耶馬台コーポレーション

耶馬台コーポレーション 不動産に関するコンサルティング、全国貸地貸家協会の新聞「全国貸地貸?

株式会社耶馬台コーポレーション(ヤマタイ)は、全国の不動産オーナーの協会である全国貸地貸家協会の新聞「全国貸地貸家協会新聞」を毎月1回発行しております。当社代表が編集長をしており、当社が委託販売をしております。(年間購読料¥6,000) 相続税・固定資産税等税関係、借地・借家権等法律問題、不動産にかかわるトラブルや、太閤検地以来の日本の不動産の歴史等、他には類のない内容となっており、全国の不動産オーナーの方々・不動産関連企業よりご好評をいただいております。また、不動産に関する様々なご相談をお受けしております。

自己信託を使って民事信託を活用しようまず、民事信託とは何でしょうか。これは一部では家族信託とも呼ばれています。10年ほど前に信託法が変わりできるようになった財産の処理の仕方ですが、最近脚光を浴びるようになってきました。その仕組みは以下のよう...
16/04/2018

自己信託を使って民事信託を活用しよう

まず、民事信託とは何でしょうか。これは一部では家族信託とも呼ばれています。10年ほど前に信託法が変わりできるようになった財産の処理の仕方ですが、最近脚光を浴びるようになってきました。その仕組みは以下のようなことです。

自己信託を使って民事信託を活用しよう

マンション判例・探索14 共用部分不当損傷・不当使用 http://wp.me/p25hWn-fl
27/04/2015

マンション判例・探索14 共用部分不当損傷・不当使用 http://wp.me/p25hWn-fl

マンション共用部分の不当損傷事件は、当新聞のマンション判例シリーズで以前にも少し紹介したことがありますが、今回は共用部分の不当損傷と不当使用についてもう少し詳しく見てみたいと思います。 先ずは、バランス釜取り付けのため、バルコニー外壁に孔を開けた区分所有者に、管理組合が原状回復を求めた訴訟です。(東京地裁平成3年3月の判決 平成元年(ワ)13769号) このマンションのバルコニー側(南側)の東側外壁はマンション全体の壁柱の一つであって、当然共用部分となりますが、この共用部分に無断で孔を開けた区分所有者がいました。被告Yです。事情を知ればなるほどという感じもしますが、法律を味方にする場合には、やはり外堀から段階を踏んで埋めていかなければならないことを知らされる事件です。 東京都新宿区にある1968年築の八階建て69戸のマンションにおいて、被告Yはバルコニー側の東側外壁(壁柱)に甲と丙の孔を開け、甲乙丙の孔に配管を通してバランス釜を取り付けました。被告Yが開けたのは甲と丙で、乙は元の区分所有者が開けた孔でした。もともとバランス釜の排気は廊下側(北側)に抜ける排気孔によっていましたが、被告Yが昭和58年3月に入居する以前にバランス釜と浴槽は取り外され、排気孔は塞がれて、被告Yはバスタブに湯沸かし器から直接給湯していました。 しかし、その方法は湯沸かし器の能力を超え、湯沸かし器の消耗も激しく、時に爆発音とともに炎が吹き出すなど故障が度重なり、被告Yは何とかしたいと考えます。それには湯沸かし器を取り替えるのが有効な方法でしたが、既設の同タイプの湯沸かし器は古くて入手できず、新製品を取り付ける場合は既存の排気孔が使用できないことを知り、被告Yはあきらめて銭湯に通うなど、不便を忍んでいました。 昭和63年、結婚にあたって被告Yは、この問題を解決しようと、壁柱に甲・丙の孔を貫通させ、もともとあった乙の孔も利用して排気管を通し、本件釜を取り付けました。被告Yは1級建築士で建築の知識もあったことから、穿孔には慎重を期して鉄筋に損傷を与えないよう配慮し、孔も小さいし、バランス釜も小型で壁柱の強度を弱めないだろうと確信をもって穿孔を実行しました。  問題は、ここが共用部分であることです。共用部分に無断で孔を開けて、管理組合が黙っているはずがありません。区分所有法17条1項で、共用部分の変更は集会の決議が必要なことが規定されています。管理組合は平成元年4月の集会の決議で被告Yに対し、孔を塞ぎ釜を撤去して壁柱の原状を回復する訴訟を提起することを決議しました。  裁判では、区分所有法6条1項(区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。)に違反するとして、同57条により、その行為の結果を除去し、必要な措置を執ることの請求ができることから、管理者及び他の区分所有者である原告らXの請求の通り、被告Yに、孔を塞ぎ原状に復することを求めました。元の所有者がバランス釜を取り外していて、風呂の使用に支障があることを承知で取得したのだから、解決策が得られるまで銭湯に行くなどして忍ぶべきだった、とも付け加えています。  このマンションでは、他の区分所有者にも同様の経年劣化が起こっていたことから、管理組合としても検討を重ねており、東京ガスから、廊下側に新製品を設置し、廊下側の壁(壁柱ではない)に排気孔を設ければよいとの解決策も示されたのに、被告はこれを無視して穿孔を強行したことも指摘し、被告Yが主張する原告Xの権利の濫用には当たらない、と判示しました。 修復工事等請求事件 不当損傷行為の2つ目です。 店舗所有の区分所有者が給湯管配管工事のため共用部分である壁を開口破損した結果、耐震力が減少したとして、ビルの管理者がその修復工事を求めた訴訟で、被告Yらの違法行為の存否と管理者原告Xに原告適格があるかが争われました。(東京地裁平成6年2月の判決 平成四年(ワ)18228号) 東京都が分譲した東京都心の、地下1階から4階までが営業用店舗となっているビルで、被告Yらは、サウナ営業に伴う給湯管を通すため、3階天井部分のコンクリート壁を幅1メートル、縦50センチに破損開口する工事を行いました。管理組合の理事長であり、規約により管理者である原告Xは、工事によってビルの内壁を破損するという不法行為をしたとして、被告らYに壁の修復を求めて、提訴しました。これに対し、被告らYは、この壁はそもそも耐震壁ではないし、当時のビルの管理者に承認を得て工事を行ったのであり、他に何らの害を及ぼしていないと主張しました。 この工事は昭和57年5,6六月頃に行われており、区分所有法は昭和58年に改正されたので、工事は旧法下で行われており、訴訟は新しく改正された新法下で行われたケースで、両法から判断されています。 この訴訟で争点となった原告適格については、この判例シリーズでも一度登場していますが、原告として訴訟を適法に追行し判決を受けることのできる資格があるかどうかが裁判の開始前に判断され、原告適格がないと判断されたら、原告の請求は却下となります。 被告らYが工事のために破損した壁は共用部分に該当すると考えられ、原告Xが被告らYに請求する修復行為は共用部分の保存行為と考えられます。共用部分の保存行為は、区分所有者間の利害のかかわりから、2通りに分かれます。 一つは、区分所有者相互間に利害の対立がないような、区分所有者の誰もが納得がいくような、つまり通常予想されるような保存行為の場合です。区分所有者相互にさほど違いがないので、保存行為を区分所有者が個別にすることもできるし、区分所有者に代わって、管理者も保存行為ができるよう、その権限を認めています。そのことは区分所有法26条で規定されており、規約または集会の決議で決まれば訴訟を提起することもできます。 それに対し、このケースのように、通常予想されないような保存行為である場合は、利害の程度にも相互間に差があるので、区分所有者全員でのみすることができるようになっています。区分所有法57条1項では、区分所有者全員で、共同の利益に反する有害な行為の結果を除去することができると定めていますが、2項では、訴訟を提起するには集会の決議によらなければならないと規定しています。事柄が重大であるため、区分所有者全員の意思の確認が必要だからです。ただ、全員というのは現実的でないので、多数決で全員の意思を代替できることとし、更に、3項では、全員の他にも集会の決議があれば、管理者が訴訟を提起することも認めています。ただ、規約によって包括的に管理者にその権利を与えることはしていません。なぜなら、その行為が通常予想されないものであるため、その都度区分所有者に判断させる必要があるからです。区分所有者全員でそのことをよく考えなさいということです。 原告Xは、前者の、通常予想される保存行為であることを前提として、26条及び規約に基づいて修復工事の請求をしましたが、裁判官はこのケースは後者に該当するとして、26条による請求は許されないとしました。このケースでの訴訟は57条に基づいて行うべきだということです。ただ、その要件である集会の決議を経ていないため、いずれにしろ、訴えを提起することはできないとして、原告Xには原告適格がないと判断し、原告Xの請求を却下しました。本件については、旧法を根拠としても、管理者が訴えを提起することはできないとされました。

マンション判例・探索13 住民活動協力金請求事件 http://wp.me/p25hWn-fe
31/03/2015

マンション判例・探索13 住民活動協力金請求事件 http://wp.me/p25hWn-fe

マンション管理費に個人と法人で差を付けたものについて以前取り上げたことがありますが、今回は、賃貸に出すなどして居住していない不在組合員に対し、協力金という負担金を求めることで居住組合員に差を付けることが認められるかが最高裁まで争われたケースです。 大阪市内で大阪住宅供給公社が昭和40年代に建築分譲した14階建て4棟、総戸数868戸のマンション団地の区分所有者全員で構成される団地管理組合が、不在組合員に対し、住民活動協力金の支払いを求めて訴訟を提起したものです。不在組合員とは、賃貸に出していたり空室になっていたりして専有部分に居住していない組合員のことをいい、平成16年頃には170~180戸まで達していました。全体の2割に当たります。管理組合の役員は、その選挙規程により、区分所有者、その配偶者又は3親等内の同居の親族で、かつマンションに居住している者の中から選任されることになっており、従って、不在組合員は実質的に役員が免除されていることになります。 そのため居住組合員の中には、「不在組合員は役員にもならず、居住組合員は保守管理や環境の維持に努めているのに、不在組合員は何も協力していない」と、不満を持つ人が現れました。「我々の日頃の努力に乗っかって利益だけを享受しているではないか」という声も聞こえてきます。そこで、理事会は不在組合員に負担の一端を担わせる方法として、平成16年3月の総会で1戸あたり月額5,000円の協力金を徴収するという規約改正を提案し、区分所有者及び議決権の4分の3以上で可決されました。 管理組合は平成16年8月以降、改正された規約に基づき、不在組合員に上記の協力金の支払いを求めます。大多数は支払いに応じましたが14戸(7名)が支払いを拒否したため、管理組合は順次支払いを求める訴訟を提起しました(第1ないし第5事件)。1審判決は5つの裁判のうち、原告請求の結果が3対2で認容と棄却に分かれ、全部が高裁に控訴されましたが、その中の一部の控訴審で、協力金は月額2,500円に減額するという和解が成立しました。 これを受けて管理組合Xは、平成19年3月の総会で、「協力金」を「住民活動協力金」に名称変更して、その額は月額2,500円とし、一般会計に組み入れる規約改正案を提案し、特別多数決議で可決されました。また、「役員は理事会の決議によりその活動に応じた必要経費と報酬の支払いを受けることができる」とする規約の変更も同時に提案され、これも可決されました。 管理組合Xから訴訟を提起された7名のうち2名は和解に応じましたが、支払いを拒否した5名(12戸)について大阪高裁で判決があり、管理組合Xの請求は棄却されたのですが、その理由は、「本件規約変更によって役員の報酬と必要経費が支払われることになったが、これにより役員の精神的・肉体的負担や不公平感は補てんされることになった、役員の諸活動は区分所有者全員の利益のために行われるものであるから、役員報酬・必要経費の財源は全員で負担すべきものであり、不在組合員であるがために避けられない印刷代、通信費等の出費相当額を不在組合員に加算して負担させる程度であればともかく、住民活動協力金としてその全額を不在組合員に負担させる合理的理由はない」というものでした。従って、その規約変更は、「一部の区分所有者の権利に特別の影響をおよぼすべきとき(31条1項後段)」に該当し、その者の承諾のない規約変更は無効であるとして、控訴を棄却したのです。この総会では住民活動協力金と役員報酬の支払いの規約改正が同時に行われたことから、高裁裁判官は、役員報酬の全額を住民活動協力金から充当すると考え、役員報酬は不在組合員のみが負担すべきものではないと判断したと考えられます。 管理組合Xはこれを受けて最高裁に上告します。個別に5つ訴訟を提起し、棄却されたものは控訴し、認容されたものについては被告として控訴され、更に一つを最高裁まで上告したのですから、その労力と負担は大変なものだったろうと推測されます。 さて、この最高裁まで持ち込まれた住民活動協力金に関する規約変更が適法かどうかについては、その判断のもととなった区分所有法30条、31条の規約事項の解釈としては、初めての最高裁判断となります。これについて最高裁で示された判旨は以下のようなものでした。 「本件マンションはその規模が大きく、環境の維持管理やそれに類する活動が不可欠であるが、不在組合員は労務の提供をするなどの貢献をせず、更には管理組合の選挙規程から役員になることもないためその任務も免れており、一方で居住組合員だけが役員に就任して、不在組合員を含む組合員全員のために団体活動に貢献しその保守管理に努め、不在組合員はその利益のみを享受している」というものです。 「本来管理組合の運営に必要な業務やその費用は、組合員全員が平等に負担すべきものであり、業務の分担が困難な不在組合員に、規約変更によって金銭的負担を求めることで不公平を是正しようとすることに必要性と合理性が認められる」としました。  また、「19年3月の総会の決議によって、役員に対する報酬及び必要経費の支払いが規約上可能になったものの、管理組合の活動は役員のみによって担われているものではなく、不在組合員と居住組合員との不公平がこの報酬によってすべて補てんされるものではない」として、「役員への報酬によって精神的・肉体的負担や不公平感は補てんされることになった」とした大阪高裁の判示を否定しました。  住民活動協力金は当初規約で決めた5,000円から、他の控訴審の和解を受けて2,500円に減額しており、最高裁では、居住組合員の組合費が17,500円であるのに対し、不在組合員は20,000円で、15%増しに過ぎないということも判決の一つの理由にあげています。しかし、組合費の内訳をみてみると、一般管理費が8,500円で修繕積立金が9,000円となっています。修繕積立金は不在組合員であろうと居住組合員であろうと一律であってよいはずで、一般管理費だけからみると、居住組合員が8,500円なのに対し、不在組合員は2,500円増しの11,000円となり、30%増しと考えるのが正しい見方と言えるかもしれません。  以上を総合的に判断し、地裁で焦点となった「特別の影響を及ぼすべきとき」に該当するかどうかを判断しています。区分所有法31条1項後段の「規約の変更等が一部の区分所有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない」という定めの判断の基準として、「規約の設定、変更等の必要性及び合理性とこれによって一部の所有者が受ける不利益とを比較衡量し、当該区分所有関係の実態に照らして、その不利益が一部の区分所有者の受忍すべき限度を超えると認められる場合」という平成10年の最高裁の判決を引用して、住民活動協力金の支払いを拒んでいるのは180戸のうち12戸を持つ5名にすぎない等の事情に照らし、規約変更にはその必要性と合理性があり、規約変更により不在組合員が受忍すべき限度を超える不利益を受けるとは認められないとして、「特別の影響を及ぼすべきとき」に該当しないと判断しました。 最高裁は高裁判決を破棄して、第一審の地裁判決を支持、住民活動協力金を定めた規約変更は適法であるとして原告管理組合Xの請求が認められたわけですが、この判決については多方面からの批判もあるようです。最高裁では全員一致の判決だったようですが、そもそも5つの地裁での訴訟のうち2つは原告の請求が棄却となっており、認容とされたものも高裁で棄却されたりと、判断が分かれています。裁判というのはそれぞれ異なった状況で複雑な条件の絡み合いで結論が出され、その一つの要素が異なっていれば違う結論が出る可能性があります。例えば平成16年の総会決議で決まった協力金の額5,000円のままであれば、異なる判決になった可能性も否定できません。 また、この裁判では役員就任を拒否したり、組合活動に非協力的な居住組合員の存在は認めながら、それへの協力金賦課については検討の余地ありとのみ言及していますが、この問題の解決は相当難問であろうと思われます。また、不在組合員は選挙規程によって役員になれないことになっており、結果として役員活動をしないからと言って負担金を課すことには不合理があり、そもそも居住していることを役員の資格要件とする必要があるのかという問題もあります。 いずれにしてもこの判決をみて、不在組合員に特別の協力金を課す規約は区分所有法に照らして適法であると即座に判断するのは早計であると言えるでしょう。

築年代別マンションの問題点と対応の可能性 http://wp.me/p25hWn-f2
06/03/2015

築年代別マンションの問題点と対応の可能性 http://wp.me/p25hWn-f2

全国貸地貸家協会新聞の平成26年11月号、12月号、そして27年1月号では「築年代別マンションの問題点と対応の可能性」をウチヤマコーポレーションの鋤柄紀彦氏に取材しました。賃貸のテナントの要求は高まってきていて、入居募集に際しても相当の設備があることが求められます。そこでリノベーションが必要になる訳ですが、色々なリノベーションの検討に際して、一体築年代別にマンションの作られ方に対応してどのような制約があるのか。従来はあまり正面から取り上げられなかった、この、しかし重大な問題について、3回にわたって連載しました。一棟賃貸マンションの大家さん、区分所有のマンションを貸したい人たち、不動産業者さん、管理会社さん必読です。

宅配ボックスの設置と拡大するその使い方 http://wp.me/p25hWn-f0
06/03/2015

宅配ボックスの設置と拡大するその使い方 http://wp.me/p25hWn-f0

全国貸地貸家協会新聞(平成26年10月号)では「宅配ボックスの設置と拡大するその使い方」を取材・報道しています。日本宅配システム株式会社の取締役副社長富田仁氏のインタビューです。宅配ボックスそのものも昔のダイヤルによる機械式のものから、最近のコンピューター式のものに変わってきていますが、更に、その使い方においても、物を預かるだけではなしに、逆に物を渡す方向にも大きく変化してきています。賃貸物件においても必須のものとなりつつあります。

文京区本郷、東大徒歩圏に昭和四九年に分譲された10階建て37戸のマンションで管理費徴収をめぐり起きた訴訟です。 http://wp.me/p25hWn-eU
04/03/2015

文京区本郷、東大徒歩圏に昭和四九年に分譲された10階建て37戸のマンションで管理費徴収をめぐり起きた訴訟です。 http://wp.me/p25hWn-eU

文京区本郷、東大徒歩圏に昭和四九年に分譲された10階建て37戸のマンションで管理費徴収をめぐり起きた訴訟です。区分所有者の法人名義と個人名義で管理費等に差を付けたことが区分所有法等にてらし違法であるかどうかが問われました。 原告管理組合Xが法人組合員と個人組合員に差を設け、被告Yに法人用の管理費・修繕積立金を請求したのに対し、被告Yはこれを不服として個人組合員と同等の額しか支払っていなかったことから、原告管理組合Xは平成元年12月、その差額937,144円と遅延損害金の支払いを求めて提訴したものです。  では、詳細を見てみましょう。 被告Yは、昭和63年1月に会社名義で購入した区分所有者で、その後住居として使用しています。分譲マンションにおいては、マンションの維持・管理のために、区分所有者全員が管理費・修繕積立金を管理組合に納めるのは当然のことで、被告Yもそのことは承知しています。しかし、このマンションでは所有名義が個人か法人かでかなりの差を付けて管理費等を徴収しています。区分所有法の原則では、持ち分に応じての平等の負担となっているのですが、一方で、同19条では管理規約や集会の決議でそれと異なる定めをすることを認めています。 原告管理組合Xは、管理規約第13条で、 「1 組合員は敷地及び共用部分の管理に要する費用を負担しなければならない。 2 前項の費用の負担については、法人組合員と個人組合員との間に差を設けることができる。  3 第1項の額並びに前項の差及びその割合については総会の決議による」         と定められているから、原告Xは総会の決議に従った管理費等を徴収することができると主張しています。  原告管理組合Xは、昭和60年3月の設立総会で、「管理費等の徴収額は法人組合員と個人組合員を区別すること、法人の管理費は1ヶ月坪当たり2,240円、修繕積立金は管理費の30%とする」と決議したことにより、被告Yの毎月支払うべき管理費は73,130円、修繕積立金21,930円に決定したと主張しました。 更に平成元年5月の定例総会において、「修繕積立金を増額し、法人会員の修繕積立金は平成元年7月分から1ヶ月坪当たり930円とする」と決議したことにより、被告Yの毎月支払うべき修繕積立金は30,360円であるとして、毎月個人会員と同額の管理費等しか支払って来なかった被告Yに対して、被告Yの購入から約2年間のその差額937,144円と遅延損害金を支払うよう求めました。原告管理組合Xは、同時に平成元年12月21日以降被告Yが原告管理組合Xに対して毎月支払うべき管理費は73,130円で、修繕積立金が30,360円であることの確認も求めました。 これに対し、被告Yは、昭和63年5月の規約改定前には第13条2項の規定、即ち個人と法人の管理費等に差を設けるという規定はなかったと主張します。これについては裁判官も、設立総会の開催通知書に、議案として個人組合員と法人組合員とで差を設けることが記載されていないことをあげ、持ち分に応じての平等の負担という区分所有法の原則を変更するのだから、その旨の明文の規定があるべきなのに欠けているとして、昭和63年5月の定例総会ではっきりと明文化する以前については、少なくとも手続き上は、差を設けた管理費等の徴収は違法であるとしました。 更に被告Yは、法人と個人の管理費等の格差の大きさを問題にし、昭和60年3月の設立総会における決議に従って計算すると、法人対個人の管理費等の比率は、1.723対1であり、平成元年5月の定例総会の決議では、1.651対1になりましたが、それでもこの法人組合員と個人組合員との格差は、合理的な限度を超えた不平等なものであり、これらの決議は区分所有法の趣旨及び公序良俗に反して無効であると主張しました。 管理費等に法人、個人の格差を設けた理由として、原告管理組合Xは負担能力の差をあげていますが、裁判官はそこを突いてきます。小規模法人が収入が高いとは限らないし、課税についても、法人は管理費を経費化できる点はあるけれども、例えば給与所得者にも給与控除があるなど、課税の仕方もその理由があり、負担力に応じるというのであれば、よりきめ細かな区分が必要であって、単に法人、個人といった区分方法程度では手段として不適切である、と指摘します。 原告管理組合が格差を設けた理由に負担能力の差のみを挙げているのに対し、裁判官は、持ち分に応じた負担以外の方法として、様々な角度からいろいろな方法に言及しています。例えば、共用部分を使用する程度又はこれによる収益の程度に応じる、という方法も紹介しながら、しかし法人が使用程度が多いとは断言できないし、収益の程度は業種・業態で異なると反対理由をあげています。更に言うなら、水道の使用量の多い住人はパイプの維持費を余計に支払うべきだかとか、家族の多い住人はエレベーターの電気代も余計に支払うべきだという議論もあるかもしれないとして、実質的な利用状態を無視して単に所有の名義だけで差異を設けることは著しく不合理であるとしています。 被告Yは法人会員ではありますが、実際は居住用に使用しており、裁判官はそのことへの考慮もないことを指摘し、更に管理費等の定め方について両者の協議が十分になされないままこのような決議に及ぶことは問題であるとしています。結論として、組合規約及び金額の決議は、管理費等の徴収で法人組合員に差別的取扱いを定めた限度で、区分所有法の趣旨及び民法第90条「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。」の規定により、無効であるとして、原告Xの請求を棄却しました。 東京ではマンションの管理費の平均は15,000円と言われていますが、マンションの管理費の使い途としては、管理会社への支払い、固定資産税、エレベーター等共用設備の保守維持費、損害保険料、日常的な小修繕費など様々に及び、組合としては資金を潤沢に持ちたいところでしょう。その収入源としては各区分所有者から徴収する管理費が100%です。より良き維持と管理を求めるならある程度高い管理費・修繕費になるのもやむを得ないところですが、マンション全体の戸数によってその総額はかなり変わって来ます。戸数の少ないマンションでは、総額も少な目になり、この件においても管理組合としてその対策を考えた結果、法人から多く徴収しよう、ということだったのでしょう。 マンションの規約変更(4分の3以上)や総会の決議(通常は2分の1、特別決議は4分の3以上)は多数決で決まるため、少数者に不利な定めが設けられる可能性があり、このマンションも法人より個人所有の区分所有者がはるかに多かったのではないかと考えられますが、総会の決議で決まってしまえば従うしかなく、場合によっては、数での横暴も起こり得ます。 区分所有法では31条の「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。」という規定によって歯止めをかけて、少数者を保護しています。 世間では、複合マンションにおいて、店舗対事務所対住居=3対2対1に管理費を設定しているマンションなどもあるように聞きますが、この裁判官だったらどのように判断するのか興味のあるところではあります。

マンション判例の探索10-管理規約http://wp.me/p25hWn-dn
03/03/2015

マンション判例の探索10-管理規約
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マンション、判例、管理規約

マンション判例の探索9ー管理組合の訴訟上の立場http://wp.me/p25hWn-cH
24/02/2015

マンション判例の探索9ー管理組合の訴訟上の立場
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マンション判例の探索9ー管理組合の訴訟上の立場 mitachi 2014年3月7日 マンション判例の探索9ー管理組合の訴訟上の立場2015-02-11T10:08:44+00:00 マンション判例 No Comment 中野コープ・ブロードウェイ・センタービル不当利得返還請求事件 中野コープ・ブロードウェイ・センタービル(通称中野ブロードウェイ)は、中央線中野駅前の、昼間でも人波の行きかう商店街、中野サンモールに続く奥で最後が早稲田通りに面した複合ビルです。建設事業費60億円をかけて昭和41年に完成し、低層階はショッピング・センター、5階以上は集合住宅となっており、全242戸を有し、屋上には庭…

奥山手の一棟マンション賃貸事情とリノベーションhttp://wp.me/p25hWn-d9
23/02/2015

奥山手の一棟マンション賃貸事情とリノベーション
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奥山手の一棟マンション賃貸事情とリノベーション mitachi 2014年2月22日 奥山手の一棟マンション賃貸事情とリノベーション2015-02-11T09:49:06+00:00 コンサルティング No Comment 「田園都市線沿線」「小田急線沿線」「京王線沿線」「JR中央線沿線」「西武新宿線沿線」「西武池袋線沿線」「東上線沿線」のオーナーの皆様へ 東 京西部郊外の多摩丘陵、武蔵野台地に広がる広大な住宅地の事を、山の手の先にある住宅地と言う意味で「奥山手」の住宅地と呼んでよいと思います。具体的に は田園都市線の多摩川を渡った二子新地より先、つまり中央林間までと、小田急線の狛江より町田ま…

マンション判例の探索8-管理者の解任http://wp.me/p25hWn-bi
21/02/2015

マンション判例の探索8-管理者の解任
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 #マンション判例 の探索7ー #管理規約 の成立・管理者の選任http://wp.me/p25hWn-aN
17/02/2015

#マンション判例 の探索7ー #管理規約 の成立・管理者の選任
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当初のマンション販売会社が個別に管理契約を結んだ場合、それが管理規約と言えるか。管理者はいつ選任されるのか。管理費の支払い義務。

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野方1丁目29-1 102
Nakano-ku, Tokyo
165-0027

電話番号

+81333887515

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