07/02/2018
2018年度診療報酬改定の詳細が決定
2018年度改定における改定率は、技術料に当たる本体部分がプラス0.55%で、国費ベースで600億円程度の引き上げとなった(関連記事:診療報酬改定率、本体は0.55%の引き上げ)。本体部分がプラス0.49%、国費ベースで500億円程度の引き上げとなった2016年度改定を上回る財源を確保した。
2018年度改定では、基本方針に「医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価」「外来医療の機能分化、重症化予防の取り組みの推進」「質の高い在宅医療・訪問看護の確保」「国民の希望に応じた看取りの推進」などが盛り込まれた。こうした基本方針の下、入院医療では医療機能や患者の状態に応じた評価体系とするため、入院料が再編・統合された。
7対1と10対1入院基本料を「急性期一般入院基本料」に再編・統合
新しい入院料は、看護職員配置や平均在院日数などの「基本的な診療にかかる評価」(基本部分)と、重症患者割合や在宅復帰率などの「診療実績に応じた段階的な評価」(実績部分)の2階建ての構造になる。重症患者を受け入れたり、早期に退院させるといった「アウトカム」が問われ、一定の診療実績を上げられなければ高い入院料は算定できなくなる。
急性期医療では、一般病棟入院基本料のうち7対1と10対1入院基本料が「急性期一般入院基本料」に再編・統合される。同入院基本料は急性期一般入院料1~7の7段階に設定され、基本部分で「看護配置10対1以上」「平均在院日数21日以内」が要件化。実績部分の評価には「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の該当患者割合が用いられ、段階的に点数が設定される。
最も高い入院料1は現行の7対1入院基本料に相当。入院料1のみ「看護配置7対1以上」「平均在院日数18日以内」が要件となる。入院料1の点数は現行の7対1と同じ1591点に据え置かれるが、看護必要度の該当患者割合の基準は30%に引き上げられる。看護必要度の判定基準も見直されるため、現行の判定基準に当てはめると実質1.6ポイントの引き上げとなる。
慢性期医療では、「看護配置20対1以上」が要件の療養病棟入院基本料1と、「同25対1以上」が要件の入院基本料2が一本化。基本部分で「看護配置20対1以上」が要件化され、実績部分の評価には医療区分2・3の該当患者割合が用いられる。療養病棟入院料1は「医療区分2・3割合が8割以上」、入院料2は「同5割以上」が要件とされる。看護配置や医療区分2・3割合の要件を満たせない病院向けに、2段階の経過措置も設けられる。
地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料では、自宅等からの入院の受け入れを促す観点から、こうした実績を評価する上位ランクの入院料が設けられる。「自宅等から入院した患者が1割以上」「自宅等からの緊急患者の受け入れが3カ月で3人以上」などの受け入れや、在宅医療の提供にかかる実績が求められる。
外来医療では、かかりつけ医機能に対する評価が拡充されたほか、大病院と中小病院・診療所の機能分化を促すための見直しが行われた。
最大のポイントとなりそうなのが、初診料への加算の新設だ。かかりつけ医機能を担う医療機関において、専門医療機関の受診の要否の判断などの診療機能を評価するため、初診料に「機能強化加算」(80点)が新設される。診療所または200床未満の病院で、地域包括診療料・加算、認知症地域包括診療料・加算、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料(在宅療養支援診療所・病院に限る)、施設入居時等医学総合管理料(在宅療養支援診療所・病院に限る)の届け出を行っていることなどが要件となる。初診料は診療所の全数調査で1カ月に1777万回(2016年6月時点)算定されており、影響はかなり大きいとみられる。
主治医機能を評価した地域包括診療料・加算および認知症地域包括診療料・加算には上位ランクが設けられ、外来から訪問診療に移行した実績を評価。届け出のハードルとなっていた常勤医師数の要件は「常勤医2人以上」から「常勤医1人以上で常勤換算2人以上」に緩和される。
外来の機能分化を促す観点からは、紹介状を持たない患者が受診した場合に初診時5000円、再診時2500円以上の選定療養費の徴収を義務付けられる対象が「一般病床500床以上の地域医療支援病院」から「許可病床400床以上の地域医療支援病院」に拡大される。
在宅医療では、今後の医療ニーズの増大を見据え、必要な医療が効果的・効率的に提供される体制を整備するための見直しが行われた。
定期的に訪問診療により計画的に医学管理を行うことを評価した在宅時医学総合管理料(在医総管)、施設入居時等医学総合管理料(施医総管)では、月2回訪問の点数が100点引き下げられる一方、機能強化型在宅療養支援診療所・病院を除いて月1回訪問の点数が20~50点引き上げられる。月1回の訪問診療で医学管理が可能な患者については月1回の診療を基本とし、より多くの患者を診てもらう狙いがあるとみられる。
さらに、在宅療養支援診療所(在支診)を届け出ていない一般診療所のみが算定できる加算として、在医総管・施医総管に「継続診療加算」(216点、月1回)が新設される。一般診療所がほかの医療機関と連携して24時間の往診・連絡体制を構築することなどが要件となる。一般診療所が在宅医療を手がける上でハードルとなる24時間対応の負担を軽減する一方、報酬を手厚くすることで在宅医療への参入を促す。
「オンライン診療料」「オンライン医学管理料」が新設
2018年度改定では、情報通信機器を用いたオンライン診察や医学管理に対する評価が新設されたことも注目ポイントだ。
オンライン診察では「オンライン診療料」(70点、月1回)、オンラインによる医学管理では「オンライン医学管理料」(100点、月1回)が新設される。オンライン診療料の対象は特定疾患療養管理料、地域包括診療料、認知症地域包括診療料、生活習慣病管理料などを算定している患者で、これらの医学管理にかかる初診から6カ月以上、同一の医師が対面診療を行っていることが要件。施設基準には、厚労省が定める指針などに沿った診療体制を有すること、1カ月当たりの再診料(電話等再診は除く)・オンライン診療料の算定回数に占めるオンライン診療料の算定割合が1割以下であることなどが盛り込まれる。
オンライン医学管理料は、対面診療による管理料などを算定していない月に、オンラインによる医学管理を行った場合に算定できる。
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