街づくり支援協会は1992年住まいに関する専門家集団として発足しました。1995年1月17日阪神大震災の発生が当協会の大きな転換点になりました。その後、高齢社会に対応したSHA講座を開講。そして東日本大震災で再び県外避難者の支援を行っています。
1.阪神大震災・県外避難者が発生
「県外避難者」という言葉が生まれたのは、阪神大震災の時が最初でした。避難所での生活が困難だったり、仕事・子育て等やむを得ない事情で、兵庫県から他府県に引っ越した県外避難者は、5万―15万人といわれます。避難先は東北地方から沖縄県までの広範囲にわたりました。
当時は県外に避難すると、被災地の行政からの情報が入らず、行政支援サービスがまったく受けられないという状況でした。親戚や知り合いのつてを頼って避難しても同じ被災者は周囲におらず、孤独な避難者の精神状態も心配されました。
街づくり支援協会では、復興支援の枠外に
置かれていた県外避難者に対し、情報誌の発行、避難先での復興公営住宅の入居説明会の開催、神戸市の委託を受けての神戸市市外避難者相談窓口の設置などの活動をおこなってきました。
また、県外避難者の存在を行政に伝え施策の実現を訴えてきました。これらの活動により、1999年「第53回神戸新聞社会賞」を受賞しました。
2.高齢社会を迎えて
その後、当協会では高齢社会の到来に備え、高齢者の住まいと地域社会の連携に着目したシニアハウジングアドバイザー(SHA)資格の創設など社会的事業者の養成を行ってきました。また、当協会の理念を具体的に実現するためのソーシャルベンチャー(社会的企業)である「(株)ご近所センター」を設立しました。
人間関係が希薄になりがちな都市部において、地域のつながりの再生に着目したご近所センターは 行政からも注目され、大阪府と共同事業として「地域ご近所センター」事業を行います。
今後、北摂地域に空き店舗等を活用し、地域ご近所センターを立ち上げ、、開設 運営は認定資格者であるシニアハウジングアドバイザー(SHA)が担当することになり ます。
地域ご近所センターを中心に在宅での介護サービス受給者、高齢者、身障者、子育て支援を包括するつなぎ役として、実現される予定です。
住替えについては、これまでのように住み替えのみを提案する方法ではなく、高齢期の様々な住まい方を地域とともに包括的にサポートし、住まいの一選択肢として高齢者向け住宅等への住みかえを提案することを考えている。これにより、従来進んでいない住替えの新しいモデルを提示します。
3.東日本大震災が発生、再び県外避難者
戦後最大の自然災害といわれた阪神大震災から16年、3月11日に発生した東日本大震災は死者2万人以上にのぼります。地球の表面を覆うプレートの境界面が集まっている日本列島付近では周期的に巨大地震による災害が発生することは今後も避けられない状況です。今後30年以内に巨大地震が起こる確率は東海地震が87%、南関東・東南海地震は70%程度(地震調査研究推進本部調べ)とされています。今後も日本のどこかで巨大地震が発生し、大規模に県外避難者が発生することは確実です。
東日本大震災では、当初から市町村が県外避難者に連絡を求めるなど県外避難者は認知されましたが、まだまだその支援は不十分です。県外避難者支援は、帰郷するか避難先で生活するかに関わらず10年スパンの長期的な視野に立った支援が必要です。当協会では、いち早く県外避難者相談ホットライン「わたしはここにいます」を開設。県外避難者の方の生の声を聞く努力を続けてまいります。
必ずやってくる次の災害に向けて初動体制を確立すること、NPO間の連絡を密にしネットワーク化することも重要です。県外避難者支援のNPOの活動を恒常的に維持し、また中長期的視野に立った被災者支援が不可欠と考えています。