13/07/2026
アフガニスタンのドキュメンタリー映画2本
ポレポレ東中野
ヒューマントラストシネマ有楽町
で公開予定です。
ハワの手習い8月1日よりロードショー
夫の愚痴、秘密の恋の話、そして、母の“やってみたかったこと”について。
アフガニスタンの首都・カーブルで認知症の夫を世話しながら暮らすハワ。30歳年上の夫との結婚を強いられたとき、彼女はまだ13歳の少女だった。父は幼かったハワを教育から遠ざけ、母は出産について何も助言してくれなかった。6人の子を産んだ彼女は、同じ道に進まぬよう全力を尽くして娘に教育の機会を与え、次女のナジーバはジャーナリストとして自立した生活を送っている。そして、彼女は決意する一「母の味方になろう」。母にカメラを向け話し相手を務める。
今年こそ、と民族手芸の商売と読み書きの学習を始めたハワ。家族の洗濯物を絞っていたハワの手は刺繍が施された美しい布を撫で、夫の老いた肌を洗っていたその手はまっさらなボードの上で言葉を紡ぎ始めた。ハワのささやかな夢が動き出した矢先、長女の元夫と暮らす孫娘のザハラーが支配的な父親から逃れてきた。母親に代わって彼女を引き取り、共に読み書きを学ぶハワ。しかし、タリバンによる襲撃と占領は日に日に進み、ザハラーと彼女を匿う家族にも命の危険が迫る。2021年8月、カーブル陥落。報道の自由を封殺する動きも強まり、ナジーバは兄のアリーにカメラを託し母国を離れることに
世界中に満ちる叫びと祈り
いま、戦禍の時代に社会の家父長制とタリバンの暴力に抵抗するアフガン女性の姿を描いた本作は、山形国際ドキュメンタリー映画祭2025で市民賞を受賞し、称賛と連帯の声が寄せられた。<女性>という記号で教育も自由も奪われ、存在そのものさえ脅かされる世界は、この国と地続きにある。年を重ねるなかで経験してきた恐怖と挫折ーそれでも、ハワは長年育んできた夢に向かって踏み出した。学びこそが、未来を、すべてを変えていくと彼女が信じ続けたように、私たちも決して、諦めない。
撃たれた自由の声を撮れ8月15日よりロードショー
2021年8月。
米が撤退し、タリバンが首都カブールを含むほぼ全土を掌握20年にわたる民主政権が崩壊した。
タリバン復権によってふたたび女性たちは外で働く場を失い、教育の機会を奪われ、少女たちは親よりも年の離れた男たちと結婚させられ、家に閉じ込められるー。
ラシュミンとナスタランの姉妹は、ほかの女性たちと共に街に出ては声を上げる。
「私たちはひるまない」。銃を構えた男たちに言い放ち、この国の現状を発信すべくスカーフにスマートフォンを隠し撮影する。
親族宅などを転々としながら抵抗を続けるが、家父長制が支配する社会。デモに参加する女性たちを父親は軽蔑し、隣人からの密告にも生える日々だ。殺されるかもしれない、血の凍る思いをしてもなお街に飛び出していくラシュミン。次世代に同じ苦しみを経験させたくない、その想いが彼女を突き動かす。「未来の子どもたちだけは私たちアフガン女性を誇りに思うはず」。
いつだって奪われ
踏みにじられるのは小さな私たち。
でも、いつか世界を変えるのも、この小さな私たちの声だ。
“次は平和な世界で会いましょう”
彼女たちの願いを、世界はいつ叶えられるというのか。
この怒りと絶望を私たちは直視出来ているだろうか。世界に届けなければこの声は無かったものにされてしまう。沈黙は、この現実を受け入れ認めていることになってしまうーー女性監督であるザイナブ・エンテザールも自らと家族の身に危険を感じながらも、暴力に立ち向かう彼女たちの闘いの日々に追随する。
亡命先で完成した本作は世界各国の映画祭を渡り歩き、多くの人に痛みと連帯の想いが刻まれ続けている。タリバン復権から5年、そして世界中が職禍のいま、“平和国家日本”の足が揺らぐこの国で劇場公開となる。命がけの抵抗の記録を、違い国の物語で終わらせていいはずがない。
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