02/06/2020
KYC(Know Your Customer:ノウユアカスタマー)とは、仮想通貨/暗号資産取引所の口座開設の際に求められる顧客確認のための本人確認書類・手続きの総称のことです。
銀行口座や証券口座を開設する際に本人確認書類の提出が求められることと同じように、仮想通貨/暗号資産取引所に自身の口座を開設する際には、法律によってKYCが義務付けられています。
KYCを実施する目的はいくつかありますが、もっとも大きな狙いはマネーロンダリングなどの犯罪を抑止することです。
現在、暴力団やテロ組織などの反社会的勢力に対する規制は大幅に強化され、銀行や証券会社の口座を作ることは実質的に不可能になっています。
この動きは反社会的勢力への資金の流れを規制することで組織の弱体化を狙っているためです。
しかし、仮想通貨/暗号資産のブロックチェーンにおいては管理者が不在であり、国や地域を問わず世界中のユーザーとインターネット上での取引が可能です。
従来の銀行口座のように資金の流れを金融機関は把握することができず、さまざまな犯罪に利用されるおそれがあります。
これを防ぐために、日本国内においては仮想通貨/暗号資産に関する法律が整備され、国内の仮想通貨/暗号資産取引所には口座開設時にKYCが義務付けられるようになりました。
仮想通貨/暗号資産を懸念する声で最も多いのが、マネーロンダリングに利用されるのではないかという懸念です。
たしかに、仮想通貨/暗号資産はインターネットを通じて世界中のユーザーと匿名での取引が可能であり、秘匿性に優れたブロックチェーンは犯罪に利用される可能性もゼロではありません。
しかし、取引所の口座開設においてKYCをしっかりと実施していれば、仮想通貨/暗号資産が犯罪に利用される可能性は最小限にとどめることができます。
万が一、取引所の口座が犯罪に利用された場合、取引所は他の金融機関と同様に関係機関に情報を提供し捜査協力を行います。
KYCは犯罪の抑止において重要な役割を果たしています。
国内の仮想通貨/暗号資産取引所は口座開設時にKYCの実施が必須となっていますが、一部の海外の取引所においてはKYCが必須でないこともあります。
ただし、マネーロンダリングや犯罪へ利用される懸念は海外の仮想通貨/暗号資産取引所であっても同じであり、今後KYCが世界的に強化されていくという見方もあります。
現時点で海外の銀行もほとんどが口座開設時にKYCの実施が必須となっていることを考慮すると、仮想通貨/暗号資産取引所においても今後ますますKYCの必要性が高まるのではないかと考えられます。