製造業の業務改革テーマ

製造業の業務改革テーマ 製造業で取り組んでいる業務改革テーマについてまとめてみました。

製造業で取り組んでいる業務改革テーマについて、まとめさせていただきます。
製造業の方々におかれましては、他社でどんな取り組みをされているのか、コンサル会社の方々におかれましては、製造業のお客様にどんな提案をするか検討される時に、参考になればと思っております。

15/02/2026

第四部 継承

第16章 数字の静寂

決算説明会の資料は、整然としていた。

設計リードタイムは六ヶ月を切った。

工数は三五パーセント削減。
初期不具合率は〇・〇八。
海外売上は二割を超えた。

数字は、声を上げない。

だが静かに、会社の状態を語る。

会議室で、営業本部長が言った。
「競合は追いつけない」

財務常務が言う。
「投資回収は想定より早い」

社長は神谷を見る。
「これで終わりか」

神谷は首を振る。
「終わりません。固定は止まることではありません」

社長は小さく笑った。
「止まらなかったのは、水ではなく会社か」

神谷は何も言わなかった。

数字は整った。

だが整った数字ほど、危ういものはない。

安定は、油断を生む。

第17章 棚に並ぶ失敗

藤堂が工場に来られなくなってから、
神谷はサーバルームに足を運ぶことが増えた。

Core-α。
Core-β。
Core-β-Global。

そして、新しく登録されたフォルダ。
Core-0

そこには、成功前のログがある。

失敗の動画。

不合格の面積。

削りの記録。

神谷は、それらを削除しなかった。
むしろ、整理した。

失敗の理由。
前提の誤り。
測定精度の不足。

高瀬が言う。
「失敗まで残すんですね」

神谷は答える。
「成功だけ残すと、会社は弱くなる」

棚に並んだ失敗は、
会社の記憶になる。

水は覚えない。

だが会社は覚える。

第18章 最後の問い

藤堂は、静かな病室にいた。

窓の外は冬の海。
神谷が椅子に座る。

藤堂が言う。
「数字はどうだ」
「安定しています」
「俺がいなくてもか」
「回っています」

藤堂は目を閉じた。
「それでいい」

少し間があく。
「だがな」

神谷は顔を上げる。
「設計とは何だ」

神谷は答えようとして、止まった。
削減。
固定。
ボトルネック。

藤堂はゆっくり言った。
「設計は、未来の失敗を引き受けることだ」

神谷は、その言葉を飲み込む。

固定とは、逃げないことだ。

曖昧にしないことだ。

責任を残すことだ。

藤堂は枕元から小さな封筒を取り出す。
「全部入ってる」

実験ログ。
失敗の数値。
迷ったメモ。
「Core-0にしろ」

神谷は頷いた。
「失敗も入れろ。成功だけだと、また弱くなる」

それが、藤堂の最後の設計だった。

第19章 Core-0

Core-0は、完成形ではない。
未完成の塊。

曲率が揺れ、角度が迷う。

だがそこには、時間がある。

削られた跡。
試された勾配。
戻されたR。

神谷は登録画面を閉じた。

資産とは、形ではない。
再利用可能な責任だ。
再現可能な判断だ。
そして、失敗を残す覚悟だ。

第20章 空洞は残る

冬の夜。
東京のバー。

美咲が言う。
「終わったの?」
「一区切りだ」
「寂しい?」

神谷はグラスの氷を見る。

氷は溶ける。

形を失い、水になる。

水は、また器に従う。

「会社は回る」
「あなたは?」

神谷は答えない。

北海道の斜面を思い出す。

雪は、わずかな傾きで流れを変える。

スキーで学んだのは、重心だ。
テニスで学んだのは、再現性だ。
ゴルフで学んだのは、感覚の危うさだ。

だが設計で学んだのは、責任だった。

水は形を持たない。

だが形は、未来を持つ。

空洞はなくならない。

だが空洞は、資産になる。

新幹線が動き出す。

神谷はノートを開く。

そこには一行。

設計は、何を固定するか。

彼は水を見ない。

だが流れは読む。

流れが止まる場所を見つけ、
そこに制約を置く。

会社は強くなる。

人間は、強くならないかもしれない。

それでもいい。

空洞は残る。

残るからこそ、
また形を選ぶ。

15/02/2026

第三部 翻訳されない水

第11章 国境の収縮率

国内の数字が安定した頃、
タイ工場から報告が届いた。

「低速域が戻りました」

数値は6.2平方センチ。

神谷は画面を見つめた。

国内では3.0前後で収まっている。
Core-α v1.2は安定している。

タイの収縮率データが並ぶ。

2.2%。
±0.35。

国内の倍以上の揺れ。

神谷は静かに言う。

「水は同じでも、前提が違う」

オンライン会議。

現地技術責任者が言う。

「原料が違います。湿度も違う。炉も古い」

神谷は聞く。

「測定精度は?」
「±0.2%」

国内の四倍。

神谷は計算する。

k ≈ 3.2 mm/%
±0.2% → ±0.64ミリ。

底面は再び谷を作る。

藤堂が画面越しに言う。

「形だけ送ったな」

神谷は頷く。

「制度は送っていません」

第12章 異なる温度

タイの水温は30度を超える。

動粘度は低い。
流速分布が変わる。
レイノルズ数は国内より低い。
約五万。
流れの質が違う。

神谷はホワイトボードに書く。

Core = f(s, ν, Q)
収縮率。
粘度。
流量。

形は、環境の関数だ。

現地若手が言う。

「日本の式はそのまま使えません」

神谷は答える。

「使う必要はない。同じ問いを使う」
藤堂が画面越しに笑う。

「水は教えてくれる。だが見なければ教えん」

第13章 関数としての形

神谷は提案した。
Core-β-Global。

国内式をそのまま輸出しない。

現地データからk_localを再推定する。

Δh = k_local (s − s0_local) + b_local
収縮率の基準値も現地に合わせる。

湿度と収縮率の相関も入れる。

測定点は七から五に減らす。

精度目標は±0.08%。
完璧は求めない。

「制度は、その土地で回らなければ意味がない」

現地責任者が言う。
「形を送るのではなく、考え方を送るのですね」

神谷は頷いた。
「問いを送る」

第14章 問いの輸出

三ヶ月後。
タイ工場の試験室。
透明便器に水が流れる。

低速域は3.4平方センチ。
まだ国内より大きい。
だがクレーム基準内。

現地責任者が言う。
「削りが減りました」

神谷は言う。
「削りが減ると、何が残る」
「原因が残る」

その答えに、神谷は小さく笑った。

問いは輸出できた。

形よりも強いものは、問いだ。

第15章 適応する曲面

社長報告。

海外売上は回復基調。

営業が言う。
「競合は真似できない」

財務が言う。
「利益率が戻った」

神谷は言う。
「真似はできます。形は真似できる」

社長が聞く。
「では、何が違う」

神谷は答える。
「前提を明示していることです」

Coreは形ではない。
前提の束だ。
前提を測り、
前提を更新し、
前提を共有する。

それが固定だ。

藤堂は病室でその報告を聞いた。
「悪くない」

それだけ言った。

15/02/2026

第二部 固定という賭け

第6章 賭けの会議室

決裁は、あっけなかった。
社長の「やれ」で、会議は終わる。
それが大企業の強さであり、怖さでもある。
会議室を出た瞬間、空気が変わった。
設計本部長は神谷を見ない。
営業本部長は腕を組んだまま、笑っているようにも見える。
財務常務は資料を閉じる手が早い。
「三ヶ月だ」
社長が背中越しに言った。
「白鳳S一機種。結果を出せ」
神谷は頷いた。
「二つだけ条件があります」
社長が立ち止まる。
「ひとつ。内側は触らせません。現場の“調整”も禁止です」
「もうひとつ。失敗したら、失敗を隠さない」
財務常務が振り向いた。
「隠さない、だと?」
神谷は言った。
「隠すと、次も起きます」
藤堂が低く言う。
「揉むから残る」
営業本部長が笑った。
「きれいごとだ。発売遅延は誰が責任を取る?」
神谷は即答した。
「私が取ります」
静かに、会議室の空気が硬くなった。
外部の人間が言う言葉ではない。
社長が言った。
「責任は会社が取る。だが——」
目が細くなる。
「失敗を“資産”に変えられなければ、そこで終わりだ」
神谷は、短く答えた。
「はい」

第7章 失敗の面積

試作一号機は、予定より早く立ち上がった。
Core固定。
外側は差分生成。
自動チェックは全て「OK」。
肉厚最小2.6ミリ。
底面勾配0.36度。
簡易評価の低速域推定3.7平方センチ。
数字は、整っていた。
洗浄試験機が動く。
水が走る。
白い陶器の内側を回る。
排水音が消える。
吉岡がライトを当てた。
「……残ってる」
水膜。
面積は、5.6平方センチ。
目標は4.0以下。
神谷は、その場で言い訳を探さなかった。
「条件ログ」
研究員が読み上げる。
「流量ピーク2.68。平均1.62。水温18.4」
「収縮率は?」
生産技術が言う。
「2.05パーセント」
神谷は顔を上げた。
「基準1.8±0.2だな」
「範囲内だ」
範囲内。
便利な言葉だ。責任が消える。
藤堂は便器の底面を見たまま言った。
「底が変わった」
3Dスキャン差分が投影される。
底面一帯が、設計に対して盛り上がっている。
+0.6〜+0.9ミリ。
谷ができている。
そこに水が溜まっている。
Core固定は、設計形状を守った。
だが焼成は、別の形を作った。
今までなら、現場が削って合わせた。
削って、消して、出荷した。
その削りは、残らない。
データにならない。
会社の技術にならない。
神谷は、胸の奥が冷たくなるのを感じた。
固定は、現場の逃げ道を塞いだ。
逃げ道が塞がれたから、失敗が表に出た。
そして失敗は、面積になった。
5.6平方センチ。
翌朝、取締役会議室。
財務常務が資料を机に置いた。
「失敗だ」
営業本部長が言う。
「だから言った。市場は待たない。白鳳Sの発売はどうする?」
設計本部長は黙っている。
黙るのは、責任の形だ。
社長が神谷を見る。
「説明しろ」
神谷は立ち上がった。
「失敗です」
会議室が静かになる。
失敗を認めるのは、火消しの逆だ。
神谷は続けた。
「理由は明確です。収縮補正のモデルが弱い」
財務常務が鼻で笑う。
「言い訳だ」
神谷はホワイトボードに書いた。
固定の価値は、失敗が可視化されること。
営業本部長が怒鳴る。
「ふざけるな!」
神谷は視線を上げない。
「今までは失敗が現場で揉まれていました。
揉まれると、真因が残らない。真因が残らないと、次も起きます」
藤堂が言う。
「良い失敗だ」
空気が凍る。
経営会議で最も言ってはいけない言葉だ。
社長がゆっくり言った。
「神谷。対策は?」
神谷は答える。
「経験式で補正を作ります。二週間で再試作に入ります」
営業本部長が笑う。
「二週間?寝言だ」
神谷は短く言う。
「条件があります。現場の削りを禁止してください。今回は揉み消さない」
社長は一拍置いて、言った。
「やれ」
会議は終わった。
終わり方だけは、いつも同じだった。

第8章 削りの式

神谷はサーバルームに入った。
冷気が頬を打つ。
ファンの音が、低く唸る。
奥に、曖昧な名のフォルダがある。
「仕上げ補正」
「現場修正」
「金型逃げ」
“逃げ”という言葉が、やけに正直だった。
過去五年分の金型修正記録。
修正箇所。
修正量。
ロット収縮率。
不具合の種類。
修正後の改善。
ベテランが吐き捨てた。
「経験だ。式にできるか」
神谷は否定しない。
「式にしない限り、資産になりません」
藤堂は黙っている。
その黙りは、許可だ。
会議室で、神谷は問いかける。
「どこを削ってきました」
生産技術主任が言う。
「底面だ。必ず底面」
「量は?」
「0.5〜1ミリ。だいたい」
神谷は書く。
Δh(底面補正量) ≈ 0.5〜1.0 mm
藤堂が言う。
「だいたいじゃない。収縮率で変わる」
神谷は頷いた。
「だから、収縮率を説明変数にします」
神谷は最初の式を置く。
Δh = k (s − s0) + b
s0 = 1.8%(基準)
s = ロット収縮率
直線。
最初はそれでいい。
直線で説明できないところだけ、次に複雑化すればいい。
統計処理で係数が出る。
k ≈ 3.2 mm/%
b ≈ 0.1 mm
収縮率が1.8から2.05へ+0.25上振れしたら、
Δh ≈ 3.2×0.25 + 0.1
= 0.9 mm
試作一号機の差分マップは、+0.6〜+0.9ミリだった。
式が、現場の指先に追いついた。
吉岡が息を吐く。
「現場がやってたことが、数になった」
藤堂が言う。
「数は嘘をつかん。だが、数を作る人間が嘘をつく」
神谷は答える。
「ログも残します。失敗も残します」
神谷はCoreにパラメータを追加する。
収縮率sを入力。
Δhを自動算出。
底面ゾーンに逆補正。
G2連続を壊さないように、滑らかに接続。
Core-α v1.1。
作品が、資産に変わる音がした。
音はしない。だが、会社の中の何かが動いた。

第9章 その数値は誰のものか

二週間後。
試作二号機。
収縮率2.04%。
同じような条件。
洗浄試験。
排水音が消える。
吉岡がライトを当てる。
「……残ってない」
研究員が測る。
「低速域2.9平方センチ」
目標4.0以下。
誰も歓声を上げなかった。
数字が、ただそこにある。
経営会議。
神谷は言った。
「成功しました。ただし——」
成功のあとに「ただし」を言うのは、嫌われる。
「この成功は、入力が正しいからです」
財務常務が眉をひそめる。
「入力?」
神谷はホワイトボードに書く。
Core = f(s)
「収縮率sが曖昧なら、Coreは嘘になります」
生産技術が言う。
「収縮率は揺れる」
設計本部長が言う。
「予測は難しい」
財務が言う。
「全ロット測定はコストだ」
神谷は問いを置いた。
「収縮率sは、誰の責任ですか」
沈黙。
吉岡が言う。
「測っている。だが設計に渡していない」
生産が反論する。
「設計は聞いてこない」
設計が言う。
「聞いても精度が足りない」
神谷は短く言った。
「つまり、測られているが使われていない」
空気が変わる。
責任が形を持つ。
神谷は続けた。
「測定精度が設計精度を決めます。
今の±0.15%だと、底面誤差は±0.5ミリです」
水は溜まる。
藤堂が言う。
「測るなら、測れ」
社長が言った。
「測れ」
短い命令。
だがその命令は、現場の文化を変える。

第10章 測るという責任

測定が増えると、現場は嫌がる。
管理が増えるからだ。
炉の前は熱い。
粉塵が舞う。
神谷はベテランに聞いた。
「削ってきたのは、なぜですか」
「水が残るからだ」
「残ると何が起きる」
「クレームだ」
「削らなくて済むなら?」
男は黙った。
神谷は言う。
「削りをなくすために測る」
測定点は増えた。
頻度も増えた。
精度目標は±0.05%。
測定値はMESに登録され、
PLMに連携される。
設計は、焼成の前提を“知る”ようになった。
低速域のばらつきが減る。
3.0±0.4。
吉岡が言う。
「ばらつきが消えた」
藤堂が言った。
「やっと固定だ」
神谷は黙って頷いた。
固定とは、形を凍らせることではない。
前提を明示することだ。
前提が明示されれば、責任も明示される。
測るという行為は、
数字を増やすことではない。
責任の所在を決めることだ。

15/02/2026

『空洞資産(Hollow Asset)』
― 設計は何を固定するのか ―

プロローグ
水は形を持たない
北海道の冬、雪は音を吸い込む。
幼い頃、神谷誠はスキー板の先で斜面を読んでいた。
雪は固まる。削れる。流れる。
角度がわずかに違えば、体は前に出る。
重心が遅れれば、転ぶ。
雪は水だ。
凍っただけだ。
水は形を持たない。
だが、形に従う。
三十年後、北九州の工場で、
神谷は再び“流れ”を見ていた。
透明な便器の内側を、水が走る。
水は正直だ。
数字より正直だ。
だが、数字は残る。
水は形を持たない。
だが、形は会社を作る。
その日、東洋衛陶で、
水は止まった。
そして問いが生まれた。
――何を固定するのか。

第一部 止まるもの

第1章 底面の光

試験室は静かだった。
透明便器の内部に、水が流れ込む。
ピーク流量2.7リットル毎秒。
水温18度。
排水音が消える。
吉岡がライトを当てた。
底面に、水が残っている。
薄い膜。
面積11.8平方センチ。
神谷はモニターを見る。
試作時は3.1だった。
わずか0.27度。
底面勾配が寝ている。
1ミリに満たない差。
だが水は、その1ミリで止まる。
「設計値通りです」
若手が言う。
「焼成のばらつきです」
生産が言う。
「発売は遅らせられません」
営業が言う。
神谷はホワイトボードに書いた。
設計はどこで止まっている。
答えは出ない。
水は止まっている。
会社も、どこかで止まっている。

第2章 触れてはいけない曲面

藤堂恒一は、断面模型を机に置いた。
「触るな」
神谷は手を止める。
内側の曲面は、滑らかだった。
R17。
リム角2.3度。
「なぜ17ですか」
「流したからだ」
藤堂はそう言った。
透明模型で、何百回も流した。
水温を変え、流量を変えた。
レイノルズ数は七万近い。
完全な乱流。
「2度だと弱い。
3度だと飛ぶ。
だから2.3だ」
神谷は言う。
「それを固定しましょう」
藤堂は目を細める。
「作品だ」
「資産にします」
沈黙。
藤堂は言った。
「固定は進化を止める」
神谷は答える。
「固定は、ボトルネックを守る」

第3章 乱流の沈黙

解析室。
壁面せん断応力は11パスカルまで落ちている。
渦度ピークも低い。
低速域11.8平方センチ。
神谷は言う。
「内側を触るたびに、検証が止まる」
設計本部長が反論する。
「触らなければ改善できない」
神谷は首を振る。
「触る場所が散っている」
ホワイトボードに書く。
外側 ↔ 内側
「制約が分散している。
だから毎回、全部を疑う」
藤堂が言う。
「内側は守る」
神谷は続ける。
「守るなら、触らせない」

第4章 抜かれた空洞

Coreソリッドが画面に現れる。
内側だけの塊。
外側モデルを重ねる。
ブーリアン差分。
数秒。
形が完成する。
内側は変わらない。
外側だけが違う。
神谷は言う。
「制約を集中させる」
高瀬が呟く。
「壊せない設計ですね」
神谷は答える。
「壊す場所を限定するだけだ」
藤堂は黙って見ている。
その沈黙は、反対ではない。

第5章 制約の所在

取締役会議室。
財務が言う。
「固定は集中リスクだ」
神谷は答える。
「今は分散リスクです」
営業が言う。
「市場は待たない」
神谷は言う。
「止まっているのは市場ではありません」
社長が聞く。
「どこだ」
神谷は言った。
「内側です」
沈黙。
藤堂が初めて社長を見る。
「守れる」
社長は短く言う。
「やれ」

15/02/2026

自分の経験を小説風に書くことにしました。なかなか文学的な表現は難しいですね。内容的に分かる人は少ないかも 笑

【マス・カスタマイゼーションの魅力と準備】マス・カスタマイゼーションとは、お客様の要望に柔軟に対応しつつ、大量生産と同等の効率性を実現するものです。今まで、自動車を買う際にも、標準車種も色などの選択と機能オプションが選べるようになっています...
13/01/2020

【マス・カスタマイゼーションの魅力と準備】

マス・カスタマイゼーションとは、お客様の要望に柔軟に対応しつつ、大量生産と同等の効率性を実現するものです。
今まで、自動車を買う際にも、標準車種も色などの選択と機能オプションが選べるようになっていますが、自由度は極めて限定的です。先日、開催された東京オートサロン2020に30万人もの来場者があったようですが、昨今の自動車ばなれの傾向とは違っていて、多くの来場者は、独自にカスタマイズされた車種を目にして、刺激を受けていました。通常、販売されている車種では満足できず、オリジナル品を求めていることのあらわれです。標準車種よりもずっと高い値段で販売されているオリジナル車種に対して、即日契約をする人も多くいました。マス・カスタマイゼーションが実現したら、このように製品自体に付加価値をつけることができ、お客様の購買意識に火をつけることができるのではないでしょうか。

では、マス・カスタマイゼーションを実現するにはどうすれば良いのか。今までのように、部門毎の業務改革ではマス・カスタマイゼーションを実現することはできません。営業の視点では、お客様のニーズをとらえ、どのような部分をカスタマイズ性を高めたらよいのかを把握し、お客様のニーズが最大限に実現できるようにするだけでなく、お客様に対して新しい価値を提供できるような提案ができなければなりません。そのニーズも変化するなかで、販売システムのなかで、誰にどのようなカスタマイズをしたのかを管理できる仕組みが必要で、お客様毎の嗜好性を管理して、その分析結果を持ってお客様に最適なタイミングで提案をする。開発部門では、機能に影響を与える部分とそれ以外の部分とに設計部位を分離し、ニーズに合ったカスタマイズをどのようにさせるのかがポイントとなる。ソフトウェアの世界では当たり前になってきているのだが、ERPなどのパッケージソフトウェアがそうであるように、製品の機能を担保しながら、ユーザーに対するカスタマイズ自由度をどう提供するかが設計上重要になってくる。一方、製造部門では、今まで品番で指定をされていた製造品目が品番+パラメータのような形でくるようにしなければならないのかもしれない。それを受け取った製造部門では、製造指示は電子かんばんなどで、品番+パラメータから、指示かんばんが自動的に表示され、AGVなども自動的に指示にしたがった部材を取り、所定のセルに持って行くなどの仕組みとなる。計画系が一番複雑になるのかもしれない。どのように調達をするのか、部品加工の現場で柔軟性を持たせるためにどうするのか。まだまだ3Dプリンタでは量産のスピードについていけていない現状、如何に解決するのかは知恵が必要になってくる。

マス・カスタマイゼーションに対応するための準備として、情報の流れを構築することはできるのと、業務の変化には時間がかかるので、今のうちから切り替えをはじめ、できるところからカスタマイズ性を上げていくことが重要だと考えています。営業システムからPLM、生産管理、MESに至るまでの情報システムを品番だけでない個別の情報として流れる仕組みが必要です。ソフトウェアが得意な方であれば理解できると思いますが、今までのシステム間の連携は、関数渡しというか、サブルーチンをキックするような連携でしたが、これからのシステムではオブジェクトとしての受け渡しが有効になってきます。

10/09/2019

【019 CADの選択】
最近、CADの入れ替えをする会社が増えてきています。かつては、ハイエンドCADとミッドレンジCADとの機能差は大きく、ミッドレンジCADで最終形状まで作ることができないことが多かった。かなり似た形状までできているのに、最後の面が作れなかったり… しかし、モデリング技術に関しては成熟期にきていて、単品部品については、ミッドレンジCADで作れない形状はほぼなくなってきていると思います。ただ、局所変形機能が弱かったりするCADもあるので、自社が製造している製品の形状から決めればよいと思います。
では、ミッドレンジCADとハイエンドCADの違いはなにか…というと、アセンブリのボリュームによって選ぶべきだと考えます。例えば、ハイエンドCADであるNXと、ミッドレンジCADのSOLIDWORKSは同じソリッドカーネルであるPARASOLIDを使っています。しかし、アセンブリのメモリコントロール、表示コントロールをそのままPARASOLID+OpenGLでやっていては、大規模アセンブリに対応できません。SOLIDWORKSにも大規模アセンブリに対応するためのモードはありますが、その対応のレベルに差があります。
ミッドレンジCADの限界は、2000点部品あたりにあるのが現状だと考えます。自社製品が2000点以上の部品点数の製品を作られているのであれば、ハイエンドCADを選択すべきだと思います。ユニット毎にソリッド化して、Viewerでチェックする方法もありますが、全体を3Dにするメリットは大きく、活用レベルが広がります。

08/06/2019

【018 メカ、エレキ、ソフトの統合管理】

PLMの分野で、メカーエレキの統合管理というテーマはよく出てきます。設計起因のトラブルなどが、現象としてはメカで確認できるのに、対応はソフトやエレキでといったケースも多くありますし、機能ごとにモジュール化を進めようとした際に、メカとソフトは機能を実現するうえで切り離せない関係にあるといったことからです。

そうすると、次に話が出てくるのはメカ設計の担当が、メカとエレキって、設計するうえでそんなに関係性がないという話をされるケースがあります。
メカとエレキ(基板)などを考えると、メカ設計のうえで、エレキ基板の情報を戻して、製品内部の熱流体解析や電磁波解析などに使うといった程度しか思いつかないし、それは疎連携でもOKな話だからだと思います。しかし、メカトロニクスの機能部品を考えると、実はメカとソフトが密な関係にあって、ソフトを安定的に動かすベースがエレキなんです。すなわち、メカの情報管理の視点では、メカーエレキの先にソフトがあるのですが、機能管理の視点、モジュール化の視点では、最上位にソフトがあって、それを動かすベースがエレキ、ソフトが動かすモノがメカなのです。それ故、メカとソフトを一体管理し、ソフトの動作前提にエレキがあると考えるとすっきりしませんか?

14/02/2015

【017-001 未来を描く方法】
 人間は今まで不便だと思うこと、面倒だと思うことについて解決しようと考えてきた結果、新しい技術を生み出してきたと思います。自動車を例にとっても、そうだと思います。かつて不便に思うこと、面倒だと思うことを解決してきたと思いませんか? 高速道路でのお金のやり取りが面倒でETCが生まれ、雪道でチェーンをはめるのが面倒で、スパイクタイヤになり、スタッドレスタイヤになった。目的地まで行くのに、地図を広げていたのが面倒で、ナビゲーションシステムが生まれた。
 これからの自動車を考えるときに、今、不便に思っていること、面倒だ嫌だと思うことを列挙してみると、それらを解決された姿こそが未来自動車なのだと思います。
 ・渋滞は嫌だ、特に高速道路での渋滞は・・・
 ・運転中、眠くなる
 ・夜間の運転中、対向車のライトがまぶしい
 ・ハンドル操作を誤って事故
 ・駐車場ではいつも場所を探して大変
 ・車庫入れは今でも苦手
 ・ガス欠・・・そもそもガソリン入れるために移動?ありえない。
 ・タイヤの交換、パンク
などなど、まだまだ出てきます。恐らく数人でブレーンストーミングをしたら、数百のクレームが出てくると思います。それに対して、それに関係する機能部品がなくすることはできないのか、究極変化をするとしたらどうなるのかを考えると、いろいろな技術課題が出てきます。
 夜間、何故、ライトが必要なの? まぶしいじゃん。暗い夜道もセンサーで人・物の存在がわかるなら、それをフロントガラスに投影すれば良いのでは?とか、
 ハンドル操作を誤るのは、ハンドルはタイミングよく、正しい回転数回さないと、とんでもないところに突っ込んでしまうからで、道の分岐点における判断だけを指示するのだとしたら、選択型のデバイスが良いのではないかとか・・・
 
 部品会社もいつか自分が供給している部品がなくなってしまうかも?と思ったりしないのでしょうか? 時代を先読みして、技術開発を進める。今は、同じものを作り続けるのではなく、必要とされるものがなんなのかを見極め、その技術開発を先行させることが必要なのではないでしょうか。売れるものを企画せよというが、既存技術の組み合わせだけでできるものは限定されます。

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