19/05/2026
【令和7年度 成果連動型民間委託契約方式(PFS)に関する実態調査報告】
▼研究員による政策研究レポート
https://tinyurl.com/3cfbe2dz
公共のサービスや事業を民間に委託するにあたり、民間の創意工夫を促し、事業効果の向上を図る仕組みとして、次の2つが注目されています。
・自治体が成果に応じて民間事業者に報酬を支払う「成果連動型民間委託契約方式(PFS)」
・PFSによる事業を受託した民間事業者が、金融機関等の資金提供者から事業資金を調達し、その返済等を、成果に連動して自治体から支払われる額に応じて行う「SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)」
そこで当社では、全国の全都道府県および市区町村を対象に、PFS・SIBの実態と課題に関する調査を実施しました。
▼調査結果概要
✔PFS・SIBの認知度について、約8割の団体が存在を認知しており、団体内での認知度は一定の水準に達している。一方で、
具体的な仕組みまで理解している団体は少なく、内容の理解は十分には進んでいない。
✔PFS・SIB導入の検討状況は、現在または過去に導入した経験のある団体の割合は1割を下回る。PFS・SIBを検討に至っていない理由としては、「庁内全体でPFS・SIBに対する理解が進んでいないから」「検討の方法・手順がよくわからないから」「PFS・SIBについて詳しく知らないから」が多い。行政職員の間でPFS・SIBに対する。
理解が十分浸透していない状況がある。
✔一方で、PFS・SIBへの関心を有する団体は6割を上回っており、特に政令指定都市において関心が高い。
PFS・SIBに期待するメリットとしては、「成果に応じた報酬の支払いによる、民間事業者の事業改善の努力の促進」が最も多く挙げられており、PFS・SIBを推進する意義は高い。
✔PFS・SIBの導入経験はないが、導入を検討している団体は、「健康・医療」「介護」などの既存事例の蓄積がある分野を中心に、「施設の維持管理」や「まちづくり」などの分野について導入の検討を行っているなど、高い関心を持っている。これまでPFS・SIB事業の導入件数の少ない新たな政策分野に対しても導入意向が持たれている。
✔PFS事業の導入に向けた難しさや苦労としては「適切な成果指標を設定するのが困難なこと」や「妥当な成果目標の水準の設定が困難なこと」が中心となっており、報酬を連動させる成果指標の設定に対する難しさや苦労を感じている。
✔PFS・SIB事業の検討を進めるにあたり必要な支援としては、「先進事例の情報提供」や「導入の手引きやマニュアルの提供」といった情報提供に関するものが中心であった。
✔公共施設の運営・維持管理に関する官民連携事業の事業手法としては、8割以上の団体で「指定管理者制度」の導入実績があり、最も多く採用されている。事業分野としては、「文化社会教育」分野での導入実績が最も多く、7割以上の団体で実績がある。
✔公共施設の運営・維持管理に関する官民連携事業においてインセンティブやペナルティーの仕組みを設定した事例がある団体は1割程度にとどまったが、モニタリング指標を用いたインセンティブやペナルティーの仕組みの導入に関して「具体的な動きがある」「関心がある」のいずれかに該当する団体が過半数を占めており、関心の高さがうかがえる。
■調査対象:全都道府県、全市町村、東京都特別区 計1,788団体
■回収数(率):590団体(33.0%)