01/09/2026
誰も買わない「負動産(山林・原野・限界分譲地)」を処分する方法 ―― 相続した土地を“放置しない”ために知っておきたい選択肢
相続した土地を調べてみたら、山林や原野、別荘地などの「ほとんど利用していない土地」だった――。しかも、不動産会社に相談しても買い手が見つからない。このような土地は、近年「負動産」と呼ばれることがあります。
負動産には法律上の明確な定義があるわけではありませんが、資産としての利用価値が低い一方で、所有している限り管理や固定資産税などの負担が生じる土地を指して使われることが多い言葉です。
では、こうした土地はどのように処分すればよいのでしょうか。
まず検討したいのが、通常の売却です。
「誰も買わない土地」と思っていても、隣接地の所有者にとっては、土地を広げたり、接道や利用上の問題を解消したりする目的で価値がある場合があります。また、周辺の事業者や土地利用を検討している人が購入を希望する可能性もあります。
そのため、最初から「売れない」と決めつけず、土地の位置や接道状況、面積、地目、利用規制などを調査したうえで、地域の事情に詳しい不動産会社へ相談することが重要です。
次に、相続した土地であれば、**「相続土地国庫帰属制度」**を検討できる場合があります。この制度は、相続または遺贈によって取得した土地について、一定の要件を満たした場合に、法務大臣の承認を受けて国庫に帰属させる制度です。令和5年4月27日から開始されています。
ただし、「不要な土地なら国が何でも引き取ってくれる」という制度ではありません。
例えば、建物が存在する土地、境界が明らかでない土地、土壌汚染がある土地などは申請できない場合があります。また、管理や処分に過分な費用・労力が必要となる土地などは、審査の結果、不承認となる可能性があります。
さらに、承認された場合でも無料で手放せるわけではありません。一定の審査手数料に加え、土地の種類などに応じた負担金を納付する必要があります。森林については面積に応じて負担金が算定され、原野などは原則として一定額となる仕組みです。
また、自治体によっては、空き家・土地の相談窓口や、地域の土地利用を促進する制度を設けている場合があります。土地の状態によっては、隣地所有者や地域の事業者への譲渡など、一般市場とは異なる処分方法が見つかる可能性もあります。
一方で、**「とにかく早く手放したい」という理由だけで、無償譲渡や高額な処分費を伴う業者へ急いで依頼するのは注意が必要です。**土地の権利関係や境界、管理状態などを確認したうえで、複数の選択肢を比較することが大切です。
特に相続した山林・原野の場合、相続登記をせずに放置すると、将来的に相続人が増えて権利関係が複雑になる可能性があります。相続登記は令和6年4月1日から義務化されています。
「売れないから放っておく」のではなく、①売却できる可能性を調査する、②隣接地所有者などへの譲渡を検討する、③自治体などの制度を確認する、④相続土地国庫帰属制度の対象になるか確認するという順番で整理していくことが重要です。
負動産は、時間が経てば自然に問題が解決するとは限りません。相続した時点で土地の価値と処分方法を調査し、必要に応じて不動産会社、司法書士、土地家屋調査士、税理士などの専門家へ相談することが、将来の相続人に負担を残さないための第一歩となります。