供」と「役務の新たな提供の方式の導入」はサービス業・飲食業などの業種に親和性が高い類型です。 一方、設備投資・新商品開発を検討している製造業にとって特に活用しやすいのは、次の3つです。 ① 新商品の開発又は生産 これまで手がけていなかった新しい製品の開発・生産が該当します。 既存の加工技術を転用して新分野の部品を製造する、廃棄物を活用した新素材製品を開発するといった取り組みが代表例です。 業務用製品を家庭用に小型化する、BtoB向けの技術をBtoC製品に転用するといった取り組みも、自社にとって初めての取り組みであれば新規性として認められます。 ② 商品の新たな生産又は販売の方式の導入 これまでの生産・販売方法を変える取り組みが該当します。 IoTを活用した生産管理システムの導入、代理店経由だった販売を自社ECや直販に転換する、受注生産から見込み生産に移行するといった取り組みがこの類型にあたります。 設備投資によって生産方式そのものが変わる場合も、この類型として申請できます。 ③ 技術に関する研究開発及びその成果の利用 自社技術の高度化を目的とした研究開発が該当します。 加工が難しいとされてきた素材の大量加工技術の研究、新素材の特性を活かした製品開発などが代表例です。 研究開発の成果を自社の製造ラインや新商品に活用する取り組みであれば、この類型として申請できます。 なお、既に他社が採用している技術や方式であっても、自社にとって新たな取り組みであれば原則として承認の対象となります。 「うちの取り組みは珍しくないから」と申請を諦める必要はありません。 承認を受けることで活用できる支援措置 経営革新計画の承認を受けると、資金調達面でさまざまな支援措置が活用できます。 設備投資・新商品開発を検討している製造業にとって特に活用しやすい3つの制度を紹介します。 なお、計画の承認は支援を保証するものではなく、承認後に各支援機関による別途審査が必要です。 ① 日本政策金融公庫の特別利率による融資 設備投資や運転資金について、通常より低い金利での融資が受けられます。 新工場の建設や大型設備の導入を伴う計画では、この融資優遇が資金計画に大きく影響します。 <中小企業事業> 新事業育成資金※1 新事業活動促進資金 貸付限度額 7億2千万円 14億4千万円 貸付利率※2 基準利率▲0.90% 基準利率▲0.65%※3 ※注1:公庫の成長新事業育成審査会から事業の新規性・成長性について認定を得た者が対象となります。 ※注2:貸付利率は信用リスク、融資期間等に応じた所定の利率が適用されます。 ※注3:5億4千万円超及び土地にかかる資金は基準利率となります。 <国民生活事業>...

設備投資や新商品開発を検討しているものの、「資金調達の見通しが立たない」「計画をどう形にすればいいかわからない…

経営革新計画の策定ポイント ~実施計画の立て方と運用のコツ~経営革新計画の申請において、実施計画は後回しになりやすい項目です。 「数値目標さえ書ければよい」「実施計画は形式的に埋めればいい」と考える経営者は少なくありません。 しかし、この実...
28/05/2026

経営革新計画の策定ポイント ~実施計画の立て方と運用のコツ~

経営革新計画の申請において、実施計画は後回しになりやすい項目です。 「数値目標さえ書ければよい」「実施計画は形式的に埋めればいい」と考える経営者は少なくありません。 しかし、この実施計画こそが承認後に計画を機能させる鍵であり、審査においても「実現可能性」を判断する重要な根拠になります。 本コラムでは、実施計画の正しい立て方と、承認後に計画を形骸化させないための運用のコツを解説します。 本コラムのポイント 実施計画は審査における「実現可能性」の根拠となる重要な内容であり、形式的に埋めるだけでは不十分 実施項目は番号で関連付けて構造化し、何を・いつ・どう評価するかを具体的に記載する 評価基準は定量化できるものは数値で設定し、難しいものは定性基準で補うことで、承認後の進捗管理がしやすくなる 承認後は実施計画をPDCAサイクルのツールとして活用することで、計画の形骸化を防ぐことができる 実施計画とは 経営革新計画の審査では、「新規性」と「実現可能性」の2点が主要な審査ポイントとして設けられています。 このうち実現可能性とは、計画の内容が自社の経営資源・体制・数値計画の観点から現実的に達成できるものかどうかを問うものです。 いくら新規性のある取り組みを計画していても、「本当に実行できるのか」が伝わらなければ承認には至りません。 この実現可能性を示す核となるのが、実施計画です。実施計画とは、計画期間中にどのような取り組みをいつ・どのように実施するかを記載したものです。 申請段階では計画欄のみの記載が求められ、実績欄は承認後に計画の進捗に応じて埋めていくものです。 つまり実施計画は、申請のための記載内容であると同時に、承認後のPDCA管理ツールとして機能するよう設計されています。 実施項目の抽象度が高い場合やスケジュールが曖昧である場合、実現可能性の観点から計画全体の信頼性が下がります。 逆に言えば、実施計画が具体的で整合性があるほど、審査員にこの会社なら実行できるという印象を与えることができます。 実施計画と数値計画のつながり 実施計画を作成するうえで見落とされやすいのが、数値計画との整合性です。 数値計画では、売上をいくら上げるかといった目標数値を設定します。 しかし、その数値は、「何件営業するか」「いつ設備を導入するか」「どのタイミングで人を採用するか」といった具体的な取り組みと結びついていなければ、審査員には根拠のない数字にしか見えません。 この「目標数値を達成するための具体的な取り組み」を記載するのが実施計画です。 つまり、実施計画と数値計画は、切り離された別々の内容ではなく、「何をやるか(実施計画)→だからこの数字になる(数値計画)」という一体の関係にあります。 実施計画を作成する際は、「この実施項目が実現すれば、数値目標のどの部分にどれだけ影響するか」を意識しながら記載することが重要です。 実施計画の立て方 実施計画を作成するうえで、押さえておくべき4つのポイントがあります。 ① 実施項目の構造化 実施項目は「1-1、1-2、2-1、2-2」のように番号で関連付けて記載します。 大項目の下に小項目を置くことで、取り組みの全体像と優先順位が見えやすくなります。 番号で構造化することは、単に見やすさのためだけではありません。大項目と小項目の関連性を示すことで、「何のためにこの取り組みをするのか」という目的と手段のつながりが審査員に伝わります。 ② 取り組み内容の具体化 実施項目欄には、「新規営業体制の構築」のように簡潔に記載し、詳細欄で「担当者・アプローチ件数・開始時期」など具体的な内容を補足します。 項目欄は短く、詳細欄で肉付けするというイメージで書くことで、審査員に実行のイメージが伝わりやすくなります。 ③ 評価基準と確認頻度の設定 取り組みの進捗をどう測るか、どのくらいの頻度で確認するかを設定します。 定量化できるものは数値で基準を設定することが望ましく(例:新規顧客からの月次受注件数)、難しいものは定性基準で補います。 評価基準が曖昧だと、進捗を確認する際に「達成したのかどうか」の判断ができず、PDCAが機能しません。 評価頻度は毎週・毎月・四半期などから実態に合わせて設定します。 ④ 実施時期の設定 それぞれの取り組みをいつ開始するかを4半期単位で記載します。 「1-1」は1年目の第1四半期、「2-4」は2年目の第4四半期を意味します。全ての実施項目に時期を割り当てることで、計画全体のスケジュール感が伝わります。 実施時期を段階的に設定することで、取り組みの順序と優先度が明確になり、数値計画との整合性も取りやすくなります。 承認後の運用のコツ 実施計画は承認を得るためだけの内容ではありません。 承認後に計画を機能させるPDCAツールとして活用することが、経営革新計画本来の趣旨です。 計画を機能させるために特に重要な3つのポイントがあります。 ポイント① 計画を全員のものにする 計画は経営者の頭の中だけに存在するものであってはいけません。 実施計画に記載した実施項目・担当者・期日を社員一人ひとりが理解している状態を作ることが第一歩です。 全社朝礼・部門会議・個人目標への落とし込みなど、自社の文化に合った形で共有の機会を設けてください。 「計画書を配って読んでもらう」だけでなく、質疑応答・意見交換の場を作ることが大切です。 ポイント② 数値目標を定期的に確認する 実施計画の実績欄は「◎(計画通り)、○(ほぼ計画通り)、△(不十分)、×(ほとんど実行できなかった)」の4段階で評価します。 この実績欄を少なくとも四半期に1回は更新し、数値計画と照合することで、計画と現実のズレを早期に把握できます。 問題発見が早まれば、打ち手も多く残っています。 ポイント③ 振り返りと改善をセットにする 進捗を確認するだけでなく、「計画通りでない場合に次に何をするか」をその場で決める習慣をつくることが重要です。 実施状況に応じて取り組みを追加・変更した場合は、対策欄に追加の実施項目を記載します。 毎月・四半期ごとにこのサイクルを社内の定例行事として組み込んでしまうことが、継続のコツです。 「時間があればやる」ではなく、「やる日程を先に決める」という発想が大切です。 まとめ 実施計画は、経営革新計画において「実現可能性」を示す重要な内容です。 丁寧に作り込むことで審査での評価が高まるだけでなく、数値計画との整合性が取れることで計画全体の説得力も増します。 さらに承認後も使い続けることで、経営を動かすPDCAツールとして機能します。 実施項目は構造化して目的と手段のつながりを示し、項目欄は簡潔に、・詳細欄で補足するという形で具体性を持たせてください。 評価基準と実施時期を明確にすることで、数値計画との整合性が自然と取れるようになります。 承認後は実績欄を定期的に更新し、振り返りと改善をセットで回すことが、計画を「引き出しの中の書類」で終わらせないための鍵です。 経営革新計画の申請でお困りの方へ 新経営サービスでは、経営革新計画の策定支援を行っています。「実施計画の書き方がわからない」「承認後の運用に不安がある」という段階からご相談いただけます。 認定支援機関の資格を有する新経営サービスの経営革新計画の策定支援の詳細・進め方は、以下のページでご確認いただけます。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。貴社の状況に合わせて、具体的な進め方をご提案いたします。 無料相談・お問合せはこちら

経営革新計画の申請において、実施計画は後回しになりやすい項目です。 「数値目標さえ書ければよい」「実施計画は形…

経営革新計画の策定ポイント ~審査員が評価する新規性の伝え方~経営革新計画において、新規性は承認を左右する最重要の審査ポイントです。 しかし、「新規性をどう書けばいいかわからない」「何度も修正を求められてなかなか承認に至らない」というケース...
27/05/2026

経営革新計画の策定ポイント ~審査員が評価する新規性の伝え方~

経営革新計画において、新規性は承認を左右する最重要の審査ポイントです。 しかし、「新規性をどう書けばいいかわからない」「何度も修正を求められてなかなか承認に至らない」というケースが少なくありません。 本コラムでは、審査員が実際に見ているポイントを整理したうえで、新規性が正しく評価される書き方を解説します。 本コラムのポイント 経営革新計画の審査において、新規性は計画の根幹をなす要素であり、正しく伝わらない申請書は承認が困難になる 経営革新計画における新規性は、「世界初・業界初」である必要はなく、個々の事業者にとって新たな事業活動であれば認められる 審査員に評価されるためには、新規性を「現状がどうか・何が変わるか・なぜ自社がやるのか」の3要素で言語化することが大切 経営革新計画における新規性とは何か 経営革新計画の審査では、「新規性」と「実現可能性」の2点が主要な審査ポイントとして設けられています。 このうち新規性は、計画の根幹をなす要素です。 実現可能性がどれほど緻密に書かれていても、新規性が不明確であれば「そもそも何に取り組む計画なのか」が審査員に伝わらず、承認には至りません。 まず新規性をしっかり説明できることが、審査を通過するための条件です。 さらに新規性を理解するためには、経営革新計画の制度上の要件である「新事業活動とは何か」を押さえておく必要があります。 新事業活動とは 経営革新計画では、次の5つの取り組みを指します。 新商品の開発又は生産 新役務の開発又は提供 商品の新たな生産又は販売の方式の導入 役務の新たな提供の方式の導入 技術に関する研究開発及びその成果の利用その他の新たな事業活動 新規性とは何か 新事業活動の要件を満たしたうえで、審査員が評価するのが「新規性」です。 新規性とは、「個々の中小企業者にとって新たな事業活動であれば、既に他社において採用されている技術・方式を活用する場合でも原則として承認の対象となる」と定義されています。 つまり新事業活動は「何をやるか」の要件であり、新規性は「それが自社にとって新しいか」という審査上の評価軸です。 新規性が伝わる計画書の3つの要素 新規性が伝わる計画書には、共通して3つの要素が揃っています。 ① 現状がどうか 計画書の中で自社の現状が整理されていないと、「何がどう変わるのか」を審査員が判断できません。 現在どのような事業を、どのような顧客に、どのような価値を提供しているのかを示すことが重要です。 現状を正確に整理することで、次に示す「変化」が際立ちます。 ② 何が変わるか 新規性の核心は「変化」にあります。現状から、何がどう変わるのかを具体的に示すことが最も重要です。 「強化します」「拡充します」という表現は変化を示しているようで、実際には既存事業の継続にしか見えません。 「これまでは〇〇だったが、今後は△△に取り組む」という形で現状からの変化を明確にすることが大切です。 ③ なぜ自社がやるか 変化の内容を示すだけでは、「なぜこの会社がそれをやるのか」が伝わりません。 自社の強み・蓄積してきた実績・既存の顧客基盤など、その取り組みを自社が行う根拠を添えることで、計画に説得力が生まれます。 この要素がないと、どの会社にでも当てはまる計画書になってしまいます。 この3つが揃うことで、「自社ならではの新しい取り組み」として審査員に伝わる構造になります。逆に言えば、1つでも欠けると新規性の説明として不完全になります。 新規性が伝わる書き方と伝わらない書き方 前述で示した3つの要素を踏まえたうえで、新規性が伝わる書き方と伝わらない書き方の違いを3つのパターンで整理します。\ パターン① 現状がなく変化が伝わらない ✕ 新たにEC販売を開始し、全国の個人顧客へのリーチを図ります。 ◎ これまで地域の代理店経由のみで販売してきたが、今後は自社ECサイトを開設し直販モデルに転換することで、これまでリーチできていなかった全国の個人顧客への販路を初めて開拓します。 「何をやるか・どこへ向かうか」は書いてあるものの、現状がどうだったかが抜けているため、「自社にとってどれだけ新しいことなのか」が審査員に伝わりません。 現状の定義を冒頭に置くことで、変化の大きさと新規性が際立ちます。 パターン② 何をやるかしか書かれていない ✕ 化粧品の新商品を販売する。 ◎ これまで国内の化粧品を代理店経由で海外へ輸出するBtoCモデルで事業を展開してきた。今後は蓄積してきた販売データをもとに現地ニーズに合った成分・処方を分析し、自社オリジナル商品を開発したうえで、海外の商社・代理店向けに直接販売するBtoBモデルへ転換する。 「化粧品の新商品を販売する」という書き方は、何をやるかは伝わっても、現状からどう変わるのかが伝わりません。 取り組みの内容だけでは新規性として成立せず、現状との変化を示すことではじめて審査員に伝わります。 パターン③ 主語がどの会社にでも当てはまる ✕ 海外市場でのニーズが高まっているため、新たな化粧品の販売を開始します。 ◎ 創業以来15年間、国内化粧品メーカーの海外販路開拓を専門に手がけてきた実績を活かし、これまで取引のなかった東南アジアの商社・代理店との新たなネットワーク構築に取り組みます。 「海外市場のニーズが高まっている」という理由が、どの会社でも使える表現になっています。 自社の歴史・実績・専門性を根拠に置くことで、「この会社だからこそできる取り組み」として伝わります。 3つのパターンに共通しているのは、「現状・変化・なぜ自社か」のいずれかが欠けているという点です。 どれだけ意欲的な取り組みを計画していても、この3つが揃っていなければ審査員には伝わりません。 まとめ 新規性は、ゼロから生み出すものではありません。既に他社が採用している技術や方式であっても、自社にとって新たな取り組みであれば、原則として承認の対象となります。 自社の現状を起点に、何がどう変わるのか、なぜ自社がそれをやるのかを整理することで、新規性を審査員に正しく伝えることができます。 「新しい取り組みを書いた」と思っていても、現状との変化が明示されていなければ新規性としては伝わりません。 自社の歴史・実績・専門性を根拠に置くことで、審査員が「なぜ自社がやるのか」を理解できる計画書になります。 経営革新計画の申請でお困りの方へ 新経営サービスでは、経営革新計画の策定支援を行っています。「新規性があるかどうかわからない」「どう書けば評価されるかわからない」という段階からご相談いただけます。認定支援機関の資格を有する新経営サービスの経営革新計画の策定支援の詳細・進め方は、以下のページでご確認いただけます。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。貴社の状況に合わせて、具体的な進め方をご提案いたします。 無料相談・お問合せはこちら

経営革新計画において、新規性は承認を左右する最重要の審査ポイントです。 しかし、「新規性をどう書けばいいかわか…

経営革新計画の申請対象者と要件 ~「うちは対象になるのか」を確認~
26/05/2026

経営革新計画の申請対象者と要件 ~「うちは対象になるのか」を確認~

「経営革新計画は大企業向けではないか」「うちのような小さな会社が対象になるのか」——こうした思い込みから、申請…

経営革新計画と補助金は何が違うのか ~使い分けをわかりやすく解説~新規事業を立ち上げる際、補助金の活用を考える経営者は少なくありません。実際、「この事業に活用できる補助金はないか?」といった相談を頂く機会も多くあります。 しかし、補助金を検...
25/05/2026

経営革新計画と補助金は何が違うのか ~使い分けをわかりやすく解説~

新規事業を立ち上げる際、補助金の活用を考える経営者は少なくありません。実際、「この事業に活用できる補助金はないか?」といった相談を頂く機会も多くあります。 しかし、補助金を検討する前に活用を検討頂きたい制度があります。それが「経営革新計画」です。 補助金は特定の費用を後から補助する制度ですが、経営革新計画は都道府県知事に事業計画の承認を受ける制度で、承認されると金利優遇・信用保証の特例・補助金審査での加点など、複数の支援策に横断的につながります。 本コラムでは、新規事業を考えている経営者に向けて、補助金と経営革新計画の違いと使い分けにおける考え方を解説します。 本コラムのポイント 経営革新計画は「お金がもらえる制度」ではなく、承認を受けることで金利優遇・信用保証・補助金加点など複数の支援策につながる制度である 経営革新計画を先に取得した上で補助金を申請すると、審査での加点につながるケースがあり、採択率の向上が期待できる 新規事業の計画書を作る際は、経営革新計画の申請と並行して進めることで、資金調達の選択肢を一気に広げることができる 経営革新計画とは何か 経営革新計画とは、中小企業等経営強化法に基づき、会社の経営計画書を都道府県知事等に承認してもらう制度です。 承認を受けることで金利の優遇・信用保証の特例・補助金審査での加点など、複数の支援策にアクセスできるようになります。 なお、経営革新計画は以下の申請要件を満たすことが求められます。 補助金のように費用の使途が細かく指定されているわけではなく、「自社にとって新しい取り組み」であれば幅広く対象になるのが特徴です。 申請要件 要件項目 内容 対象企業 中小企業・小規模事業者 (業種ごとに従業員数・資本金の基準あり) 新事業活動 ①新商品の開発または生産 ②新役務の開発または提供 ③商品の新たな生産・販売方式の導入 ④役務の新たな提供方式の導入 ⑤技術に関する研究開発およびその成果の利用 計画期間 3年~5年 数値目標 付加価値額(または1人当たり付加価値額)の伸び率 ―3年計画9%以上、5年計画15%以上 給与支給総額の伸び率 ―3年計画4.5%以上、5年計画7.5%以上 申請先 本社所在地の都道府県担当窓口(中小企業支援課等) ポイントは、「新事業活動」の解釈です。他社がすでに行っている取り組みであっても、自社にとって新しいものであれば原則として対象になります。つまり、「まったく世の中にない新しいこと」でなくても申請できます。 補助金とは何か 補助金はよく耳にする言葉ですが、意外と「仕組みの全体像」が把握できていないケースが少なくありません。 補助金は「先に支払い、後から一部が戻ってくる」という仕組みを持つ制度で、具体的には設備投資・販路開拓・IT導入など、特定の用途にかかった費用の一部を後払いで補助する制度です。 代表的な補助金 ものづくり補助金:設備投資・システム構築など(製造業に限らず幅広い業種が対象) 中小企業省力化投資補助金:IoT・ロボット等による省力化・人手不足対応向け デジタル化・AI導入補助金:業務のデジタル化やインボイス制度対応のためにITツールを導入する事業者向け(旧IT導入補助金) 小規模事業者持続化補助金:販路開拓・マーケティングなど 補助金を検討するときに押さえておきたいのが、「採択される保証はない」という点です。 公募に申し込み、審査を通過して初めて交付が決まります。また採択後も実績報告・完了検査があり、すべての手続きが完結して初めて入金されます。 つまり補助金は、「申請すれば必ずもらえる」ものではありません。 不採択になるリスクを前提に、他の資金調達手段とあわせて考えることが重要です。 経営革新計画と補助金の違い 先述した経営革新計画と補助金の違いについて、下表で整理をしています。 どちらを選ぶか、あるいは組み合わせるかを考えるための判断材料として活用してください。 特に「お金の流れ」と「効果の持続性」の違いを押さえると、使い分けの判断がしやすくなります。...

新規事業を立ち上げる際、補助金の活用を考える経営者は少なくありません。実際、「この事業に活用できる補助金はない…

なぜ経営革新計画は形骸化するのか ~承認後に計画を機能させる方法~「経営革新計画の承認を得たものの、『承認された』という達成感から肝心のPDCAが回らず、計画自体は絵に描いた餅になっている」というケースが少なくありません。 本コラムでは、経...
22/05/2026

なぜ経営革新計画は形骸化するのか ~承認後に計画を機能させる方法~

「経営革新計画の承認を得たものの、『承認された』という達成感から肝心のPDCAが回らず、計画自体は絵に描いた餅になっている」というケースが少なくありません。 本コラムでは、経営革新計画が形骸化してしまう原因を整理したうえで、承認後に計画を本当に機能させるための具体的な方法を解説します。 すでに承認を取得している方はもちろん、これから申請を検討している方にもおススメのコラムです。 このコラムのポイント 経営革新計画が形骸化する最大の原因は「承認がゴール」になってしまうことにある 形骸化には5つの典型パターンがあり、多くの企業がそのうち複数に当てはまる 計画を機能させるには、社内共有・数値管理・定期的な振り返りの3つが鍵になる 形骸化に気づいたときでも、計画期間中であれば立て直しは十分に可能である 経営革新計画の承認はゴールではなくスタート 経営革新計画が形骸化している企業では、よく以下のようなことが起きます。 下記のうち、1つでも思い当たる点があれば、計画が形骸化しているサインです。 承認書や計画書がどこにあるか、すぐに出てこない 計画書に書いた数値目標(付加価値額・給与支給総額)を今すぐ言えない 社員に「うちの経営革新計画って何?」と聞かれたら答えに詰まる 計画に書いた新規事業の取り組みが、気づけば止まっている 経営革新計画の形骸化による損失は、承認取得にかけた書類準備・数値計算・面談などの労力や時間が無駄になるだけではありません。 本来であれば使えるはずだった金利優遇・信用保証の特例・補助金審査での加点といった支援策の機会も、そのまま失い続けていることになります。 経営革新計画の本来の価値は、取得することではなく「使い続けること」にあります。 つまり、承認はゴールではなく、経営改善を図るためのスタートラインなのです。 経営革新計画が形骸化してしまう5つの典型パターン パターン よくある状況 本来あるべき姿 ① 提出して終わり 承認後、計画書を引き出しにしまったまま。PDCAのPだけで止まっている。 承認後も定期的に計画書を見返し、進捗を確認する機会を設ける。 ② 現場に伝わっていない 経営者だけが知っている計画。社員は何も知らず、日常業務が変わらない。 計画の内容・目標・役割分担を社内で共有し、全員が当事者意識を持つ。 ③ 数値目標を忘れている 付加価値額・給与支給総額の目標数値を覚えていない。計画書を見ないと出てこない。 目標数値を経営の羅針盤として活用し、四半期ごとに実績と照合する。 ④ 外部環境の変化を無視している 申請時の市場環境・前提条件が変わっても、計画書を修正せずそのまま放置。 環境変化に応じて計画を柔軟に見直し、必要であれば変更申請を行う。 ⑤ フォローアップ調査を形式的にこなしている 都道府県からのフォローアップ調査に最低限の回答だけして終わり。改善につなげていない。 調査を自社の振り返りの機会として活用し、課題を洗い出して次の行動につなげる。 なぜ形骸化が起きるのか——根本的な原因 経営革新計画の形骸化における典型パターンをご紹介しましたが、実はその背景や原因は大きく3つに分類できます。 原因① 「承認取得」がゴールになっている 経営革新計画の申請は、書類の準備・数値計算・面談など、かなりの労力がかかります。 そのため、承認が下りた瞬間に「やり切った」という達成感が生まれ、そこで止まってしまうことがあります。 しかし、承認はあくまで「この計画で進める準備ができた」という確認に過ぎません。本来の経営改善はここから始まります。 原因② 計画と日常業務がつながっていない 申請時に作った計画書が、日々の業務とまったく別の次元で存在しているケースがあります。 計画書に書いた取り組みが現場の仕事に落とし込まれておらず、「計画は計画、仕事は仕事」になってしまっている状態です。 これは特に、計画策定を経営者や一部の担当者だけで進めた場合に起きやすい問題です。現場が最初から計画に関わっていないため、当事者意識が生まれません。 原因③ 進捗を確認する仕組みがない PDCAのうちCとAが機能していないケースです。 計画(P)を作り、動き(D)はしているものの、それが計画通りかどうかを確認(C)する機会がなければ、当然ながら改善(A)を図ることはできません。 これは、数値目標の達成状況を確認する定例会議がない、あるいは担当者が決まっていない、といった「仕組みの不在」が根本原因になっています。...

「経営革新計画の承認を得たものの、『承認された』という達成感から肝心のPDCAが回らず、計画自体は絵に描いた餅…

中小企業が事業計画書で損をしている理由 ~経営の武器になる計画書の作り方~「補助金の申請書を一生懸命作ったが、不採択だった」「融資の面談に計画書を持参したが、担当者の反応は変わらなかった」——このような経験をしたことはないでしょうか。 こう...
21/05/2026

中小企業が事業計画書で損をしている理由 ~経営の武器になる計画書の作り方~

「補助金の申請書を一生懸命作ったが、不採択だった」「融資の面談に計画書を持参したが、担当者の反応は変わらなかった」——このような経験をしたことはないでしょうか。 こうした結果に直面したとき、多くの経営者は「計画書の質が低かったのかもしれない」と考えます。しかし実際には、「計画書の質」よりも「計画書の位置づけ」に問題があるケースが多いです。 本コラムでは、計画書が結果につながらない本当の理由と、計画書を経営の武器に変えるための具体的な方法を解説します。 本コラムのポイント 計画書が結果につながらない原因は「計画書の質」ではなく「計画書の位置づけ」にあることが多い 「申請のために作る計画書」と「承認を得て経営の根拠にする計画書」では、使える支援策の幅が根本的に違う 経営革新計画は計画書を「申請書類」から「経営の武器」に変える3つの条件を満たす制度である 計画書を作っても結果につながらない3つのパターン 計画書を作っても思ったような結果が出ない——その背景には、下記のような共通したパターンがあります。 補助金の申請のたびに計画書をゼロから作り直しており、採択されてもその計画書が次に活かされていない 融資の面談に計画書を持参したが、金融機関の担当者の反応は以前と変わらなかった 計画書を作ったものの社内で共有されておらず、経営判断や日常業務に使われていない ひとつでも当てはまれば、計画書が「その場限りのもの」になっているサインです。 共通しているのは、計画書が「特定の申請や用途」のためだけに作られており、それが終わると役割を失っている点です。 これが「計画書で損をしている」状態の正体です。 なぜ計画書が「その場限り」になるのか? 計画書がその場限りになる根本的な原因は、「申請のために作る」という目的設定にあります。 補助金の採択・融資の獲得を目的に計画書を作ると、その目的が達成された(あるいは不採択で終わった)時点で計画書の役割が終わります。 作った瞬間に価値が止まる計画書は、どれだけ質が高くても経営に貢献しません。 もうひとつの原因は、「第三者の承認がない」ことです。自社で作った計画書は自己申告の域を出ません。 金融機関の担当者も、取引先も、社員も、その計画書を「会社が自分で書いたもの」として受け取ります。 どれだけ丁寧に作った計画書でも、客観的な根拠としての説得力は限界があります。「誰かが審査して認めた」という事実がなければ、計画書は信頼の根拠にはなりにくいのです。 では、結果につながる計画書とはどのようなものでしょうか。 結果につながる計画書の3つの条件 計画書が経営の武器として機能するためには、3つの条件があります。 条件① 第三者(行政)の承認がある 自社で作った計画書と、都道府県知事が審査・承認した計画書では、相手の受け取り方が根本的に違います。 「行政が認めた事業計画がある」という事実は、金融機関・取引先・社員に対して客観的な信頼の根拠になります。 条件② 複数の支援策に横断的につながる 特定の補助金申請のためだけに作った計画書は、その補助金の採否で役割が終わります。 一方、複数の支援策(融資優遇・信用保証・補助金加点)に横断的につながる計画書は、一度作ることで継続的に活用できます。 条件③ 経営者自身が内容を語れる 計画書の内容を経営者が自分の言葉で語れるかどうかが、金融機関・社員との対話の質を決めます。 「担当者が作った計画書」を経営者が読み上げるだけでは、相手の心は動きません。 この3つの条件を満たす計画書の仕組みが、経営革新計画です。 比較項目 その場限りの計画書 結果につながる計画書 作る目的 補助金申請・融資面談など特定の用途のために作る 経営の方向性を整理し、複数の場面で使い続けるために作る 第三者の承認 自己申告の域を出ず、客観的な根拠として弱い 都道府県知事の承認を受けており、対外的な信頼の根拠になる 使える支援策 その申請・用途のみで完結する 融資優遇・信用保証・補助金加点など複数の支援策に横断的につながる 承認・採択後 目的を果たしたら引き出しにしまわれる 経営の羅針盤として使い続け、金融機関・社員との対話にも活用できる 経営革新計画とは何か・どう活用するか? 経営革新計画は、中小企業等経営強化法に基づき、都道府県知事等の承認を受ける事業計画です。「会社の経営計画書を都道府県に承認してもらう制度」と言い換えることができます。 承認を受けることで、融資優遇・信用保証の特例・補助金審査での加点など、複数の支援策に横断的につながります。 一度承認を得ることで、計画書が複数の場面で使い続けられる「経営の武器」になります。 申請要件...

「補助金の申請書を一生懸命作ったが、不採択だった」「融資の面談に計画書を持参したが、担当者の反応は変わらなかっ…

経営革新計画の策定ポイント ~SWOT分析×競合分析の使い方~経営革新計画の承認が得られない原因の1つに、自社の客観的な強みが明確化されていないことが挙げられます。それは、強みの分析によく用いられるSWOT分析だけでは主観に過ぎず、審査員に...
20/05/2026

経営革新計画の策定ポイント ~SWOT分析×競合分析の使い方~

経営革新計画の承認が得られない原因の1つに、自社の客観的な強みが明確化されていないことが挙げられます。それは、強みの分析によく用いられるSWOT分析だけでは主観に過ぎず、審査員にとっては説得力が弱いためです。 本コラムでは、経営革新計画における説得力を向上させるための自社の強みの策定方法について、弊社支援事例を交えながら解説します。 本コラムのポイント SWOT分析だけで書いた強みは「自社の主観」に過ぎず、審査員にとっては説得力が弱い 強みは競合他社と比較しながら、相対的な優位性を示すことが重要である SWOT×競合分析の2ステップで「市場の中での自社の勝ち筋」が言語化でき、新規性の根拠に直結する 「強みが弱い計画書」に共通するパターン 計画書の強みが弱くなる背景には、いくつかの共通したパターンがあります。 よく見られるのは以下のような書き方です。 「開発に強い」「営業が得意」という抽象的な記述で終わっている 強みの根拠が「社員の経験年数」「顧客満足度が高い」など、内部視点の説明だけになっている 強みと新規事業のつながりが説明されておらず、「なぜこの事業に取り組むのか」が伝わらない これらに共通しているのは、競合他社との比較がないことです。自社の内側だけを見て書かれた強みは、審査員にとっては「具体的にどう強いのかわからない」という印象になります。 計画書を読む審査員は、「この会社が市場でどう勝てるのか」という視点で見ています。 その問いに答えられない計画書は、どれだけ丁寧に書いても弱いままです。 SWOT分析だけでは強みが「主観」になる SWOT分析は、自社の強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats)を整理するフレームワークです。 経営状況を俯瞰するための優れたツールであり、計画書作成においても欠かせないプロセスです。 経営革新計画の計画書作成でも、まず以下のようなSWOT分析表を使って自社を整理することから始めます。 下表は、国内向けヘアケア商品の自社ブランド開発に取り組んだ支援先の事例をベースにしています。 強み(Strengths) 内部要因・プラス 弱み(Weaknesses) 内部要因・マイナス ・国内ドラッグストア・美容室への販路 ・OEM製造先との長期取引実績 ・成分・処方の知識・ノウハウ ・小ロット・短納期の製品開発体制 ・自社ブランドの認知度がゼロ ・マーケティング・広告予算の不足 ・大手と比べた製造コストの高さ ・資金力の限界 機会(Opportunities) 外部要因・プラス 脅威(Threats)   外部要因・マイナス ・成分・原料へのこだわり需要の高まり ・サロン専売品への関心の高まり ・SNS・D2Cチャネルの拡大 ・ナチュラル・無添加成分への注目 ・大手ブランド・ドラッグストアPBの価格競争 ・大手による類似商品の展開リスク ・原材料費の高騰 ・法規制対応コスト しかし、このSWOT分析だけで計画書の「強み」を書くと、次のような問いには答えられません。 「国内の美容室・ドラッグストアへの販路がある」→ 競合も同じ販路を持っているのでは? 「成分・処方の知識がある」→ それが商品の差別化にどうつながるのか 「成分・処方にこだわっている」→ 競合の同業者も同じことをアピールしているのでは? SWOT分析は「自社の棚卸し」には有効ですが、「なぜ市場で勝てるのか」という問いには答えられません。その答えを作るのが、競合他社分析です。 競合他社分析で「相対的な強み」を可視化する 競合他社分析とは、自社と同じ市場・顧客層で競合する企業を調べ、自社との違いを明らかにする作業です。 先述のヘアケア事業者では、大手ブランド・同規模事業者と自社を比較するため、以下の比較表を作成しました。 なお、比較表を作成する際は、下表の通り◎・〇・△・×の記号を使い視覚的に分かりやすく表記することで、文章だけの説明より説得力が増します。...

経営革新計画の承認が得られない原因の1つに、自社の客観的な強みが明確化されていないことが挙げられます。それは、…

事業承継直後の経営者が金融機関と対等に話すには?
19/05/2026

事業承継直後の経営者が金融機関と対等に話すには?

「先代と同じように付き合ってもらえるだろうか」「実績がない状態で融資を頼みにくい」——事業を引き継いだ直後、金…

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