03/12/2023
11月24日に香港理工大学(PolyU)で開催された「Leadership Forum on Service Design 2023」に、柴田がゲストスピーカとして登壇しました。このイベントは同大学のデザイン学部(School of Design)主催で、また香港で毎年開催されているBusiness of Design Week(bodw)のプログラムのひとつでもありました。
登壇者はミラノ工科大学、イリノイ工科大学、シンガポール国立大学、同済大学の教授陣と、香港アクセンチュアのサービスデザインディレクター、幼児向けコンテンツ・ピンキッツ(pingfong)共同創設者、そしてGKの柴田という学術機関と民間企業のミックスで、これに香港デザインセンターのチェアマンと香港理工大学デザイン学部長が加わる構成。因みに学部長のProf. Kun-Pyo Leeは韓国のKAIST時代に東大のi.schoolとも関係のあったかたで、20年くらい前に彼のレクチャーを東大で聞いたことがありました。
「サービスデザイン」とタイトルに銘打たれているものの、実践事例を真正面からプレゼンしたのは、個人向けファイナンス分野のアプリ開発を紹介したアクセンチュアのサービスデザインディレクターのみで、後は意思決定プロセス、ソーシャルイノベーションとサービスデザインの関係、アジアにおける西洋型サービスデザイン導入における課題などが語られました。
柴田は「Border of Service, Service Design, and Design」と題して、GKの事例を中心にサービスにおける物理的なタッチポイントの質の重要性から、行政の産業振興計画におけるストーリーテリングの取り入れかた、防災におけるデザインのありかたなど、「サービス」という言葉を広めに取ったうえで、デザインで何が出来るかを話しました。
海外から見ると日本はおもてなしの国・サービスの優れた国という認識との指摘を他の参加者から受けましたが、おそらくインバウンドの方々が感激するホスピタリティは、いわゆるサービスデザインとは別のところで築きあげられたもので、そうしたものが人手不足で崩れていることが確実視されるなか、いかにテクノロジーを活用するかが、今後の日本のサービスデザインに求められる課題であることを再認識したフォーラムでした。また登壇後に学生数名から質問を受けましたが、それがいずれもコミュニティデザインやソーシャルデザインの実践についてだったのが、なかなか興味深いものがありました。
フォーラムは1日だったので、翌日、M+などを訪れました。ご存知のかたも多いようにM+には倉俣史朗氏が手がけた寿司屋「きよ友」が完全移築されるなど、デザイン系の展示ではポストモダンの作品が多く展示されています。倉俣氏のミス・ブランチを子どもたちに解説しているのをたまたま聞きながら、日本のポストモダン全盛期に、デザインに関する知識がゼロでGKに入った身としては、あの時代の空気感や自分がGKのデザインに対して当時抱いた違和感が思い出されて感慨深いものがありました。
(柴田厳朗)
PolyU Design
https://www.polyu.edu.hk/sd/
M+
https://www.mplus.org.hk/en/