03/01/2014
(お正月限定・・・特別編)
年が明けた。
大掃除を終えて、年末特番を見て、年越し蕎麦を食べる。
うちのお蕎麦は醤油出汁の薄味。
普通のお蕎麦なんだけど、年に一度だけって思ったら何だかありがたい。
ご馳走の後だから、少しで満足したので2階の自室に戻った。
誰もいなかった部屋はひんやり肌寒い。
電気マットのスイッチを入れて、一枚上着を羽織る。
窓際に座って、改めて部屋を見渡してみた。
ベッドに机、クローゼット。白いモコモコの草原は電気マットが敷いてあり、本棚には教科書や参考書が並ぶ。漫画や小説は友達から借りるので、自分で買ったりはしなかった。
女の子にしてはそれほどモノがないかな、と曖昧に笑う。
私には趣味というものがない。
クラスメイトは絵を描いたり、パソコンが出来たり、楽器が扱えたり、運動が出来たり。
それぞれが才能があってキラキラ輝いて見えた。
窓際に両手を置いて、頭を預ける。
遠くに見える明かりはお祭りだろうか。
「みんなすごいなぁ」
思いがけず呟いた言葉は、除夜の鐘と混じって消えた。
ごーん。
ごーん。
遠くで鐘を突く音が鳴る。
低くて、厳かで、静かに響く。
瞼はゆっくり閉じて、このまま眠ってしまおうかとも思えた。
コツ。
窓を叩く違和感に、微睡みから引きあげられる。
窓から外を見ると、見知った人物が一人。
「夕!」
こんな時間にどうしたのだろう。
「行こう。初詣」
すぐに着替えて、近所の神社までやってきた。
思えば夕との初詣なんて初めてかもしれない。
そう思うと少しぎこちない気持ちになる。
当の本人はというと、とてもいつも通りでした。
そんな様子に嬉しくもあり、苦笑いもしつつ。
幼馴染みだった夕と付き合い始めたのは高校に入ってから。
いつもぼんやりしてる夕のどこが好きかって聞かれたら、毎回返答に困っていた。
かっこいい?顔が好み?優しい?とも違う気がするし、
幼馴染みだから?いつも側に居たから?というのも後付けな気がする。
私はなんとなく、彼がいいと思ってた。
ぼんやりした彼だから、私もぼんやり好きになってたのかも。
いまだに夕のよくわからないところはたくさんあって、なんだか不思議な感じ。
そうこう考えている間に、お賽銭の順番が回ってきた。
えっと、お金を入れて、2回礼、2回拍手、でいいんだっけ?
一呼吸遅れて、夕と同じ所作をする。
パン、パン。
私のお願い事は――。
最後に一礼をして、夕に手を引かれてその場を離れた。
夕からは、初めて手を握ってくれた気がする。
人混みを抜けても、まだ少しドキドキしていた。
「おみくじ、やってく?」
「うん!」
深夜に賑わう神社で、少しだけ特別な時間を過ごせた気がする。
いつもとは違うこの場所で、いつも少し違う彼を見て。
いつもと同じくぼんやりしてるのだけど。
夕に買って貰ったお守りを、そっと小箱にしまった。