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県障がい差別解消条例、10月施行 相談や紛争防止、体制を整備 西日本新聞にこのような記事がありました。障害者への不当な差別的取り扱いを禁じる「県障がい差別解消推進条例」が10月1日に施行される。県議会2月定例会で制定され、県は4月から広報紙...
10/05/2017

県障がい差別解消条例、10月施行 相談や紛争防止、体制を整備

西日本新聞にこのような記事がありました。

障害者への不当な差別的取り扱いを禁じる「県障がい差別解消推進条例」が10月1日に施行される。県議会2月定例会で制定され、県は4月から広報紙などで県民への啓発を図っている。県によると、同様の条例は全国22道府県で制定され(2016年4月時点)、九州では福岡と佐賀が未整備だった。ただ制定を求めてきた障害者団体からは、条例制定を一歩前進と受け止める声とともに「具体的内容が乏しく、制定までの手続きも拙速だった」との不満も漏れている。

 条例は第1条で「誤解、偏見、社会的障壁の存在により、障がいのある人の自立、社会参加がいまだ妨げられている」と現状を指摘。差別解消推進に向け、この条例で基本理念を定めるとしている。県の責務や事業者、県民の役割を明示し、差別に関する相談への対応や紛争防止のための体制、啓発の基本方針なども明記している。さらに第8条1項では「何人も、障がいのある人に対し、あらゆる分野において、不当な差別的取り扱いを行ってはならない」と規定している。

 ■「他県より後退」

 ただ、「県障害者権利条例を創(つく)る会」の藤田幸廣世話人代表は、第8条2項の「社会的障壁の除去に『可能な限り』努めなければならない」との表現を問題視する。「可能な限りでは、場合によっては差別をなくさなくてもいいと言ってるのと同じだ」と非難。他県の条例では「客観的に正当かつやむを得ないと認められる特別な事情を除き」(長崎県)といった文言になっており、福岡は後退している印象という。

 県が条例作りに着手したのは、昨年4月の障害者差別解消法施行を受けてからだった。障害者団体から聞き取りをして同12月に条例の素案を公表。パブリックコメント(意見公募)と県内4カ所での県民意見聴取会を行った。同会は、この制定過程にも不満を漏らす。他県では障害者との協議を1年以上かけているのに対して「あまりに短時間で制定された」と批判する。県民意見聴取会でも「10月施行は拙速ではないか、もう少し真剣に県民の意見を聞いてほしい」との声が出ていたという。

 ■「聞き取り急ぐ」

 「条例ができたのはうれしい」。県精神障害者福祉会連合会の一木猛会長は、条例制定を評価する。ただ「差別をなくすために、事業者や県民が具体的にどうしたらいいのか分からないのでは」と、啓発が重要だと訴える。

 県は、障害者配慮の具体例を挙げ、条例を県内に浸透させようと、医療や福祉サービスなど10分野ごとのガイドラインの作成を進めている。しかし作業は遅れているという。一木会長は「施行時に条例をきちんとスタートさせるためにも、啓発期間に入る4月までに作成すべきだった」と苦言を呈す。

 こうした声に対し県障がい福祉課は「条例には見直し規定があり、作って終わりとは考えていない」と説明。今後、障害者などからの意見の聞き取りを急ぎ「ガイドライン作りなどに反映させたい」としている。

各地でこのような条例が作られている状況ですが、具体的に
どうしたらいいのか?という声が多く、実際に威力を発揮するのは
しばらく先になりそうです。

11/04/2017

誰に対しても当てはまる! 札幌市の発達障害「虎の巻」が話題に

ウニュニュースにこのような記事がありました。

【ネットの話題、ファクトチェック】

 「期限は正確に」「しっかり優先順位を」――。発達障害のある人たちが一緒に働く職場で、お互いが心がけるべきポイントをイラストで解説した冊子が、ネット上で注目を集めています。「誰に対しても当てはまる」といった声も上がってるこの冊子について、発行元の札幌市に聞きました。

発達障害とは

 発達障害は、生まれながらの脳の機能障害が原因とされています。意思疎通が苦手な自閉症などの「広汎性発達障害」、読み書きなど特定の事柄に困難を抱える「学習障害(LD)」、落ち着きがないといった特徴を持つ「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」などの総称です。

 札幌市の障がい福祉課が発行している「虎の巻シリーズ」。わかりづらいといわれる発達障害の特性や、家族や周りの人たちとの間で起こりがちな思いの違いや対応法などを、イラストを用いて伝えた冊子です。

 平成22年3月に職場編が発行され、その後、学校編や子育て編なども出て計5冊に。札幌市のホームページでも見ることができます。

パン作りを例に

 職場編では、虎夫さんのパン作りの例を紹介。先輩から「適当にクリーム塗っといて」と指示されて作業したところ、塗りすぎて注意を受けてしまいます。

 「クリームをあんなに塗るなんて『普通に考えて』ありえない」という先輩と、「『どれくらい』塗るかおしえてくれなかったのに」と感じている虎夫さん。

 その後、先輩が手本を見せながら作ることに。先輩が作業しながら「こうやって塗ってください」と伝えると、虎夫さんは正確かつきれいに塗れるようになり、褒められるという内容です。

 他にも「手順が決まれば効率アップ」「期限がわかれば集中力倍増」「聞く人決まれば迷わない」といった例が掲載されています。

 「世界自閉症啓発デー」の今月2日、この内容がツイッターで紹介されると拡散。「発達障害に優しい対応はみんなに優しいと思う」といった「誰に対しても当てはまる」との声が多く上がり、リツイートは3万9千を超えています。

心がけた点は

 この冊子について、障がい福祉課の担当者はこう説明します。

 「凸凹のへこんでいるところばかりを強調すると、悪い方に理解されてしまいます。いい方を活かせれば、お互いにとってこんな結果が生まれるんだということが伝わるように心がけました」

 当事者と周囲の考え方のギャップを描くことで、両方の立場から考えることができるような構成に。ただし、紹介した事例はあくまで一例。すべてのケースに当てはまるわけではなく、「考えるきっかけとして参考にしてほしい」とのこと。

 ネットで話題になったことについては、「驚いていますが、全国的に広がることで、市民の方々の理解も深まれば」と期待をかけます。

 今後については、「職場編からどんどん年齢をさかのぼりながら、子育て編まできて一区切りしたところ。新しいテーマがあれば検討したいです」と話しています。

 ◇ ◇ ◇

 冊子は市民以外には配布していないそうですので、欲しい方は札幌市のホームページからPDF形式でダウンロードできます。

内容を見て見ましたが、これは素晴らしい!!
発達障害だけでなく、他の障害でも同じように使える内容にも
なっているので、障害について見たい人にはわかりやすい内容です。

65歳問題 高齢障害者に 「障害福祉」が「介護保険」へ 負担増や内容変更の影響も・・・西日本新聞に気になる記事がありました。●それぞれの特性理解したサービスを 障害福祉サービスを受けている障害者は原則、65歳になると介護保険サービスに移行し...
30/03/2017

65歳問題 高齢障害者に 「障害福祉」が「介護保険」へ 負担増や内容変更の影響も・・・

西日本新聞に気になる記事がありました。

●それぞれの特性理解したサービスを

 障害福祉サービスを受けている障害者は原則、65歳になると介護保険サービスに移行しなければならない。このため、65歳を境に自己負担が増えたり、サービス内容が変わって生活に影響が出たりする「65歳問題」が生じている。折しも、高齢者と障害者を分けずに支える仕組みとして「共生型サービス」の創設が議論されている。高齢者と障害者への福祉サービスは両立できるのか、65歳問題を通して考えてみた。

 「入浴自体が苦痛でならず、過度な緊張で疲労やいらいら、不眠などが続いている」。福岡市早良区の石松周(ちかし)さん(67)は65歳になった2014年8月、それまで障害者総合支援法に基づいて受けていた入浴介助が介護保険サービスとなった。石松さんは脳性まひによる全身性障害がある。障害程度区分6、介護保険の要介護5でいずれも最重度だ。

 障害者総合支援法は介護保険に同様のサービスがあれば、介護保険を優先させるよう規定。ただし、不足分は自治体の判断で障害福祉サービスを上乗せできる。

 石松さんには、月1万2千円の介護保険の自己負担が生じた。障害福祉の訪問介護サービスを受けていたころは、専門知識を持った同じヘルパーが来てくれていたが、介護保険になるとヘルパーが頻繁に変わり、介助方法もその都度異なるため、ストレスや体の異変を感じるようになったという。65歳以前のサービスに戻すよう、市に申請したが、却下。現在、県に不服審査請求中だ。

 障害者の生活と権利を守る福岡県連絡協議会会長でもある石松さんは「そもそも介護保険と障害福祉は目的が異なり、介護職が両方の専門性を身に付けることは難しい」と訴える。

 同県田川市で障害福祉事業所などを展開する「つくしの里」も、障害者と高齢者の制度のはざまで苦慮している。

 事業所に約15年通い、系列のグループホームで暮らしていた知的障害のある女性(67)が昨秋、脳出血で倒れ、半身まひが残って要介護3と認定された。3月初めに退院後、介護保険施設の特別養護老人ホームに入所。グループホームは車椅子に対応できず苦渋の選択だった。女性は「つくしの里に行きたい」と繰り返しているが、介護保険施設から障害福祉事業所に通えるかどうかは不透明だ。

 野上芳江施設長(52)は「知的障害がある人は自分の思いを伝えられない。長年向き合っていれば伝わることもあるが、知らない人ばかりの環境になじめるか、他の入所者にどう受け入れられるか」と心配する。

 同事業所では、1人暮らしの脳性まひの女性(69)が65歳を機に介護保険優先となり、生活支援が大幅に減った。市との交渉で障害福祉サービスが上乗せされたものの、65歳以前に比べ、入浴回数や買い物時間が減るなど我慢を強いられている。

 野上さんは「65歳以上の障害者が増えると、自治体が財政難を理由に上乗せを渋るのではないか」とも不安がる。

 65歳問題の救済策として、低所得者に限り、障害福祉から介護保険への移行で生じる自己負担をゼロとする改正障害者総合支援法が18年4月に施行される。

 さらに、介護保険、障害福祉どちらかの指定を受けた事業所が、高齢者・障害者双方にサービスを提供できるようにする介護保険関連法改正案が今国会に提出されている。成立すれば、障害者と高齢者の訪問・通所介護などを一つの拠点で提供する「共生型サービス」が実現する。

 ただ、石松さんは「社会保障費削減や介護人材不足の解消が目的だとすれば、共生社会という名を借りて障害者の人権を侵害することになる」と反発。北九州市立大の小賀久教授(障害者福祉論)は「縦割りサービスを解消し、本来の意味での共生が実現するならよいが、各制度のほころびを縫い合わせるだけの内容や運用では課題が残る」と指摘している。

障害者が65歳になった時に一般の介護施設と障害者施設が統合された施設があればいいのではないかと思っていましたが、障害者の人権を侵害することになるのであれば、上記のように問題になる可能性が高いです。

高齢者・障害者双方のサービスのあり方はどのようにしたらいいのかもっとよく話し合う必要があるのではないでしょうか。

「放課後デイ」京都で急増 開設容易、サービスの質が課題印刷用画面を開く京都新聞にこのような記事がありました。元美術教員らの指導を受けて、絵を描いたり造形物を作ったりして、子どもたちが過ごす放課後デイサービス。療育の場として活用される一方、サ...
20/03/2017

「放課後デイ」京都で急増 開設容易、サービスの質が課題印刷用画面を開く

京都新聞にこのような記事がありました。

元美術教員らの指導を受けて、絵を描いたり造形物を作ったりして、子どもたちが過ごす放課後デイサービス。療育の場として活用される一方、サービスの質を問われている施設もある(京都市中京区・パンダアカデミーきょうと)
元美術教員らの指導を受けて、絵を描いたり造形物を作ったりして、子どもたちが過ごす放課後デイサービス。療育の場として活用される一方、サービスの質を問われている施設もある(京都市中京区・パンダアカデミーきょうと)
 障害のある子どもが放課後や長期休暇に通う「放課後デイサービス」を実施する施設が、京都府内で急増している。学童保育が利用しづらい子どもの居場所としてニーズが高まっていることが背景にある。ただ、開設が比較的容易にできるため、他業種からの参入も相次ぎ、サービスの質が全国的な課題となっている。京都市を含め指定を取り消される事業所もあり、国は、運営条件の見直しに乗り出した。

 「新聞紙を丸めてリンゴを作りましょう。貼る色紙は赤にこだわらなくてもいいからね」。京都市中京区の放課後デイ「パンダアカデミーきょうと」は昨秋に開設した。元美術教員らが指導し、子どもたちは毎日、宿題をした後、絵を描いたり造形物を作ったりして過ごす。

 臨床美術士の半田育子さん(46)は、園児や認知症の高齢者らに美術を通じて集中力、生きる意欲を養う活動を約10年間続けてきた。その経験を、障害がある子どもたちの療育に役立てたいと放課後デイを始めたという。

 高次脳機能障害がある小学6年生の長男(12)を通わせている母親(48)=左京区=は「言葉でコミュニケーションがとりにくい傾向にあったが、ここで学び交流して言葉が出てくるようになった。表情も明るくなった」と話す。

 放課後デイは障害のある子どもが自立の力を付ける場として2012年に制度化された。自治体が発行するサービスの受給者証があれば、利用料の大半は公的に負担される。

 施設設置や職員の配置基準が緩く、利用者数が確保できれば安定収入が得られるため、営利目的の開設も相次ぐ。府内の事業所数は、12年4月は30カ所だったが、17年1月では175カ所と急増。ネット上には「異業種参入可能」と呼びかけたり、開設セミナーを案内するホームページや「無資格OK」との記載が並ぶ求人サイトがある。

 母親の長男は以前、試しに通わせた事業所で、転んで口が膨れるけがをしたのに手当てされないままだった経験があるという。母親は「障害のせいで感情をうまく表現できないため、放っておいてもいいと判断したのだろうか。信じられなかった」と憤る。

 重度の障害がある次女(10)を持つ女性(49)=伏見区=も、説明の際「他の子どもに迷惑かける子は受け入れられない」と言われたという。女性は「障害のために物を壊してしまったりすることもある。面倒を見やすい子どもだけ預かりたいという姿勢で、子どもをお金として見ていると感じた」と不信を募らせた。

 全国的にも、ケアをほとんどせずテレビを見せるだけなど不適切な事例が指摘されている。事業所指定が取り消されるケースもあり、京都市内でも15年10月、不正受給で1事業所が処分された。

 こうした声を受け、厚生労働省は今年1月、運営条件の厳格化に向けた検討を始めた。今後は、福祉の資格のある指導員や保育士、障害福祉経験者の配置などを求めていくという。

 京都市身体障害児者父母の会連合会の渡辺登志子会長は「成長期にある子どもが通うため、療育の意識が欠かせない。一人一人の個性に合わせられる事業所が増えてほしい」としている。

介護の人材も足りない状況ですが、福祉の人材も足りない状況でも
頑張っている施設もありますが、少しでも多くの資格を持った保育士や障害福祉の経験者があるといいですね。

日本財団電話リレーサービス・モデルプロジェクトとは?オペレーターが通訳として聞こえる人と聞こえない人とを電話でつなぐサービスを日本中に普及させるプロジェクトです。電話リレーサービスとは・・・?病院の予約をする、宅配の再配達を依頼する、メーカ...
16/03/2017

日本財団電話リレーサービス・モデルプロジェクトとは?

オペレーターが通訳として聞こえる人と聞こえない人とを電話でつなぐサービスを日本中に普及させるプロジェクトです。

電話リレーサービスとは・・・?
病院の予約をする、宅配の再配達を依頼する、メーカーに問い合わせをする、出前を取る等、聴覚障がい者が電話をかけたい時にテレビ電話や文字チャットで通訳オペレーターにアクセスして頂き、電話通訳を行うサービスです。

聴覚障がい者など、音声により電話が利用出来ない方に電話へのアクセスを保障する電話リレーサービスは世界20カ国以上で公的サービスとして普及・定着しています。
一方、日本ではプラスヴォイスを含むいくつかの企業が電話リレーサービスを提供して来ましたが、いまだ利用者は一部の方に限られていました。

10年前からあったのですが、ほとんどと言っていいほど、知られていませんでした。
また、有料で専用の機器が必要という状態だったのも拍車をかけていました。

しかし、スマホなど最新の技術の進歩で、誰でも簡単にできるようになり5年前ほどから行われていましたが、なかなか知られていませんでした。

3年ほど前から、電話リレーサービスのモデルプロジェクトがでて
ろう者が使うようになってから、少しずつ知られてきました。

私も使っていますがとても便利です!!

ろう者には電話で音声による通話しかできないと思われたのですが、スマホのアプリとチャット機能でオペレーターに相手に手話を言葉に帰る通訳をお願いすることで、相手が健聴者でも電話で会話ができるようになりました。

詳しくは、

http://trs-nippon.jp

こちらをごらんください。

08/03/2017

介護福祉士の資格試験、受験者半減のインパクト

2月初旬、高齢者ケアの担い手である介護福祉士の受験者が半減したという報道があった。

 団塊世代が後期高齢者になる2025年にかけて医療・介護需要が急増する「2025年問題」を考えると、現場でケアに携わりながら他の介護職の指導も行う介護福祉士は1人でも多く確保したい。国家資格を持ち、登録した介護福祉士は約150万人(2016年度)で、例年14万~16万人が介護福祉士の国家試験を受験してきた。

 ところが、2016年度は受験者が8万人足らずに落ち込んだという。主因と考えられているのが、ケア現場で3年以上の実務経験を積んだ人が国家試験を受ける「実務経験ルート」の条件変更。2016年度から、国家試験を受ける前に「450時間(無資格者の場合)の実務者研修」が義務化され、資格取得にお金と時間の負担がかかるようになった。

 この実務者研修の多くは通信教育で可能だが、最長で半年程度かかり、費用は10万~20万円程度だという。介護技術のほか、痰の吸引などの医療的ケアについては養成施設に出向いて学ばねばならない。制度変更のしわ寄せが受験者に向かってしまっている。

 介護福祉士の資質や社会的評価などの向上につなげる狙いがあるようだが、どうも順序が逆なような気がしてならない。実務者研修の範囲や内容は、資格取得のための国家試験の内容と似ているとのことで、民間研修機関による実務者研修は国家試験の準備講座としての色合いも帯びている。資格ビジネスの関連業界は潤うのかもしれないが、ほかにやるべきことがあるのではないか。

 介護福祉士の養成コースには、上記の「実務経験ルート」の他に、大学や専門学校などで教育を受ける「養成施設ルート」もある。こちらも定員割れが常態化している。日本介護福祉士養成施設協会によれば、2016年4月の入学者は7752人で、定員の46.6%にとどまるという(信濃毎日新聞2017年1月14日朝刊)。

 人材の質を高めるための研修は必須だろう。「研修」を否定するものではない。しかし、まずは介護分野に若者が入りたいと思うような環境づくりが求められる。介護福祉士の平均月給は約24万円だ(2015年度)。無資格の介護職員よりは約4万円高いけれど、全産業の平均よりは低い水準となっている。介護事業者が処遇改善を図る上でのインセンティブとなる制度を手厚くするなど、介護人材の雇用・定着や育成に向けた大胆な予算投入が必要ではないか。

人手が足りない時に、このようなことがあったら誰も受けようと思わなくなってしまうことは確かです。資格試験の内容と段階を再度考える必要があると思いますが、この様子だと来年の試験の内容もまた変わる可能性が考えられます。

介護関係の法律の内容もよく変わるので、常に注意しなければならないのですが、資格試験を受けようとする人のモチベーションが気になります。

27/02/2017

野菜共同輸送
障害者ら生産 コスト削減、販路開拓へ社会実験 /大阪

毎日新聞にこのような記事がありました。

農業の多様な担い手を増やし、障害者の働く場を広げようと府が進める「農と福祉の連携」(ハートフルアグリ)で、六つの生産事業者を巡回する共同輸送の社会実験がされている。ハートフルアグリの安定的な事業継続には収益改善が課題の一つで、物流コストを削減し、販路も開拓する狙い。将来的には共同販売会社の設立も構想している。

 社会実験では、主に水耕栽培でサラダほうれん草などを作る舞洲フェルム(大阪市此花区)や社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会(同東成区)、NPO法人街かど福祉(同西成区)、ハートランド(泉南市)、ヒューマンアグリ(岸和田市)などを物流会社2社の配送車が巡回し、レストランなどに届ける。13日から2週間の効果や課題などを分析し、本格実施に向けて検討する。またレストランなどではハートフルアグリの農産物を使った新メニューや商品を開発する。

 13日に舞洲フェルムであった出発式で、手をつなぐ育成会の竹内裕幸理事は「野菜栽培を始めて2年あまり、営業・販売はまだまだ大変だが、府のリーダーシップと私たちの熱意、努力でぜひ成功させたい」と話していた。

 府農政室では今後、各生産者とスーパーなどとの個別取引・輸送を一本化する共同販売会社を設立、生産事業者は栽培に専念することでハートフルアグリ全体の規模拡大、収益アップを目指したいとしている。

福祉関係では、利益率が低いので、福祉を受けている障害者の生活費を稼ぐのも大変です。
しかし、こういった取り組みが多く行われるようになれば、多くの障害者の収入になるので、どこまでできるのか結果が待ち遠しいですね。

13/02/2017

「新3本の矢」に「介護離職ゼロ」政策が含まれた意味とは?

● 高齢者介護を真正面から取り上げた 「新3本の矢」

 高齢者ケアの舞台で年末に大立ち回りがあった。安倍首相の肝いり施策の「新3本の矢」が発表されたことと介護大手のメッセージが損保ジャパン日本興亜ホールディングス(損保ジャパン)に身売りされることが決まったニュースが以前あった。

 「介護離職ゼロ」が新3本の矢で謳われた。働く人の家族介護による離職をなくすために施設や在宅サービスなどの充実をめざし、それらの供給を計画より大幅に引き上げることになった。GDPを600兆円に増やす経済成長路線を新3本の矢の最大目標に掲げ、それを達成させるための施策である。

 政府の3大主要政策のひとつに高齢者介護が真正面から取り上げられたのは初めて。中でも、特別養護老人ホーム(特養)の増設や宿泊を伴う在宅サービスの拡充と並んで、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が最終段階で盛り込まれた意義は大きい。

 従来の社会福祉法人や医療法人が中心的な担い手でなく、企業がその主役となるサ高住を柱に据えることになった。福祉分野が特別な法人をリーダーとする時代ではなくなり、一般の住宅・サービス業に移行せざるをえないことを示している。

 全く同じような見方ができるのがメッセージの買収劇だろう。

 メッセージは病院を手掛けてきた医師が創業者。有料老人ホームの経営に乗り出し、次いでサ高住に進出し、業界の最大手企業にのし上がった。企業とはいえ、トップが医師であることで業界や行政、霞が関などからの信頼が篤かった。高齢者の世界では、いわば「身内」の事業者。それが、損保業メガ3社の一角に買収された。市場経済の覇者に取り込まれたわけだ。

 この2つの「事件」を機に、高齢者介護が普通の企業が手掛ける普通の舞台へと転換していく、その勢いに拍車がかかることになるだろう。いわば、介護保険の発足に次ぐ、第2ラウンドに入ったともいえるかもしれない。当然のことだが、日本の名だたる企業が一斉に介護市場に参入するのも間近い。

● 拠点型サ高住を重要施策として位置づけたのは 「大きな成果」

 3本の矢とは、(1)GDPの600兆円実現、(2)出生率1.8を達成、(3)介護離職ゼロ、である。

 介護離職ゼロは、かつての「寝たきりゼロ」や「待機児ゼロ」作戦にあやかったネーミングである。年間約10万人に上る家族介護を理由にした離職を追放しようということ。実現不可能なことは論を俟たない。「働き蜂」の育成を狙った発想ではあるものの、目標として鮮明に打ち出す試みは評価したい。

 妻や娘による介護だけでなく、最近では結婚した息子の実母介護や要介護の母と未婚や離婚した息子の二人暮らし家庭が広がっている。そこでは息子の離職が避けられないことも。企業にとっては、中堅幹部職が突然消えてしまうことになりかねない。経済成長を「盲目的に信仰」する政権としては、離職対策に乗り出すのは当然のことだろう。

 当初案では、その解決策が特別養護老人ホームの増設に偏っていた。同じ政権が、「地域包括ケア」を掲げて、施設から在宅への転換を目指そうとしている最中である。認知症をはじめ様々な障害を負っても、住み慣れた地域で暮らし続けましょう、というのが地域包括ケア。海外でも「Ageing in Place」として高齢者ケアの基本認識となっている。

 その地域包括ケアと矛盾すると反発を招いたこともあり、2週間後の「1億総活躍国民会議」では介護の受け皿を40万人分から急遽、50万人分に増やすとともに、サ高住の増大策を盛り込んだ。特養の増設だけでは、時計の針を逆転させかねなかった。

 決定された「1億総活躍社会・緊急対策」を見ると、「介護施設、在宅サービス、サ高住の整備量を(約38万人分から)約12万人分前倒し・上乗せし、約50万人分以上に拡大する」と記し、そのサ高住分だけは、2万人分と発表された。ほかの介護施設や在宅サービスの内訳数字は発表しなかったが、サ高住だけは実現目標値を明確に示した。

 さらに、別項目を設けて「サ高住の整備を加速させ、併設する地域拠点機能の整備も支援する」とある。

 この文意は、昨年4月に国交省の「サ高住の整備等のあり方に関する検討会」が提言した目玉事業、「拠点型サ高住」のことである。「併設する地域拠点機能」とは、小規模多機能型居宅介護(小規模型)と24時間の訪問介護看護、それに訪問診療(在宅療養支援診療所)、訪問看護の医療系を含めた4サービスを指す。これらのサービス事業者をサ高住に併設させるスタイルが「拠点型サ高住」なのである。

 国交省の知恵者が官邸に「忍び込み」、あわただしく進められた数値の見直し作業の中に巧みに加えてのだろうか。そんな冗談もさもありなんと思わせる画期的な仕業だ。とうのも、前日までサ高住については全く報じられていなかった。

 首相の指示で急遽、40万人が50万人に増えたため、多くのサービスをかき集めるなかで、本来は高齢者施設でなく集合住宅のサ高住にまでお呼びがかかったとも評される。だが、経緯はどうあれ、結果として前向きな方向に向かったのは評価していい。拠点型サ高住を政権の重要施策として明確に位置づけたのは「大きな成果」と言えるだろう。大歓迎である。

 拠点型サ高住が何故に重要な施策であるかについては、この連載の第31回で論及しているので、詳述は避けるが、日本の高齢者ケアの基本施策である「地域包括ケア」への道筋を切り開くことになる点を強調しておきたい。

 サ高住入居者にこれらの介護、医療4サービスを提供しつつ、周囲の地域住民にも同様の24時間サービスを供給する。先述の検討会で示された「サ高住のオープン化」である。4種のサービスの中で要となるのは小規模多機能型だろう。認知症ケアに優れているからだ。

 つまり、今後10年、20年先の高齢者介護の王道を行くサービススタイルになるのが「拠点型サ高住」である。

● サ高住が主役に躍り出る

 政府が12月21日に組んだ2015年度の補正予算には、この緊急対策が反映された。その中で、サ高住の追加供給を促す大幅な制度拡充策を盛り込み、189億円の巨費投入が決まった。相当の意気込みようだ。

 助成金の投入法を4種に分け、その一つが「拠点型サ高住」。小規模型かショートステイを併設したサ高住で、施設補助金を従来の1000万円から1200万円に引き上げることとした。

 このほか、標準型の25平方メートルより広い30平方メートル以上で浴室やキッチン付きを「夫婦型サ高住」として、1室当たりの補助金を100万円から135万円にアップさせたり、既存建物を活用する際に建築基準法や消防法等に適合させるための改修が必要な「既存ストック型サ高住」にも100万円から150万円に補助金を増額する。

 さらに、驚くことに上記以外の普通のサ高住への助成金も1室100万円から120万円に増やす。

 本年度の事業なので補助金の募集期間は3月25日までだが、サ高住の建設・運営を検討している事業者は同日までの駆け込みに一斉に走ることは間違いないだろう。かつてない補助金の大盤振る舞いだからだ。

 2011年10月から始まったサ高住制度の年間補助金はほぼ320億円前後だった。2015年度も320億円。年間を通じて320億円の事業なのに、12月21日からのわずか3ヵ月で189億円も上乗せされる。補正予算としては破格の規模である。来年度に建築予定だった事業者たちが急遽、計画を前倒しして期間内に申請しようと目論むのは当然の動きだ。

 政府は12月24日に2016年度の予算案をまとめたが、そこでもサ高住の助成金として320億円を計上した。サ高住が20万室近くに広がっており、「立ち上げカンフル剤」としての助成金の役目は終わったとする声が出ていた。しかし、これまでとほぼ同額の予算を組んで、さらなる後押しを進めることとした。

 こうした政府の方針を見て、新規に参入してくる企業が広がっていきそうだ。これまでの居住系施設である特養やグループホーム、特定施設の有料老人ホームなどの従来型施設に変わって、サ高住がその主役に躍り出る日が近づいて来たことは確かだ。

● サ高住トップの メッセージが身売りの事態に

 サ高住がフットライトを浴びてきたその最中に、サ高住のトップ事業者が舞台から姿を消すことになった。アミーユのブランドで全国チェーンを展開してきた「メッセージ」である。メッセージを買収するのは損保ジャパン日本興亜ホールディングス(損保ジャパン)。

 メッセージはグループとして介護付き有料老人ホームとサ高住、それに訪問介護などの在宅サービスを運営している。2014年度の売上高は789億円で、ニチイ学館、ベネッセホールディングスに次いで介護業界第3位。

 メッセージの創業者の橋本俊明医師は、かつて岡山で病院長だった。2000年4月の介護保険制度がスタートする直前にグループホームを手掛け、介護事業に進出。日本で初めて制度化された認知症ケア事業としてグループホームは注目されていた。

 だが、規模が小さいグループホームでは事業拡大を望めないとみて、有料老人ホームに参入する。介護保険で「特定施設入所者生活介護」として在宅サービスのひとつに位置付けられ、新たな報酬が得られることになったからだ。

 4~5年後には、介護付き有料老人ホームが全国的に増え、介護保険料の上昇を懸念した自治体がいわゆる「総量規制」という抑制策に乗り出し、開設がままならなくなる。そこへタイミングよく、国交省がサ高住制度を2011年10月からスタートさせる。メッセージはいち早く方針転換。「Cアミーユ」のブランドでサ高住の全国展開を始めた。

 厚労省による福祉サービスでないため逡巡していた業界人を尻目に、破竹の勢いで次々サ高住を建設。1室あたり助成金100万円の後押しもあり、2015年8月末時点で、サ高住と有料老人ホームなどの居室数は1万7490室に達した。第2位のベネッセスタイルケアを2600室も引き離して業界トップの座を不動のものとしていた。

 橋本氏もサ高住の業界団体のトップに就任し、高齢者住宅の顔となった。

● 介護事業の現場は変わるか? 

 順風満帆に見えていたが、昨年9月に不祥事が発覚する。子会社が手掛ける川崎市の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で3人の入居者が相次いで転落死する事故が判明。その後、各地の系列施設で暴行、暴言、虐待行為も明らかになり、11月には厚労省から介護保険法による業務改善勧告を受けた。行政への自己の届け出違反などもあり、遂に創業者の退陣に追い込まれてしまう。

 介護業界独特の低賃金による離職者増、人手不足が現場のケアの劣化を招いたと言われる。適性に問題がある他業界からの転職者を採用せざるを得ない状況はほとんどの事業者が抱えている。その中で、メッセージは異常なほど立て続けに建物を作り続けたため、職員の介護力が追い付いていかなかったようだ。

 実は、損保ジャパンがその直前に買収した居酒屋大手のワタミの介護子会社「ワタミの介護」も同様な問題があった。加えてワタミの場合は、外食チェーンの本社自体が「ブラック」の烙印を押されて、事業悪化の道を辿っていた。

 損保ジャパンは、2012年に九州で有料老人ホームを運営しているシダーの株式34%を取得している。10月に正式に買収したワタミを「SOMPOケアネクスト」と社名変更しており、アミーユも近々「SOMPOケアメッセージ」に変更する。

 今のところ、両社の統合は表明されていない。だが、共に不祥事を起こした事業者をそのままの路線で継続させることは難しい。業界外の一般大企業の傘下に入ったからには心機一転させなければ、買収効果は得られないはず。

 賃金や労働条件など現場の処遇も、普通の大企業のてこ入れで大幅に改善されると見る関係者は多い。損保ジャパンが果たしてどの程度まで「本気」で介護事業に取り組む姿勢なのかが注目される。

損保業界は、金融ビッグバンや規制緩和、人口減などの荒波を経て、東京海上HDとMS&AD、それに損保ジャパンの3メガ企業が全売り上げの90%を占める寡占状態。自動車保険をはじめ人口減による市場の縮小が避けられないなか、海外損保の買収に活路を見出そうとしてきた。高齢者人口の増大を見込んでの介護市場への関心は高く、新分野として触手を動かし始めた。

 東京海上ホールディングスは、グループ会社の東京海上日動ベターライフサービスを通じて、この2月からサ高住「D-Festa(ディーフェスタ)溝の口」(川崎市高津区)の運営を始める。

 ソニーフィナンシャルホールディングスは、ソニーライフケアが子会社を通じて4月に介護付き有料老人ホーム「ソナーレ祖師谷」(東京都世田谷区)を開設する。かつて買収した有料老人ホーム「ぴあはーと藤が丘」(横浜市青葉区)に次ぐ2棟目だ。グループ全体として、生保、損保、銀行に次ぐ第4の柱として介護を位置付けている。

● 介護の「社会化」が促進される

 介護保険施行後17年目を迎えようとしている。この間、介護の社会化への意識は国民の間にかなり浸透してきた。家族による自宅介護から施設介護への流れを加速させた。だが、居住系サービスはその需要を満たしていない。

 特養の絶対的不足が低価格有料老人ホームを生み出したものの、まだ居住サービスは不足している。その待機者の受け皿として4年前からサ高住が加わり、やっと一般企業が介護業界に参入する舞台が整った。

 電気や電力、不動産、電鉄など異業種から有料老人ホームへの参入は続いており、ベネッセや学研のように本腰を入れる教育産業もあった。だが、介護付き有料老人ホームは、いまや市町村が作成する3年間の介護保険事業計画の枠内でしか新規開設ができない。事実上の許認可事業となってしまった。自由な競争によって切磋琢磨しながら利益を上げてきた一般市場とはかけ離れている。

 一般の賃貸住宅と原則、大差ないサ高住はその点で普通のマーケット。企業の参入意欲が違ってこようというものだ。加えて政権の3大政策のひとつに介護サービスの充実が掲げられ、強力なアクセルが踏まれている

 他業種からの一般企業の参入で、本来の介護の社会化が促進されるだろう。家族介護からの脱皮という当事者サイドだけでなく、労働条件など働く側の「社会化」が確立するには、一般企業のルールが必要とされる。

介護の世界では、人材不足であり、このような政策があってもうまく機能しないところが増えているという。
介護の社会化が進むのはいいが、まだまだ一般の人には周知されていないことも多く、ある日突然介護が必要になった。どうしたら
いいのか?
そこから何をしたらいいのかわからない人が多いのが現状。
こういうことも社会化も進んでいくのがいいのではないのか。

安くて安心の特別養護老人ホーム。入れたら奇跡だが、どうやって入るか???自宅で看るか、施設ならどこに頼るか。介護パターンの選び方によって、家族のお金と心の負担に大差がつく。実例を通して「わが家のベスト」な選択を考えよう。 厚生労働省は特別養...
06/02/2017

安くて安心の特別養護老人ホーム。入れたら奇跡だが、どうやって入るか???

自宅で看るか、施設ならどこに頼るか。介護パターンの選び方によって、家族のお金と心の負担に大差がつく。実例を通して「わが家のベスト」な選択を考えよう。

 厚生労働省は特別養護老人ホーム(以下特養)に入所を希望しているのに入所できない「待機者」が現在52万2000人にのぼるとの調査結果を発表した(※2014年)。

 統計(2012年・以下同)によれば特養は全国に約7800あり、定員は約51万人。すでにどこも満杯状態で、そのうえ入居者と同じ数以上の人たちが空きを待っているのだ。

 特養の入所条件は65歳以上で要介護1~5の人。該当者は400万人を超す。この大半は在宅でケアマネージャーの指導のもと、ホームヘルパーなどの力を借りて介護をしているわけだが、それにも限界がある。

 高い要介護度の老人を在宅で家族がケアするには、かなりの負担が伴う。介護保険により利用者は1割負担で済む介護サービスが受けられるため費用はそうかからないが、食事、排せつ、入浴などの世話をつきっきりでしなければならないので「介護疲れ」で参ってしまうのだ。

 また、認知症による徘徊などで家族だけでは手に負えないケースも少なくない。多少費用はかかっても、そうした世話をしてくれる施設に入れば安心。家族の精神的負担は軽くなるというわけだ。

 なかでも特養へ入所希望者が集まるのは地方自治体や社会福祉法人が運営する公的介護施設で、費用負担が少なくて済むからだ。


■【ケース】要介護4のAさんが特養(新型ユニット個室)に入居した場合

 入所時に支払う費用はゼロのうえ月額利用料は5万~15万円。厚生年金加入者(元公務員や会社員など)の年金受取額の月額平均は約15万円だから、それでほぼまかなえる。

 そのために入所希望者が殺到するのだが、なにしろ待機者が52万人もいる。地域によって差はあるが、10年近く待たなければならないところもある。介護を必要とする老人が、何年も待たされるのは酷な話。「入所はあきらめてください」と言われているのと同然だ。加えて厚労省は待機者増加の問題を改善するため15年度から入所条件を原則「要介護3」以上に絞った。

 特養のほかにも介護が必要な老人のための公的施設はあるが、利用にはさまざまな条件がつく。介護老人保健施設の入居期間は原則3カ月だし、軽費老人ホーム(ケアハウス)は軽度介護まで。養護老人ホームは65歳以上の経済的困窮者という条件があり、これらも希望通り入所できるとは限らない。

 主に首都圏と関西圏を対象に有料老人ホームや介護施設の紹介事業を営むケアプロデュースの安藤滉邦代表は語る。

 「消費増税が行われたのは社会保障費に充てるためということでもわかる通り、介護事業の予算は逼迫しています。今後も特養が大幅に増えることは望み薄で、待機者問題が改善されることはないでしょう。特養を当てにすることはできないのです。しかし、最近は民間が運営する有料老人ホームに手頃な価格で入れる施設が増えてきました。介護で困っている方は、少々費用負担が多くなりますが、民間の施設を選択肢に入れることが現実的だと思います」

高齢者介護施設にはいろんな種類がある

 [1]要介護1以上必要。要介護度や必要度の高い人が優先。入所希望者が多いため、入所までに時間がかかる。施設サービス費の本人負担1割に加え食費・居住費・日常生活費は自己負担。施設サービス費は介護保険で決められており、要介護度や部屋のタイプによって異なる。食費・介護費込みの費用で、大体5万~15万円。

 [2]通称「老健」と呼ばれる。要介護1以上必要。病状は安定しているが、退院してすぐ自宅に戻るのは不安という人が利用する、病院と自宅の中間的存在。在宅復帰のためのリハビリによる機能回復を重視。介護が重度になると利用継続が困難となることも。原則として入所期間は3カ月。食費・介護費込みの費用で15万円くらいが目安か。

 [3]要介護1以上必要。急性期の治療が終わり、病状が安定したものの、長期間の治療が必要な方が対象で、医療や看護に重点を置いたサービスが受けられる。介護の体制が整った医療施設。食費・介護費込みの費用で10万円くらいか。※2018年3月の廃止が決定しており新型の「介護療養型老人保健施設」へ転換する。

 [4]低収入、虐待や心身上の障害などの理由から家庭での介護が困難であることが入所の基準となる。原則65歳以上で、身の回りのことが自分でできること。介護が重度になると利用は不可となる。介護保険施設ではないので、施設への入所は市町村が窓口となる。食費・介護費込みの費用は所得に応じて異なるが、目安は5万円くらいか。

 [5]軽度の介護サービスが必要な人向け。基本的に身寄りがない、住宅事情や家庭環境によって家族の援助をうけることができない人が対象となる。比較的低額で入居できるが、料金は施設、各市町村、扶養義務のある家族の世帯収入などによって異なる。入居中に介護が必要な状況となった場合も、介護サービスを受けることができる施設が増えている。

 [6]認知症の高齢者が少人数で共同生活しつつ、介護や支援を受けながら、食事の支度や掃除、洗濯などの家事を行い、自宅に近い状況で生活を送ることを目的とした施設。認知症の方が混乱せずに普通の生活ができることが最優先。介護が重度になると利用継続が困難になることも。また入居一時金が必要な施設もある。

 [7]基本的には介護の必要がない、自立して生活のできる健康な高齢者のための施設。入居者全員が自立者であるため、周囲には元気な高齢者が多く友人ができやすいというメリットもある。介護が必要になった際には、退去する契約と、介護付きのホームに移れるシステムがあるので確認が必要。入居一時金は、介護型よりも高額な場合が多い。

 [8]自立または比較的軽度の介護が必要な人向け。介護を行いやすい空間(住宅)を提供している施設で、施設に介護スタッフが常駐していない。介護が必要になった場合は、個人で居宅介護の契約を結び、訪問介護サービスなどを利用する。ホームによっては施設内、もしくは近隣に委託先の介護業者と提携しているケースもある。

 [9]要介護入居者3人に対して1人以上の介護スタッフの配置が義務づけられており、スタッフが24時間常駐している。また、医療機関との連携により、健康管理や緊急時の対応、療養に必要な処置も提供される。しかし、場合によっては(認知症、医療の提供頻度が高まった、施設の秩序を乱すなど)、退去する契約になっている施設もある。

 [10]2011年10月に制度化された高齢者が安心して居住できる賃貸住宅。20年までに60万戸つくる予定。バリアフリーな構造、広めの居住空間に加え、ケアの専門家による安否確認と生活相談サービスが義務付けられている。カラオケなど娯楽施設が充実した施設も。賃貸契約なので、入居一時金は必要ないが、敷金礼金がかかる。

18/01/2017

壁は「介護の日本語」 続く試行錯誤

朝日新聞にこのような記事がありました。

人手不足の介護現場では、外国人の人材が増えています。技能実習制度の対象に介護も加わることになり、活躍の機会はさらに広がりそうです。壁は「介護の日本語」。この教え方をめぐる試行錯誤も続いています。

■来日10年でも苦戦

 「口紅の『くち』という字には火口の『こう』、口調の『く』という読み方もあります」
 東京都墨田区の集会所で11月中旬、8人のフィリピン人女性が集まり、ボランティアに教わりながら読み書きなどの練習をしていた。区内の介護施設で働く在留外国人などを対象に、週1回開かれている無料の「介護の日本語教室」だ。

 日本語教師と定年退職した地域のボランティアが、介護現場で使われる日本語を教える。介護福祉士の国家試験を目指す上級者向けには、近隣施設の介護職員も加わる。

 日常会話に困らない外国人も現場では壁にぶつかる。難解な介護の専門用語と読み書きだ。
 生徒の繁富ジーナさん(50)は、日本人と結婚して20年前に来日。10年を過ぎてから施設で働き始めたが、戸惑いの連続だった。

 誤嚥(ごえん)、褥瘡(じょくそう)、嚥下(えんげ)……。普段は使わない日本語が飛び交う。勤務に入る時は介護記録を読んで利用者の様子を把握する必要があるが、読み書きはひらがな・カタカナ程度で理解できないことが多い。そのため今でも早めに出勤し、辞書で調べたり日本人職員に読んでもらったりする。

 介護の日本語教室には昨年から通い始めた。繁富さんは「もっと読み書きの力をスキルアップして一人前になりたい」と話す。
 東京都社会福祉協議会の2009年の調査では、都内の特別養護老人ホームの3分の1に外国人職員(留学生などを除く)がいた。墨田区内の介護施設では人材不足を背景に05年ごろから外国人の雇用が増加。介護の日本語教室は区内の社会福祉法人や早稲田大学大学院日本語教育研究科などが連携して08年から始め、現在は区の委託事業になっている。
 教室を運営する日本語教師の中野玲子さんは「介護は人を相手に臨機応変が求められる仕事。継続して日本語を学べる場を身近に増やしていくことが必要だ」と指摘する。

■即戦力育成へ教師ら連携

 08年から経済連携協定(EPA)の枠組みで介護福祉士をめざす外国人が来日したことで、施設などから頼まれて日本語教師が教える機会は増えている。教える側も手探りだ。
 11月下旬、東京都千代田区で日本語教師や介護職員ら約40人が参加するワークショップが開かれた。現場で使える日本語の教え方や、施設との連携の悩みを共有し、解決策を見いだそうという試みだ。

 「側臥位(そくがい)、仰臥位(ぎょうがい)……。介護の専門用語は日常生活で使わない言葉ばかり。どう教えたらいいのか」

 「介護施設から『(勤務交代時の)申し送りの日本語指導もお願いします』と急に依頼されて困った」

 こういった具体的な事例を取り上げ、意見を交わした。水戸市の日本語教師、上村洋美さん(52)は自宅でインドネシア人の介護福祉士候補者に教えている。介護保険の仕組みや難しい病名を自分で調べ、学習時間を確保するために施設側と話し合う。「一人では手探り状態。仲間と悩みを話し合う場があると助かる」

 ワークショップは日本語教師らでつくる「看護と介護の日本語教育研究会」が主催した。同会副代表幹事で、首都大学東京の神村初美・健康福祉学部特任准教授(日本語教育)は「介護や看護に関する日本語教育は新しい分野。現場で外国人が即戦力となれる日本語の教え方をつくりあげ、施設とつながって本人と周囲との橋渡しができる日本語教師を育成していきたい」と話す。(伊藤綾、森本美紀)

■介護現場で働く外国人 

永住許可を受けた永住者、日本人の配偶者、日系人などの定住者らには就労制限はなく、介護現場で働く人も多い。東京都社会福祉協議会の2009年の調査では、都内の特別養護老人ホームの3割程度に外国人の職員がいた。経済連携協定(EPA)の枠組みでは、介護福祉士の資格取得を目指している人や合格者も働いている。外国人技能実習制度は先月の法改正に伴い、対象職種に介護を追加する。

外国人を採用するにあたって、壁となったのが日本語、特に介護の専門用語をどう教えていくかが大変なことになりましたが、この状況を国はどう対応するつもりなのでしょうか?
 ただ外国人を雇えばいいのではなく、言葉の壁を何とかして解決しなければならないのでしょうが・・・。

12/01/2017

障害のないあなたへ。
28年前に「普通」を願い、埼玉県知事応接室を「占拠」した人々がいた。

毎日新聞にこのような記事がありました。



8月30日に行われた「総合県交渉」で、要望書のページを繰る野島久美子・埼玉障害者市民ネットワーク代表(右)=県庁で

県庁に4日間、教育長に直接主張
 台風10号の接近で朝から雨が降りしきった8月30日、さいたま市浦和区の県庁に、車いすに乗った人たちが続々と集まってきた。障害者やその家族、支援者が行政への要望を伝えるため、28年前から続けている「総合県交渉」に出席するためだ。会場となった県庁内の講堂には100人近くが詰めかけ、約20台の車いすが並んだ。

 冒頭、今回の要望書をとりまとめた埼玉障害者市民ネットワーク代表の野島久美子さん(58)=春日部市=がマイクを握ってあいさつし、続けて山下浩志さん(73)=同=がスクリーンにスライド画面を映し出した。
示したのは、棒グラフ。1979年の養護学校義務化の時点から、養護学校や特別支援学校などで「分ける教育」を受けて福祉施設に入所した人が、倍以上に膨れあがった状況を表していた。
 「(障害者を受け入れる)福祉施設がこれだけ増えると、お金がかかる。そうすると『(障害者は)金食い虫だ』という発想になり、津久井やまゆり園のような状況が、社会の中に生まれる」。山下さんは、社会に大きな衝撃を与えた「やまゆり園事件」を引き合いに訴えた。

   ◇   ◇ 

 知的障害のある少年の高校入学を求め、初めての「県交渉」が行われたのは1988年2月。この時、山下さんはすでに未来を予見し、県教育委員会の担当者に次のような手紙を送っていた。

 <障害が重ければ重いほど、大人になってからその人のケアをやろうとすれば莫大(ばくだい)な費用がかかります。そういうムダをするよりは、義務教育で、そして高校で、さらには自治体行政の中で、共に学んだり、働いたりする関係を広げていく努力のほうがずっとたやすいはずです>

 この時、結局、少年らの入学はかなわず、3カ月後には少年らやその家族、支援者が知事や教育長との面会を求めて知事応接室に居座り、4日間にわたって「占拠」する事態に発展した。この中に野島さんと山下さんがいた。

 3日目の夜、ようやく姿を現した教育長を前に、脳性まひの野島さんが、車いすを使用しながらアパートで一人で暮らしてきた経験を説明し、障害者が「普通に」暮らす意義を主張した。「こんな小さなことの話を、あんた方が、大きく大きくしちゃってるんですよ」
 この「占拠事件」から28年。野島さんは「(障害者のための)制度が整って、サービスも充実したけれど『分ける』システムはなくならず、障害者は今も見えないベールに包まれている」とため息をついた。

   ◇   ◇

 先月26日、相模原市で障害者19人が刺殺される事件が起き、差別や偏見の問題、「障害者が生きづらさを感じない社会の在り方」が改めて問われている。県内には重い障害を持ちながら、施設入所や特別支援教育といった「分ける」システムを拒み、健常者と同様に街の中で暮らす人たちがいる。彼らが目指すものは何か。約四半世紀前に起きた「知事応接室占拠事件」を出発点に考える。

この記事を見て、障害者は昔も今もまだ差別や偏見が強く残っていて、まだ戦っている人がなんと多いことか。
 そして、自分達の存在をもっと知ってほしいという姿にエールを送りたい。

04/01/2017

船橋市が小型家電リサイクル回収ボックス設置-県内初、障がい者参画事業

去年の記事だが、気になる内容でしたので取り上げて見ました。

船橋市役所に2016年2月5日、使用済み小型家電の回収ボックスが設置された。

 小型家電の回収事業で、自治体と障がい者団体の連携が実現するのは県内初。今回、船橋市役所の他、FACEビル5階の船橋駅前総合窓口センター(船橋市本町1)、北部清掃工場(大神保町)、東図書館1階(習志野台5)の計4カ所に設置した。

 同事業は2013年4月に小型家電リサイクル法が施行されたことに始まる。同リサイクル法とは、使用済みのデジタルカメラ・ビデオカメラ・HDDレコーダー・ヘアアイロン・カーナビなどの小型電子機器を収集し解体分解を行い、有用な資源を再度活用するという取り組み。いずれも15センチ×30センチ以下のものが対象となる。分解・分別を行ったリサイクル品は国が認定した事業者に障がい者団体が売却し、収入にする。

 これまで使用済みの小型家電は、鉄とアルミニウムのみの回収にとどまり、その他は不燃ごみとして収集され、リサイクルできる資源を活用できずにいた。法律が施行されたことから、「小型家電を収集すること」と「解体し有用資源を分別すること」は義務化され、これら一連の作業は地方自治体に任されることになった。

 同リサイクル法を聞き、事業参加へと手を上げたのが県障害者福祉事業リサイクルネット事業ネットワーク協議会の理事と障がい者福祉サービス事業所であるNPO法人「1to1(わさび)」(前原東3)。

 回収ボックスへの招集と小型家電の解体分別を行うのはNPO法人「1to1」と「光風みどり園」(大神保町)を利用する20代~40代のメンバー。

 両施設は就労継続支援(B型)として運営しており、就労経験のある障がい者に就労と生産活動などの提供を行い、知識や能力の向上のために必要な訓練を指導している。「障害を持つ方は誰かにお世話されているというイメージが多いかもしれない。社会に貢献していて働いている姿も見てほしい。それが彼らの誇りにつながるはず」と、1to1代表の武井さん。

 NPO法人「1to1」では、近隣の草むしり、希望者宅のアパートの掃除、船橋のタブロイド新聞「Funaco.」配布など地域に関わる数多くの仕事に取り組んでいる。しかし屋外での作業が、体力的に難しい人たちも出てきたという。部屋の中で作業できるうえ、納期に縛られずできる仕事をと、考えていたところ、同事業の取り組みを知り、協議会で提案。何度も会議を重ね船橋市に働きかけた。後の市がこれを承諾、2月5日より正式に事業へと参加する運びとなった。

 窓口となっている船橋市クリーン推進課課長の長尾さんは「有用資源をリサイクルすることで、不燃ごみは減り、その上障害を持つ方たちの安定収入も期待できるこの取り組みは素晴らしいことだと思っている。まずは船橋市で実績を作り、他の市町村へ広げていけたら」と話す。

住所

群馬県、埼玉県、栃木県、茨城県、長野県、新潟県
Maebashi-shi, Gunma
371-2123

営業時間

月曜日 09:00 - 15:00
火曜日 09:00 - 15:00
水曜日 09:00 - 15:00
木曜日 09:00 - 15:00
金曜日 09:00 - 15:00

電話番号

027-289-0338

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